与えられた行列 $A(\theta) = \begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta \\ \sin\theta & \cos\theta \end{pmatrix}$ (ただし $0 \leq \theta \leq 2\pi$) について、以下の問いに答える。 (1) 行列 $A(\theta)$ の行列式を求め、$A(\theta)$ が正則であることを示せ。 (2) $A(\theta)$ の逆行列を求めよ。 (3) $A(\theta)$ の転置行列 $A^T$ が $A(\theta)$ の逆行列 $A^{-1}$ に等しいことを示せ。 (4) $A(\theta_1)A(\theta_2) = A(\theta_1 + \theta_2)$ を示せ。 (5) (4) の結果を用いて、$A(\theta)^{-1} = A(-\theta)$ を示せ。
2025/6/16
1. 問題の内容
与えられた行列 (ただし ) について、以下の問いに答える。
(1) 行列 の行列式を求め、 が正則であることを示せ。
(2) の逆行列を求めよ。
(3) の転置行列 が の逆行列 に等しいことを示せ。
(4) を示せ。
(5) (4) の結果を用いて、 を示せ。
2. 解き方の手順
(1) 行列式を求める:
行列 の行列式は、
三角関数の恒等式 より、
行列式が 0 でないため、 は正則である。
(2) 逆行列を求める:
2x2行列 の逆行列は で与えられる。
の逆行列 は
(3) 転置行列と逆行列の関係を示す:
の転置行列 は、
これは、(2)で求めた と一致する。よって、 が示された。
(4) を示す:
三角関数の加法定理 および を用いると、
(5) を示す:
(4) の結果より、 が成り立つ。
と を掛け合わせると単位行列になるはずなので、
ここで、 とおくと、
したがって、
3. 最終的な答え
(1) であり、 は正則である。
(2)
(3)
(4)
(5)