この問題は、集合、写像、逆写像、合成写像に関する複数の小問から構成されています。具体的には、 * **問題1**: 全体集合 $U$ とその部分集合 $A, B, C$ が与えられたとき、いくつかの集合演算の結果を求めます。 * **問題2**: ベン図を用いて集合の関係を示し、与えられた集合演算の結果が元の集合と等しいかどうかを判断します。 * **問題3**: 写像 $f$ と $g$ が与えられたとき、それらが全単射、全射、単射のいずれであるかを判断します。 * **問題4**: 関数 $f(x) = \frac{1}{1+|x|}$ のグラフを描き、値域を求め、別の関数のグラフを描きます。 * **問題5**: 写像 $f$ と $g$ が与えられたとき、$f$ の逆写像 $f^{-1}$ と合成写像 $g \circ f$ を求めます。

離散数学集合写像逆写像合成写像全射単射値域グラフ
2025/6/17

1. 問題の内容

この問題は、集合、写像、逆写像、合成写像に関する複数の小問から構成されています。具体的には、
* **問題1**: 全体集合 UU とその部分集合 A,B,CA, B, C が与えられたとき、いくつかの集合演算の結果を求めます。
* **問題2**: ベン図を用いて集合の関係を示し、与えられた集合演算の結果が元の集合と等しいかどうかを判断します。
* **問題3**: 写像 ffgg が与えられたとき、それらが全単射、全射、単射のいずれであるかを判断します。
* **問題4**: 関数 f(x)=11+xf(x) = \frac{1}{1+|x|} のグラフを描き、値域を求め、別の関数のグラフを描きます。
* **問題5**: 写像 ffgg が与えられたとき、ff の逆写像 f1f^{-1} と合成写像 gfg \circ f を求めます。

2. 解き方の手順

**問題1:**
(1) A={1,3,5,7,9}A = \{1, 3, 5, 7, 9\} (UU の奇数の集合)
(2) AB={1,3}A \cap B = \{1, 3\} (AABB の共通部分)
(3) AC={1,3,5,6,7,9}A \cup C = \{1, 3, 5, 6, 7, 9\} (AACC の和集合)
(4) ABC=A \cap B \cap C = \emptyset (A,B,CA, B, C の共通部分。存在しないため空集合)
(5) (AB)cC={5,6,7}(A \cap B)^c \cap C = \{5, 6, 7\}
* AB={1,3}A \cap B = \{1, 3\}
* (AB)c={2,4,5,6,7,8,9}(A \cap B)^c = \{2, 4, 5, 6, 7, 8, 9\}
* (AB)cC={5,6,7}(A \cap B)^c \cap C = \{5, 6, 7\}
**問題2:**
(1) 集合 S=(AC)BS = (A \cup C) \cap B に対応する領域は、ベン図で A,B,CA, B, C の領域を描き、AACC の和集合と BB の共通部分を斜線で示すことで表現できます。
(2)
(a) (AC)B(A \cap C) \cup BSS が等しいか:等しくない。
(b) (AB)(AC)(A \cap B) \cup (A \cap C)SS が等しいか:等しくない。
(c) (AB)(BC)(A \cup B) \cap (B \cup C)SS が等しいか:等しくない。
**問題3:**
* f:ZZ,m2m+1f: \mathbb{Z} \rightarrow \mathbb{Z}, m \mapsto 2m + 1 について:これは単射であるが全射ではありません。なぜなら、ff の値域は奇数の集合であり、すべての整数をカバーしていないからです。
* g:RR,xx32x2+xg: \mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}, x \mapsto x^3 - 2x^2 + x について:これは単射でも全射でもありません。
* g(0)=0g(0) = 0
* g(1)=0g(1) = 0
したがって単射ではありません。三次関数ですが、xx \rightarrow -\infty-\inftyxx \rightarrow \infty\infty に発散するため、中間値の定理より全射です。
しかし、微分してg(x)=3x24x+1=(3x1)(x1)g'(x) = 3x^2 - 4x + 1 = (3x-1)(x-1)となり、g(x)=0g'(x) = 0となるのはx=1/3,x=1x=1/3, x=1。このことからx<1/3x<1/3で単調増加、1/3<x<11/3<x<1で単調減少、x>1x>1で単調増加となるので、単射ではない。
**問題4:**
(1) y=f(x)=11+xy = f(x) = \frac{1}{1 + |x|} のグラフは、yy 軸に関して対称であり、x=0x = 0 で最大値 11 を取ります。xx が大きくなるにつれて、yy00 に漸近します。
(2) ff の値域は R={yR;0<y1}R = \{y \in \mathbb{R}; 0 < y \le 1\} です。
(3) y=2f(x32)=21+x32=42+x3y = 2f(\frac{x - 3}{2}) = \frac{2}{1 + |\frac{x - 3}{2}|} = \frac{4}{2 + |x - 3|} のグラフは、x=3x = 3 で最大値 22 を取ります。最大値の半分は 11 であり、その時の座標は x=1x = 1x=5x = 5 です。
**問題5:**
(1) f:R2R2,(xy)(xyx+2y)f: \mathbb{R}^2 \rightarrow \mathbb{R}^2, \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} \mapsto \begin{pmatrix} x - y \\ x + 2y \end{pmatrix}
逆写像 f1f^{-1} を求める。
u=xy,v=x+2yu = x - y, v = x + 2y
3y=vuy=vu33y = v - u \Rightarrow y = \frac{v - u}{3}
x=u+y=u+vu3=2u+v3x = u + y = u + \frac{v - u}{3} = \frac{2u + v}{3}
f1:R2R2,(xy)(2x+y3x+y3)f^{-1}: \mathbb{R}^2 \rightarrow \mathbb{R}^2, \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} \mapsto \begin{pmatrix} \frac{2x + y}{3} \\ \frac{-x + y}{3} \end{pmatrix}
(2) 合成写像 gfg \circ f を求める。
gf:R2R2,(xy)g(f((xy)))=g((xyx+2y))g \circ f: \mathbb{R}^2 \rightarrow \mathbb{R}^2, \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} \mapsto g(f(\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix})) = g(\begin{pmatrix} x - y \\ x + 2y \end{pmatrix})
g((xyx+2y))=((xy)22(xy)+sin(x+2y))g(\begin{pmatrix} x - y \\ x + 2y \end{pmatrix}) = \begin{pmatrix} (x - y)^2 \\ 2(x - y) + \sin(x + 2y) \end{pmatrix}
gf:R2R2,(xy)((xy)22(xy)+sin(x+2y))g \circ f: \mathbb{R}^2 \rightarrow \mathbb{R}^2, \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} \mapsto \begin{pmatrix} (x - y)^2 \\ 2(x - y) + \sin(x + 2y) \end{pmatrix}

3. 最終的な答え

**問題1:**
(1) A={1,3,5,7,9}A = \{1, 3, 5, 7, 9\}
(2) AB={1,3}A \cap B = \{1, 3\}
(3) AC={1,3,5,6,7,9}A \cup C = \{1, 3, 5, 6, 7, 9\}
(4) ABC=A \cap B \cap C = \emptyset
(5) (AB)cC={5,6,7}(A \cap B)^c \cap C = \{5, 6, 7\}
**問題2:**
(1) ベン図による表現(省略)
(2) (a) 等しくない (b) 等しくない (c) 等しくない
**問題3:**
ff: (c) 単射であるが全射でない
gg: (d) 単射でも全射でもない
**問題4:**
(1) グラフによる表現(省略)
(2) 0<y10 < y \le 1
(3) グラフによる表現(省略)。最大値の座標は (3,2)(3, 2)、最大値の半分の座標は (1,1)(1, 1)(5,1)(5, 1)
**問題5:**
(1) f1:R2R2,(xy)(2x+y3x+y3)f^{-1}: \mathbb{R}^2 \rightarrow \mathbb{R}^2, \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} \mapsto \begin{pmatrix} \frac{2x + y}{3} \\ \frac{-x + y}{3} \end{pmatrix}
(2) gf:R2R2,(xy)((xy)22(xy)+sin(x+2y))g \circ f: \mathbb{R}^2 \rightarrow \mathbb{R}^2, \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} \mapsto \begin{pmatrix} (x - y)^2 \\ 2(x - y) + \sin(x + 2y) \end{pmatrix}

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