質量 $m$ の質点を $x=0$ から初速 $v=0$ で自由落下させる。鉛直下向きを $x$ 軸の正の向きとする。 (a) ポテンシャルエネルギー $U$ と速度 $v$ を $x$ の関数として求めよ。 (b) 運動エネルギー $K$ とポテンシャルエネルギー $U$ の $x$ 依存性を一つのグラフに図示し、グラフの物理的意味を説明せよ。 (c) 位置 $x$ の時間依存性を、(a)で求めた $v$ を用いて求めよ。

応用数学力学自由落下エネルギー保存微分方程式
2025/6/18

1. 問題の内容

質量 mm の質点を x=0x=0 から初速 v=0v=0 で自由落下させる。鉛直下向きを xx 軸の正の向きとする。
(a) ポテンシャルエネルギー UU と速度 vvxx の関数として求めよ。
(b) 運動エネルギー KK とポテンシャルエネルギー UUxx 依存性を一つのグラフに図示し、グラフの物理的意味を説明せよ。
(c) 位置 xx の時間依存性を、(a)で求めた vv を用いて求めよ。

2. 解き方の手順

(a) ポテンシャルエネルギーと速度の導出
重力加速度を gg とする。ポテンシャルエネルギー UU は、基準点を x=0x=0 とすると、
U(x)=mgxU(x) = -mgx
運動エネルギー KK は、力学的エネルギー保存則より、
K(x)+U(x)=K(0)+U(0)K(x) + U(x) = K(0) + U(0)
K(x)mgx=0+0K(x) -mgx = 0 + 0
K(x)=mgxK(x) = mgx
運動エネルギーは K=12mv2K = \frac{1}{2}mv^2 でもあるので、
12mv2=mgx\frac{1}{2}mv^2 = mgx
v2=2gxv^2 = 2gx
v=2gxv = \sqrt{2gx}
(b) エネルギーのグラフと物理的意味
運動エネルギーとポテンシャルエネルギーのグラフは、横軸を xx 、縦軸をエネルギーとして描かれる。
ポテンシャルエネルギーは U(x)=mgxU(x) = -mgx なので、xx に比例して負の方向に直線的に減少する。
運動エネルギーは K(x)=mgxK(x) = mgx なので、xx に比例して正の方向に直線的に増加する。
グラフの物理的意味:
* 全エネルギーは保存されており、U+K=0U+K=0で一定である。
* xx が増加するにつれて、ポテンシャルエネルギーが減少し、その分だけ運動エネルギーが増加する。
* x=0x=0 でポテンシャルエネルギーは最大 (00) で、運動エネルギーは最小 (00) である。
* xx が大きくなるほど、質点の速度は増加する。
(c) 位置の時間依存性
(a)で求めた vv を用いる。 v=dxdtv = \frac{dx}{dt} なので、
dxdt=2gx\frac{dx}{dt} = \sqrt{2gx}
dxx=2gdt\frac{dx}{\sqrt{x}} = \sqrt{2g} dt
両辺を積分する。
dxx=2gdt\int \frac{dx}{\sqrt{x}} = \int \sqrt{2g} dt
2x=2gt+C2\sqrt{x} = \sqrt{2g}t + C
初期条件 t=0t=0x=0x=0 より、C=0C=0
2x=2gt2\sqrt{x} = \sqrt{2g}t
x=2g2t\sqrt{x} = \frac{\sqrt{2g}}{2}t
x=2g4t2=12gt2x = \frac{2g}{4}t^2 = \frac{1}{2}gt^2

3. 最終的な答え

(a) ポテンシャルエネルギー:U(x)=mgxU(x) = -mgx 、速度:v(x)=2gxv(x) = \sqrt{2gx}
(b) グラフについては説明を参照。
(c) 位置の時間依存性:x(t)=12gt2x(t) = \frac{1}{2}gt^2

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