直径60mmの軸に標準寸法のキーを使用した場合、キー溝の面圧が98MPa以下、キーのせん断応力が39.2MPa以下になるように、200rpmで伝達可能な動力[kW]をそれぞれ計算する。ただし、キーの長さは $1.6d$ とする。

応用数学機械工学動力計算トルク面圧せん断応力
2025/6/18

1. 問題の内容

直径60mmの軸に標準寸法のキーを使用した場合、キー溝の面圧が98MPa以下、キーのせん断応力が39.2MPa以下になるように、200rpmで伝達可能な動力[kW]をそれぞれ計算する。ただし、キーの長さは 1.6d1.6d とする。

2. 解き方の手順

(1) キー溝の接触面圧による動力の計算
まず、キーとキー溝の接触深さ δ\delta を計算する。
δ=d2(d2)2(b2)2\delta = \frac{d}{2} - \sqrt{(\frac{d}{2})^2 - (\frac{b}{2})^2}
d=60mmd = 60 mm, b=18mmb = 18 mmを代入して、
δ=602(602)2(182)2=3090081=30819=3028.62=1.38mm\delta = \frac{60}{2} - \sqrt{(\frac{60}{2})^2 - (\frac{18}{2})^2} = 30 - \sqrt{900 - 81} = 30 - \sqrt{819} = 30 - 28.62 = 1.38 mm
キー溝の接触面積 AcA_c を計算する。
Ac=t1×l=4.4mm×96mm=422.4mm2A_c = t_1 \times l = 4.4 mm \times 96 mm = 422.4 mm^2
ここで、llはキーの長さであり、l=1.6d=1.6×60=96mml = 1.6d = 1.6 \times 60 = 96 mmt1t_1はキー溝の深さ寸法で、4.4mmである。
許容できる接触力 PcP_c を計算する。
Pc=許容面圧×Ac=98MPa×422.4mm2=41395.2NP_c = \text{許容面圧} \times A_c = 98 MPa \times 422.4 mm^2 = 41395.2 N
力の作用点までの長さ RcR_c を計算する。
Rc=d2(δ+t12)=602(1.38+4.42)=30(1.38+2.2)=303.58=26.42mm=0.02642mR_c = \frac{d}{2} - (\delta + \frac{t_1}{2}) = \frac{60}{2} - (1.38 + \frac{4.4}{2}) = 30 - (1.38 + 2.2) = 30 - 3.58 = 26.42 mm = 0.02642 m
伝達できるトルク TcT_c を計算する。
Tc=Pc×Rc=41395.2N×0.02642m=1092.6NmT_c = P_c \times R_c = 41395.2 N \times 0.02642 m = 1092.6 Nm
接触面圧で伝達できる最大動力 PP を計算する。
P=2πn60×Tc=2π×20060×1092.6Nm=22890.4W=22.89kWP = \frac{2 \pi n}{60} \times T_c = \frac{2 \pi \times 200}{60} \times 1092.6 Nm = 22890.4 W = 22.89 kW
(2) キーのせん断応力による動力の計算
キーのせん断面積 AsA_s を計算する。
As=b×l=18mm×96mm=1728mm2A_s = b \times l = 18 mm \times 96 mm = 1728 mm^2
許容できるせん断力 PsP_s を計算する。
Ps=せん断許容応力×As=39.2MPa×1728mm2=67720.9NP_s = \text{せん断許容応力} \times A_s = 39.2 MPa \times 1728 mm^2 = 67720.9 N
力の作用点までの長さ RsR_s を計算する。
Rs=d2δ=6021.38=301.38=28.62mm=0.02862mR_s = \frac{d}{2} - \delta = \frac{60}{2} - 1.38 = 30 - 1.38 = 28.62 mm = 0.02862 m
伝達できるトルク TsT_s を計算する。
Ts=Ps×Rs=67720.9N×0.02862m=1938.1NmT_s = P_s \times R_s = 67720.9 N \times 0.02862 m = 1938.1 Nm
せん断応力で伝達できる最大動力 PP を計算する。
P=2πn60×Ts=2π×20060×1938.1Nm=40561.2W=40.56kWP = \frac{2 \pi n}{60} \times T_s = \frac{2 \pi \times 200}{60} \times 1938.1 Nm = 40561.2 W = 40.56 kW

3. 最終的な答え

キー溝の接触面圧による伝達動力:22.89 kW
キーのせん断応力による伝達動力:40.56 kW

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