正則行列 $A$ の成分がすべて有理数であるとき、その逆行列 $A^{-1}$ の成分もすべて有理数であることを示す。

代数学線形代数行列逆行列有理数
2025/6/19

1. 問題の内容

正則行列 AA の成分がすべて有理数であるとき、その逆行列 A1A^{-1} の成分もすべて有理数であることを示す。

2. 解き方の手順

正則行列 AA が与えられたとき、その逆行列 A1A^{-1} は次のように計算できます。
A1=1det(A)adj(A)A^{-1} = \frac{1}{\det(A)} \text{adj}(A)
ここで、det(A)\det(A) は行列 AA の行列式であり、adj(A)\text{adj}(A) は行列 AA の余因子行列です。

1. 行列式 $\det(A)$ の計算:

行列 AA の成分がすべて有理数である場合、行列式の計算は有理数の加算、減算、乗算のみを含むため、det(A)\det(A) も有理数となります。また、AAが正則行列なので det(A)0\det(A) \neq 0です。

2. 余因子行列 $\text{adj}(A)$ の計算:

余因子行列 adj(A)\text{adj}(A) の各成分は、行列 AA の小行列式の符号付きの値です。小行列式は、行列 AA のいくつかの行と列を取り除いた行列の行列式であり、その成分も行列 AA の成分のみを用いて計算されます。したがって、AA の成分がすべて有理数である場合、小行列式も有理数となり、余因子も有理数となります。よって、余因子行列 adj(A)\text{adj}(A) の成分もすべて有理数です。

3. 逆行列 $A^{-1}$ の計算:

A1=1det(A)adj(A)A^{-1} = \frac{1}{\det(A)} \text{adj}(A) であり、det(A)\det(A) が有理数で adj(A)\text{adj}(A) の成分がすべて有理数であるため、A1A^{-1} の各成分は有理数 1det(A)\frac{1}{\det(A)} と有理数の積になります。したがって、A1A^{-1} の各成分も有理数となります。

3. 最終的な答え

正則行列 AA の成分がすべて有理数であるとき、その逆行列 A1A^{-1} の成分もすべて有理数である。

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