大小中の3つのサイコロを同時に振り、出た目をそれぞれ$a, b, c$とする。$D = |(a-b)(b-c)(c-a)|$とおく。 (1) $D$の取り得る最小の値とその確率を求める。 (2) $D$の取り得る最大の値とその確率を求める。

1. 問題の内容

大小中の3つのサイコロを同時に振り、出た目をそれぞれ$a, b, c$とする。$D = |(a-b)(b-c)(c-a)|$とおく。

(1) $D$の取り得る最小の値とその確率を求める。

(2) $D$の取り得る最大の値とその確率を求める。

2. 解き方の手順

(1) $D$の最小値について考える。絶対値記号があるので、$D$は常に0以上の値をとる。$D=0$となるのは、$a=b$または$b=c$または$c=a$のときである。$a=b=c$のときは特に$D=0$である。例えば、$a=b=c=1$のとき、$D = |(1-1)(1-1)(1-1)| = 0$となる。

$a, b, c$が全て異なるとき、$D \neq 0$となる。

したがって、$D$の最小値は0である。

$D=0$となるのは、$a=b$または$b=c$または$c=a$のときである。余事象を考えると、$a, b, c$が全て異なるとき、$6 \times 5 \times 4 = 120$通り。全体は$6^3 = 216$通り。

したがって、$D=0$となる確率は、

$1 - \frac{120}{216} = 1 - \frac{5}{9} = \frac{4}{9}$

(2) $D$の最大値について考える。$a, b, c$は1から6までの整数である。$D = |(a-b)(b-c)(c-a)|$を最大にするためには、$a, b, c$をできるだけ離れた値にする必要がある。例えば、$a=1, b=4, c=6$のとき、$D = |(1-4)(4-6)(6-1)| = |(-3)(-2)(5)| = 30$。$a=1, b=6, c=3$とすると、$D = |(1-6)(6-3)(3-1)| = |(-5)(3)(2)| = 30$。

$a, b, c$が$1, 6, 3$のような値をとるとき、$D$は大きくなる可能性がある。

$a,b,c$をそれぞれ$1,6,x$ ($x$は$1<x<6$)とすると、$D = |(1-6)(6-x)(x-1)| = 5(6-x)(x-1) = 5(-x^2+7x-6)$。この値が最大となるのは、$x=\frac{7}{2}=3.5$に近い整数を選ぶと良い。$x=3$または$x=4$を選ぶと、$D = 5(6-3)(3-1) = 5(3)(2) = 30$。

$x=2$とすると、$D = 5(6-2)(2-1) = 5(4)(1) = 20$。

$x=5$とすると、$D = 5(6-5)(5-1) = 5(1)(4) = 20$。

$a,b,c$をそれぞれ$1,2,6$とすると、$D = |(1-2)(2-6)(6-1)| = |(-1)(-4)(5)| = 20$。

$a=1, b=3, c=6$とすると、$D = |(1-3)(3-6)(6-1)| = |(-2)(-3)(5)| = 30$。

$a=1, b=4, c=6$とすると、$D = |(1-4)(4-6)(6-1)| = |(-3)(-2)(5)| = 30$。

$a=1, b=2, c=4$とすると、$D = |(1-2)(2-4)(4-1)| = |(-1)(-2)(3)| = 6$。

$a=1, b=3, c=5$とすると、$D = |(1-3)(3-5)(5-1)| = |(-2)(-2)(4)| = 16$。

$a=1, b=4, c=6$のとき、$D = 30$であり、これが最大値の候補となる。

$a=1, b=6, c=1$のとき、$D=0$。

$a=6, b=1, c=4$としても、$D = |(6-1)(1-4)(4-6)| = |5(-3)(-2)| = 30$。

$a=1, b=2, c=3$のとき、$D = |(1-2)(2-3)(3-1)| = |(-1)(-1)(2)| = 2$。

$D = 30$となる組み合わせを考える。$a, b, c$のうち最大値と最小値の差が5である必要がある。

例えば、$1, x, 6$のような場合。このとき、$D = |(1-x)(x-6)(6-1)| = 5|(1-x)(x-6)| = 5|-x^2+7x-6| = 30$。

$|-x^2+7x-6| = 6$となり、$x=3$または$x=4$となる。

順列を考えると、$1, 3, 6$の並べ方は6通り、$1, 4, 6$の並べ方も6通り。合わせて12通り。

確率を計算する。全体は$6^3 = 216$通り。$D=30$となるのは12通りなので、確率は$\frac{12}{216} = \frac{1}{18}$。

3. 最終的な答え

(1) $D$の取り得る最小の値は0であり、$D=0$となる確率は$\frac{4}{9}$である。

(2) $D$の取り得る最大の値は30であり、$D=30$となる確率は$\frac{1}{18}$である。