$V$ を有限次元ベクトル空間とし、$W$ を $V$ の部分空間とします。このとき、以下の2つを示す必要があります。 (1) $\dim(W) \le \dim(V)$ (2) $\dim(W) = \dim(V)$ ならば $W = V$

1. 問題の内容

$V$ を有限次元ベクトル空間とし、$W$ を $V$ の部分空間とします。このとき、以下の2つを示す必要があります。

(1) $\dim(W) \le \dim(V)$

(2) $\dim(W) = \dim(V)$ ならば $W = V$

2. 解き方の手順

(1) $\dim(W) \le \dim(V)$ を示す。

$W$ は $V$ の部分空間であるから、$W$ の基底 $\{w_1, w_2, ..., w_k\}$ は $V$ の線形独立な部分集合でもある。

$V$ が有限次元ベクトル空間であるから、$V$ の線形独立な部分集合は有限個のベクトルからなる。

したがって、$W$ の基底 $\{w_1, w_2, ..., w_k\}$ を含む $V$ の基底 $\{w_1, w_2, ..., w_k, v_{k+1}, ..., v_n\}$ が存在する。

このとき、$k \le n$ であるから、$\dim(W) = k \le n = \dim(V)$ となる。

(2) $\dim(W) = \dim(V)$ ならば $W = V$ を示す。

$\dim(W) = \dim(V) = n$ と仮定する。

$W$ の基底 $\{w_1, w_2, ..., w_n\}$ は $V$ の線形独立な部分集合でもある。

$\dim(V) = n$ であるから、$V$ の線形独立な $n$ 個のベクトルは $V$ の基底となる。

したがって、$W$ の基底 $\{w_1, w_2, ..., w_n\}$ は $V$ の基底でもある。

任意の $v \in V$ に対して、$v$ は $V$ の基底 $\{w_1, w_2, ..., w_n\}$ の線形結合で表せる。

すなわち、$v = c_1 w_1 + c_2 w_2 + ... + c_n w_n$ となるスカラー $c_1, c_2, ..., c_n$ が存在する。

$w_1, w_2, ..., w_n \in W$ であり、$W$ はベクトル空間であるから、$v = c_1 w_1 + c_2 w_2 + ... + c_n w_n \in W$ となる。

したがって、$V \subseteq W$ が成り立つ。

一方、$W$ は $V$ の部分空間であるから、$W \subseteq V$ が成り立つ。

よって、$V = W$ が成り立つ。

3. 最終的な答え

(1) $\dim(W) \le \dim(V)$

(2) $\dim(W) = \dim(V)$ ならば $W = V$