すべての自然数 $n$ に対して、$2^{n-1} + 3^{3n-2} + 7^{n-1}$ が5の倍数であることを数学的帰納法を用いて証明する。

数論数学的帰納法整数の性質倍数合同式
2025/6/20

1. 問題の内容

すべての自然数 nn に対して、2n1+33n2+7n12^{n-1} + 3^{3n-2} + 7^{n-1} が5の倍数であることを数学的帰納法を用いて証明する。

2. 解き方の手順

(1) n=1n=1 のとき
211+33(1)2+711=20+31+70=1+3+1=52^{1-1} + 3^{3(1)-2} + 7^{1-1} = 2^0 + 3^1 + 7^0 = 1 + 3 + 1 = 5 となり、5の倍数である。したがって、n=1n=1 のとき命題は成立する。
(2) n=kn=k のとき命題が成立すると仮定する。すなわち、2k1+33k2+7k12^{k-1} + 3^{3k-2} + 7^{k-1} が5の倍数であると仮定する。
このとき、2k1+33k2+7k1=5m2^{k-1} + 3^{3k-2} + 7^{k-1} = 5mmm は整数)と表せる。
(3) n=k+1n=k+1 のときを考える。
2(k+1)1+33(k+1)2+7(k+1)1=2k+33k+1+7k2^{(k+1)-1} + 3^{3(k+1)-2} + 7^{(k+1)-1} = 2^k + 3^{3k+1} + 7^k
=22k1+3333k2+77k1= 2 \cdot 2^{k-1} + 3^3 \cdot 3^{3k-2} + 7 \cdot 7^{k-1}
=22k1+2733k2+77k1= 2 \cdot 2^{k-1} + 27 \cdot 3^{3k-2} + 7 \cdot 7^{k-1}
=22k1+2733k2+77k1+233k2233k2= 2 \cdot 2^{k-1} + 27 \cdot 3^{3k-2} + 7 \cdot 7^{k-1} + 2 \cdot 3^{3k-2} - 2 \cdot 3^{3k-2}
=2(2k1+33k2+7k1)+2533k2+57k1= 2(2^{k-1} + 3^{3k-2} + 7^{k-1}) + 25 \cdot 3^{3k-2} + 5 \cdot 7^{k-1}
=2(5m)+2533k2+57k1= 2(5m) + 25 \cdot 3^{3k-2} + 5 \cdot 7^{k-1}
=5(2m+533k2+7k1)= 5(2m + 5 \cdot 3^{3k-2} + 7^{k-1})
2m+533k2+7k12m + 5 \cdot 3^{3k-2} + 7^{k-1} は整数なので、5(2m+533k2+7k1)5(2m + 5 \cdot 3^{3k-2} + 7^{k-1}) は5の倍数である。したがって、n=k+1n=k+1 のときも命題は成立する。
(1), (2), (3) より、すべての自然数 nn に対して、2n1+33n2+7n12^{n-1} + 3^{3n-2} + 7^{n-1} が5の倍数であることが証明された。

3. 最終的な答え

すべての自然数 nn に対して、2n1+33n2+7n12^{n-1} + 3^{3n-2} + 7^{n-1} は5の倍数である。

「数論」の関連問題

1から1000までの整数のうち、2, 3, 5の少なくとも2つで割り切れる数と、2, 3, 5の少なくとも1つで割り切れて、かつ6で割り切れない数の個数を求める問題です。

約数倍数包除原理整数の性質
2025/6/20

2026の正の約数の和を求める問題です。ただし、1013は素数であることが与えられています。

約数素因数分解約数の和
2025/6/20

正の整数 $a, b, c$ について、以下の2つの命題A, Bが共に真となるような正の整数 $k$ のうち、最大のものと最小のものを求める。 命題A: $abc \ge k$ ならば、$a, b, ...

整数不等式最大値最小値条件
2025/6/20

自然数の列を、次のように群に分ける。 1 | 2, 3 | 4, 5, 6 | 7, 8, 9, 10 | 11, 12, ... (1) 第 $n$ 群の最初の自然数を求めよ。 (2) 第20群に含...

数列群数列等差数列自然数
2025/6/20

$a = 256$、$N = 123$ が与えられたとき、以下の2つの問題を解く。 (1) $a$ の $\mod N$ での逆数 $x \equiv a^{-1} \pmod{N}$ を求める。ただ...

合同算術逆数拡張ユークリッドの互除法モジュラ演算
2025/6/20

$a = -256$, $N = 123$ について、以下の2つの問題を解く。 (1) $a$ の $\bmod N$ での逆数 $x \equiv a^{-1} \pmod{N}$ を求めよ。ただし...

合同算術逆数拡張ユークリッドの互除法モジュラー算術
2025/6/20

90を割り切る整数で、142を割ると7余る整数を全て求める。

約数整数の割り算整数の性質
2025/6/20

3で割ると2余り、5で割ると4余り、6で割ると5余る整数のうち、最も小さいものを求めよ。

合同式中国剰余定理不定方程式剰余
2025/6/20

10で割ると7余り、25で割ると22余り、30で割ると27余る整数のうち、最も小さいものを求める。

合同式中国剰余定理整数問題剰余
2025/6/20

与えられた問題は、余りの計算2問、1次合同式の計算2問、不定方程式の整数解を求める問題2問の計6問です。

合同式剰余一次合同式不定方程式ユークリッドの互除法
2025/6/20