3で割ると2余り、5で割ると4余り、6で割ると5余る整数のうち、最も小さいものを求めよ。

数論合同式中国剰余定理不定方程式剰余
2025/6/20

1. 問題の内容

3で割ると2余り、5で割ると4余り、6で割ると5余る整数のうち、最も小さいものを求めよ。

2. 解き方の手順

求める整数をnnとします。
問題文より、以下の式が成り立ちます。
n2(mod3)n \equiv 2 \pmod{3}
n4(mod5)n \equiv 4 \pmod{5}
n5(mod6)n \equiv 5 \pmod{6}
3つ目の式 n5(mod6)n \equiv 5 \pmod{6}n=6k+5n = 6k + 5 (kkは整数) と表せます。この式から、nn は奇数であることがわかります。
また、n5(mod6)n \equiv 5 \pmod{6} より、n1(mod6)n \equiv -1 \pmod{6} とも書けます。
これは、n1(mod2)n \equiv -1 \pmod{2} かつ n1(mod3)n \equiv -1 \pmod{3} と同値です。
n1(mod3)n \equiv -1 \pmod{3}n2(mod3)n \equiv 2 \pmod{3} と同じことを意味します。
したがって、n5(mod6)n \equiv 5 \pmod{6} という条件は n2(mod3)n \equiv 2 \pmod{3} という条件を含んでいます。
よって、条件を以下のように絞り込むことができます。
n4(mod5)n \equiv 4 \pmod{5}
n5(mod6)n \equiv 5 \pmod{6}
n4(mod5)n \equiv 4 \pmod{5} より、n=5l+4n = 5l + 4 (llは整数) と表せます。
n5(mod6)n \equiv 5 \pmod{6} より、n=6k+5n = 6k + 5 (kkは整数) と表せます。
したがって、5l+4=6k+55l + 4 = 6k + 5 となります。
変形すると、5l=6k+15l = 6k + 1 となります。
さらに変形して、5l6k=15l - 6k = 1 となります。
この不定方程式を解きます。
l=5l = 5, k=4k = 4 が一つの解であることは容易にわかります。
したがって、5(5)6(4)=15(5) - 6(4) = 1 となります。
一般解は、l=5+6tl = 5 + 6t, k=4+5tk = 4 + 5t (ttは整数) となります。
n=5l+4=5(5+6t)+4=25+30t+4=30t+29n = 5l + 4 = 5(5 + 6t) + 4 = 25 + 30t + 4 = 30t + 29
n=6k+5=6(4+5t)+5=24+30t+5=30t+29n = 6k + 5 = 6(4 + 5t) + 5 = 24 + 30t + 5 = 30t + 29
したがって、n=30t+29n = 30t + 29 と表せます。
最も小さい整数は、t=0t = 0 のとき、n=29n = 29 です。

3. 最終的な答え

29

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