次の2つの不定方程式の整数解を全て求める問題です。 (1) $11x + 8y = 1$ (2) $56x - 23y = 2$

数論不定方程式整数解ユークリッドの互除法
2025/7/27

1. 問題の内容

次の2つの不定方程式の整数解を全て求める問題です。
(1) 11x+8y=111x + 8y = 1
(2) 56x23y=256x - 23y = 2

2. 解き方の手順

(1) 11x+8y=111x + 8y = 1
まず、11x+8y=111x + 8y = 1 の整数解を1つ見つけます。x=1x=1y=1y=-1 は解の一つです。
よって、11(1)+8(1)=111(1) + 8(-1) = 1 が成り立ちます。
元の式 11x+8y=111x + 8y = 1 からこの式を引き算すると、
11x+8y(11(1)+8(1))=1111x + 8y - (11(1) + 8(-1)) = 1 - 1
11(x1)+8(y+1)=011(x-1) + 8(y+1) = 0
11(x1)=8(y+1)11(x-1) = -8(y+1)
11と8は互いに素なので、x1x-1 は8の倍数である必要があります。そこで、x1=8kx-1 = 8k (kは整数)とおくと、x=8k+1x = 8k + 1 となります。
これを 11(x1)=8(y+1)11(x-1) = -8(y+1) に代入すると、
11(8k)=8(y+1)11(8k) = -8(y+1)
11k=(y+1)11k = -(y+1)
y+1=11ky+1 = -11k
y=11k1y = -11k - 1
したがって、整数解は x=8k+1x = 8k + 1, y=11k1y = -11k - 1 (kは整数)となります。
(2) 56x23y=256x - 23y = 2
まず、56x23y=156x - 23y = 1の整数解を一つ見つけます。
56=23×2+1056 = 23 \times 2 + 10
23=10×2+323 = 10 \times 2 + 3
10=3×3+110 = 3 \times 3 + 1
1=103×31 = 10 - 3 \times 3
1=10(2310×2)×31 = 10 - (23 - 10 \times 2) \times 3
1=103×23+6×101 = 10 - 3 \times 23 + 6 \times 10
1=7×103×231 = 7 \times 10 - 3 \times 23
1=7×(5623×2)3×231 = 7 \times (56 - 23 \times 2) - 3 \times 23
1=7×5614×233×231 = 7 \times 56 - 14 \times 23 - 3 \times 23
1=7×5617×231 = 7 \times 56 - 17 \times 23
よって、56(7)23(17)=156(7) - 23(17) = 1
したがって、56(14)23(34)=256(14) - 23(34) = 2
56x23y=256x - 23y = 2 からこの式を引き算すると、
56(x14)23(y34)=056(x-14) - 23(y-34) = 0
56(x14)=23(y34)56(x-14) = 23(y-34)
56と23は互いに素なので、x14x-14 は23の倍数である必要があります。そこで、x14=23kx-14 = 23k (kは整数)とおくと、x=23k+14x = 23k + 14 となります。
これを 56(x14)=23(y34)56(x-14) = 23(y-34) に代入すると、
56(23k)=23(y34)56(23k) = 23(y-34)
56k=y3456k = y-34
y=56k+34y = 56k + 34
したがって、整数解は x=23k+14x = 23k + 14, y=56k+34y = 56k + 34 (kは整数)となります。

3. 最終的な答え

(1) x=8k+1x = 8k + 1, y=11k1y = -11k - 1 (kは整数)
(2) x=23k+14x = 23k + 14, y=56k+34y = 56k + 34 (kは整数)

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