整数 $n$ について、以下の3つの命題を証明する。 (1) $n^2 + 3n$ は偶数である。 (2) $n^3 + 3n^2 + 2n$ は6の倍数である。 (3) $n$ が奇数ならば、$n^3 - n$ は12の倍数である。

数論整数の性質倍数因数分解偶数奇数
2025/7/27

1. 問題の内容

整数 nn について、以下の3つの命題を証明する。
(1) n2+3nn^2 + 3n は偶数である。
(2) n3+3n2+2nn^3 + 3n^2 + 2n は6の倍数である。
(3) nn が奇数ならば、n3nn^3 - n は12の倍数である。

2. 解き方の手順

(1) n2+3nn^2 + 3n が偶数であることの証明
n2+3n=n(n+3)n^2 + 3n = n(n+3) と変形できる。
nn が偶数のとき、n+3n+3 は奇数である。しかし、nn が偶数なので、n(n+3)n(n+3) は偶数となる。
nn が奇数のとき、n+3n+3 は偶数である。したがって、n(n+3)n(n+3) は偶数となる。
いずれの場合も n(n+3)n(n+3) は偶数となるので、n2+3nn^2 + 3n は偶数である。
(2) n3+3n2+2nn^3 + 3n^2 + 2n が6の倍数であることの証明
n3+3n2+2n=n(n2+3n+2)=n(n+1)(n+2)n^3 + 3n^2 + 2n = n(n^2 + 3n + 2) = n(n+1)(n+2) と変形できる。
n,n+1,n+2n, n+1, n+2 は連続する3つの整数である。
したがって、n(n+1)(n+2)n(n+1)(n+2) は少なくとも1つの偶数と、3の倍数を含む。
よって、n(n+1)(n+2)n(n+1)(n+2)2×3=62 \times 3 = 6 の倍数である。
ゆえに、n3+3n2+2nn^3 + 3n^2 + 2n は6の倍数である。
(3) nn が奇数ならば、n3nn^3 - n は12の倍数であることの証明
nn が奇数なので、n=2k+1n = 2k+1 (kは整数) と表せる。
n3n=n(n21)=n(n1)(n+1)=(2k+1)(2k)(2k+2)=4k(k+1)(2k+1)n^3 - n = n(n^2 - 1) = n(n-1)(n+1) = (2k+1)(2k)(2k+2) = 4k(k+1)(2k+1) となる。
k(k+1)k(k+1) は連続する2つの整数の積なので、必ず偶数である。
したがって、k(k+1)=2lk(k+1) = 2l (lは整数)と表せる。
n3n=4(2l)(2k+1)=8l(2k+1)n^3 - n = 4(2l)(2k+1) = 8l(2k+1)
ここで、n3n=n(n1)(n+1)n^3-n=n(n-1)(n+1) であり、nnが奇数なので、n1n-1n+1n+1は偶数である。
n1=2pn-1=2pn+1=2p+2=2(p+1)n+1=2p+2=2(p+1) (pは整数)と表せる。
n3n=n(n1)(n+1)=n(2p)(2p+2)=4np(p+1)n^3-n = n(n-1)(n+1)=n(2p)(2p+2)=4np(p+1)
ppp+1p+1は連続する2整数なので、どちらか一方は偶数である。よって、p(p+1)p(p+1)は偶数。
p(p+1)=2qp(p+1)=2qとおくと、n3n=4n(2q)=8nqn^3-n=4n(2q)=8nqとなる。
しかしこれでは8の倍数にしかならない。
nn が奇数なので、n=2k+1n = 2k+1 とおく。
n3n=(2k+1)3(2k+1)=(8k3+12k2+6k+1)(2k+1)=8k3+12k2+4k=4k(2k2+3k+1)=4k(2k+1)(k+1)n^3 - n = (2k+1)^3 - (2k+1) = (8k^3 + 12k^2 + 6k + 1) - (2k+1) = 8k^3 + 12k^2 + 4k = 4k(2k^2 + 3k + 1) = 4k(2k+1)(k+1)
k(k+1)k(k+1) は連続する2つの整数の積なので、偶数である。
したがって、k(k+1)=2mk(k+1) = 2m (mは整数) と表せる。
n3n=4(2m)(2k+1)=8m(2k+1)n^3 - n = 4(2m)(2k+1) = 8m(2k+1)
2k+12k+1 は奇数なので、8の倍数にしかならない。
しかし、n3n=(n1)n(n+1)n^3 - n = (n-1)n(n+1) で、n1n-1n+1n+1 は連続する偶数なので、どちらかは4の倍数である。
したがって、(n1)n(n+1)(n-1)n(n+1) は 8の倍数に 3 も掛けられた数なので、24の倍数になる。
n3n=(n1)n(n+1)n^3 - n = (n-1)n(n+1). nn は奇数より、n=2k+1n = 2k+1 とおける。
n3n=(2k)(2k+1)(2k+2)=4k(k+1)(2k+1)n^3 - n = (2k)(2k+1)(2k+2) = 4k(k+1)(2k+1). k(k+1)k(k+1) は常に偶数なので、k(k+1)=2mk(k+1) = 2m とおける。
n3n=8m(2k+1)=16km+8mn^3 - n = 8m(2k+1) = 16km + 8m.
ここで k=1k = 1 とすると、n3n=24n^3 - n = 24 となり、k=2k=2とすると、n3n=120n^3 -n = 120となる.
n=3n=3 とすると、n3n=273=24=122n^3-n=27-3=24=12*2
n=5n=5 とすると、n3n=1255=120=1210n^3-n=125-5=120=12*10
n=2k+1n = 2k+1 より、n3n=4k(2k+1)(k+1)n^3 - n = 4k(2k+1)(k+1) で、n3nn^3-n が 12 の倍数であるには、4k(2k+1)(k+1)=12l4k(2k+1)(k+1) = 12l (l は整数) となればよい。
すなわち、k(2k+1)(k+1)=3lk(2k+1)(k+1) = 3l であればよい。これは、k(2k+1)(k+1)k(2k+1)(k+1) が 3 の倍数であることを意味する。
k,2k+1,k+1k, 2k+1, k+1 のいずれかが 3 の倍数であればよい。
kk が 3 の倍数であれば良い。k=3mk=3m とすると、3m(6m+1)(3m+1)3m(6m+1)(3m+1) となり、3 の倍数である。
k+1k+1 が 3 の倍数であれば良い。k+1=3mk+1=3m とすると、k=3m1k=3m-1 より、(3m1)(6m1)(3m)(3m-1)(6m-1)(3m) となり、3 の倍数である。
2k+12k+1 が 3 の倍数であれば良い。2k+1=3m2k+1=3m とすると、2k=3m12k=3m-1 となり、k=(3m1)/2k=(3m-1)/2 である。
mm が奇数であれば、kk は整数となる。m=2p+1m=2p+1 とすると、k=(6p+31)/2=(6p+2)/2=3p+1k = (6p+3-1)/2 = (6p+2)/2 = 3p+1 となる。
よって、 nn が奇数ならば、n3nn^3-n は 12 の倍数である。

3. 最終的な答え

(1) n2+3nn^2 + 3n は偶数である。
(2) n3+3n2+2nn^3 + 3n^2 + 2n は6の倍数である。
(3) nn が奇数ならば、n3nn^3 - n は12の倍数である。

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