与えられた二つの命題について、それぞれの否定を述べ、元の命題とその否定の真偽を判定します。 (1) すべての実数 $x$ について、 $(x-1)^2 \ge 0$ (2) ある無理数 $y$ について、 $\frac{y}{3}$ は有理数

論理学命題否定真偽実数無理数
2025/6/22

1. 問題の内容

与えられた二つの命題について、それぞれの否定を述べ、元の命題とその否定の真偽を判定します。
(1) すべての実数 xx について、 (x1)20(x-1)^2 \ge 0
(2) ある無理数 yy について、 y3\frac{y}{3} は有理数

2. 解き方の手順

(1)
- 命題の否定:「すべての〜」の否定は「ある〜」なので、否定は「ある実数 xx について (x1)2<0(x-1)^2 < 0」となります。
- 元の命題の真偽:実数 xx について、(x1)2(x-1)^2 は常に0以上になるので、元の命題は真です。
- 否定の真偽:(x1)2(x-1)^2 が常に0以上なので、(x1)2<0(x-1)^2 < 0 となる実数 xx は存在しません。よって、否定は偽です。
(2)
- 命題の否定:「ある〜」の否定は「すべての〜」なので、否定は「すべての無理数 yy について、y3\frac{y}{3} は無理数」となります。
- 元の命題の真偽:y=32y = 3\sqrt{2} とすると、yy は無理数であり、y3=323=2\frac{y}{3} = \frac{3\sqrt{2}}{3} = \sqrt{2} となり、これは無理数なので、有理数ではありません。しかし、y=3y = 3は無理数ではないため、この命題が真であるかどうかはすぐにはわかりません。y=32y=3\sqrt{2}の場合、y/3y/3は無理数です。しかし、y=0y=0のとき、y/3=0y/3=0は有理数です。y=32y=3\sqrt{2}などの無理数ならy/3y/3も無理数。しかし、元の命題は「ある」なので、y/3y/3が有理数となる無理数yyが存在すれば、この命題は真となります。
ここで、y3\frac{y}{3}が有理数であるとき、y=3ry = 3r (rは有理数)となります。rが0でなければ、yは無理数になりえます。例えば、rが無理数2\sqrt{2}のとき、y=32y = 3\sqrt{2}となり、yyは無理数ですが、y3=2\frac{y}{3} = \sqrt{2}は無理数になってしまいます。
したがって、y3\frac{y}{3}が有理数になるような無理数yyを探します。もし、y=32y=3\sqrt{2}ならy/3=2y/3 = \sqrt{2}. 無理数。y=3y=3 (無理数ではない). よって元の命題は偽。
- 否定の真偽:すべての無理数 yy について、y3\frac{y}{3} は無理数。これは真。

3. 最終的な答え

(1)
- 否定:ある実数 xx について、 (x1)2<0(x-1)^2 < 0
- 元の命題:真
- 否定:偽
(2)
- 否定:すべての無理数 yy について、y3\frac{y}{3} は無理数
- 元の命題:偽
- 否定:真

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