与えられた二つの命題について、それぞれの否定を述べ、元の命題とその否定の真偽を判定します。 (1) すべての実数 $x$ について、 $(x-1)^2 \ge 0$ (2) ある無理数 $y$ について、 $\frac{y}{3}$ は有理数
2025/6/22
1. 問題の内容
与えられた二つの命題について、それぞれの否定を述べ、元の命題とその否定の真偽を判定します。
(1) すべての実数 について、
(2) ある無理数 について、 は有理数
2. 解き方の手順
(1)
- 命題の否定:「すべての〜」の否定は「ある〜」なので、否定は「ある実数 について 」となります。
- 元の命題の真偽:実数 について、 は常に0以上になるので、元の命題は真です。
- 否定の真偽: が常に0以上なので、 となる実数 は存在しません。よって、否定は偽です。
(2)
- 命題の否定:「ある〜」の否定は「すべての〜」なので、否定は「すべての無理数 について、 は無理数」となります。
- 元の命題の真偽: とすると、 は無理数であり、 となり、これは無理数なので、有理数ではありません。しかし、は無理数ではないため、この命題が真であるかどうかはすぐにはわかりません。の場合、は無理数です。しかし、のとき、は有理数です。などの無理数ならも無理数。しかし、元の命題は「ある」なので、が有理数となる無理数が存在すれば、この命題は真となります。
ここで、が有理数であるとき、 (rは有理数)となります。rが0でなければ、yは無理数になりえます。例えば、rが無理数のとき、となり、は無理数ですが、は無理数になってしまいます。
したがって、が有理数になるような無理数を探します。もし、なら. 無理数。 (無理数ではない). よって元の命題は偽。
- 否定の真偽:すべての無理数 について、 は無理数。これは真。
3. 最終的な答え
(1)
- 否定:ある実数 について、
- 元の命題:真
- 否定:偽
(2)
- 否定:すべての無理数 について、 は無理数
- 元の命題:偽
- 否定:真