$V$ が有限次元ベクトル空間であり、$W$ が $V$ の部分空間であるとき、次の2つの命題を示す問題です。 (1) $\dim(W) \leq \dim(V)$ (2) $\dim(W) = \dim(V)$ ならば $W = V$

代数学線形代数ベクトル空間部分空間次元基底線形独立
2025/6/22

1. 問題の内容

VV が有限次元ベクトル空間であり、WWVV の部分空間であるとき、次の2つの命題を示す問題です。
(1) dim(W)dim(V)\dim(W) \leq \dim(V)
(2) dim(W)=dim(V)\dim(W) = \dim(V) ならば W=VW = V

2. 解き方の手順

(1) dim(W)dim(V)\dim(W) \leq \dim(V) の証明:
WWVV の部分空間なので、WW の基底 {w1,w2,,wn}\{w_1, w_2, \dots, w_n\} を取ることができます。 ここで、n=dim(W)n = \dim(W) です。
この基底は VV の線形独立なベクトル集合でもあります。
VV は有限次元なので、VV の基底のベクトルの個数は有限です。
線形独立なベクトル集合 {w1,w2,,wn}\{w_1, w_2, \dots, w_n\} にベクトルを追加して VV の基底 {w1,w2,,wn,vn+1,,vm}\{w_1, w_2, \dots, w_n, v_{n+1}, \dots, v_m\} を構成できます。 ここで、m=dim(V)m = \dim(V) です。
したがって、nmn \leq m、つまり dim(W)dim(V)\dim(W) \leq \dim(V) が成り立ちます。
(2) dim(W)=dim(V)\dim(W) = \dim(V) ならば W=VW = V の証明:
dim(W)=dim(V)=n\dim(W) = \dim(V) = n とします。
WW の基底 {w1,w2,,wn}\{w_1, w_2, \dots, w_n\} を取ります。
この基底は VV の線形独立なベクトル集合でもあります。
もし、WVW \neq V であると仮定すると、VV のベクトル vWv \notin W が存在します。
このとき、WW の基底 {w1,w2,,wn}\{w_1, w_2, \dots, w_n\}vv を追加した集合 {w1,w2,,wn,v}\{w_1, w_2, \dots, w_n, v\} は線形独立です。
しかし、この集合は VVn+1n+1 個の線形独立なベクトルを含んでおり、VV の次元は nn であるという事実に矛盾します。
したがって、W=VW = V が成り立ちます。

3. 最終的な答え

(1) dim(W)dim(V)\dim(W) \leq \dim(V)
(2) dim(W)=dim(V)\dim(W) = \dim(V) ならば W=VW = V

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