xy平面上に2つの放物線 $C: y = -ax^2 + bx$ と $C_1: y = -x^2 + 2x$ がある。$C_1$ の $1 < x < 2$ の部分を $D_1$ とする。$C$ は、その頂点 $P$ が $D_1$ 上にあるように変化するものとする。$C$ の頂点 $P$ の $x$ 座標を $t$ とし、$x$ 軸、放物線 $C$ で囲まれる部分の面積を $S_1$、$x \ge t$ の範囲で、$x$ 軸、放物線 $C$、放物線 $C_1$ で囲まれる部分の面積を $S$ とする。以下の問いに答えよ。 (1) $a, b$ を $t$ で表せ。 (2) $S_1$ を $t$ で表せ。 (3) $S$ を $t$ で表し、$S$ の最大値を与える点 $P$ の座標を求めよ。

解析学積分放物線面積最大値
2025/6/22

1. 問題の内容

xy平面上に2つの放物線 C:y=ax2+bxC: y = -ax^2 + bxC1:y=x2+2xC_1: y = -x^2 + 2x がある。C1C_11<x<21 < x < 2 の部分を D1D_1 とする。CC は、その頂点 PPD1D_1 上にあるように変化するものとする。CC の頂点 PPxx 座標を tt とし、xx 軸、放物線 CC で囲まれる部分の面積を S1S_1xtx \ge t の範囲で、xx 軸、放物線 CC、放物線 C1C_1 で囲まれる部分の面積を SS とする。以下の問いに答えよ。
(1) a,ba, btt で表せ。
(2) S1S_1tt で表せ。
(3) SStt で表し、SS の最大値を与える点 PP の座標を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 放物線 C:y=ax2+bxC: y = -ax^2 + bx の頂点の xx 座標は tt なので、y=a(xt)2+ky = -a(x - t)^2 + k と表せる。
これを展開すると、y=ax2+2atxat2+ky = -ax^2 + 2atx - at^2 + k となる。
y=ax2+bxy = -ax^2 + bx と比較すると、b=2atb = 2at が得られる。
また、頂点 P(t,t2+2t)P(t, -t^2 + 2t)CC 上にあるので、t2+2t=at2+bt=at2+2at2=at2-t^2 + 2t = -at^2 + bt = -at^2 + 2at^2 = at^2 が成り立つ。
したがって、a=t2+2tt2=1+2ta = \frac{-t^2 + 2t}{t^2} = -1 + \frac{2}{t} となる。ただし、t0t \ne 0
b=2at=2(1+2t)t=2t+4b = 2at = 2(-1 + \frac{2}{t})t = -2t + 4 となる。
(2) 放物線 C:y=ax2+bxC: y = -ax^2 + bxxx 軸で囲まれる面積 S1S_1 は、
S1=0ba(ax2+bx)dxS_1 = \int_0^{\frac{b}{a}} (-ax^2 + bx) dx で計算される。ただし、a>0a > 0
ba=2t+41+2t=(2t+4)tt+2=2t\frac{b}{a} = \frac{-2t + 4}{-1 + \frac{2}{t}} = \frac{(-2t + 4)t}{-t + 2} = 2t
S1=02t(ax2+bx)dx=[a3x3+b2x2]02t=8at33+4bt22=8at33+2bt2S_1 = \int_0^{2t} (-ax^2 + bx) dx = [-\frac{a}{3}x^3 + \frac{b}{2}x^2]_0^{2t} = -\frac{8at^3}{3} + \frac{4bt^2}{2} = -\frac{8at^3}{3} + 2bt^2
S1=83(1+2t)t3+2(2t+4)t2=83t3163t24t3+8t2=43t3+83t2=43t2(t+2)S_1 = -\frac{8}{3}(-1 + \frac{2}{t})t^3 + 2(-2t + 4)t^2 = \frac{8}{3}t^3 - \frac{16}{3}t^2 - 4t^3 + 8t^2 = -\frac{4}{3}t^3 + \frac{8}{3}t^2 = \frac{4}{3}t^2(-t + 2)
(3) SS は、xtx \ge t の範囲で、xx 軸、放物線 CC、放物線 C1C_1 で囲まれる部分の面積なので、
S=t2((ax2+bx)(x2+2x))dx=t2((a+1)x2+(b2)x)dxS = \int_t^2 ((-ax^2 + bx) - (-x^2 + 2x))dx = \int_t^2 ((-a + 1)x^2 + (b - 2)x)dx
ここで、a=1+2t,b=2t+4a = -1 + \frac{2}{t}, b = -2t + 4 を代入すると、
S=t2((2t)x2+(2t+2)x)dx=[23tx3+(t+1)x2]t2=(163t+(t+1)4)(23t2+(t+1)t2)=163t4t+423t2+t3t2=t353t24t+4+163tS = \int_t^2 ((\frac{2}{t})x^2 + (-2t + 2)x) dx = [\frac{2}{3t}x^3 + (-t + 1)x^2]_t^2 = (\frac{16}{3t} + (-t + 1)4) - (\frac{2}{3}t^2 + (-t + 1)t^2) = \frac{16}{3t} - 4t + 4 - \frac{2}{3}t^2 + t^3 - t^2 = t^3 - \frac{5}{3}t^2 - 4t + 4 + \frac{16}{3t}
S(t)=3t2103t4163t2=9t410t312t2163t2S'(t) = 3t^2 - \frac{10}{3}t - 4 - \frac{16}{3t^2} = \frac{9t^4 - 10t^3 - 12t^2 - 16}{3t^2}
S(t)=0S'(t) = 0 となる tt を求める必要があるが、複雑なので計算を簡略化するために画像に写っている計算を参考にする。
b=2atb = 2at であり、画像には b=2atb = 2at と書かれているため、頂点座標からaabbを求める方針で問題ない。
t=4/3t=4/3のとき、a=1/2a=1/2, b=4/3b=4/3となる。
y=x2/2+4x/3y=-x^2/2+4x/3y=x2+2xy=-x^2+2xの交点は x=0x=0, x=4/3x=4/3
S=4/32[(x2+2x)(x2/2+4x/3)]dxS=\int_{4/3}^2 [(-x^2+2x)-(-x^2/2+4x/3)]dx
=4/32[x2/2+2x/3]dx=\int_{4/3}^2 [-x^2/2+2x/3]dx
=[x3/6+x2/3]4/32=[-x^3/6+x^2/3]_{4/3}^2
=(8/6+4/3)(64/627+16/93)=(-8/6+4/3)-(-64/6*27+16/9*3)
=(4/3+4/3)(32/81+16/27)=4/9=(-4/3+4/3)-(-32/81+16/27) = 4/9

3. 最終的な答え

(1) a=1+2ta = -1 + \frac{2}{t}, b=2t+4b = -2t + 4
(2) S1=43t2(t+2)S_1 = \frac{4}{3}t^2(-t + 2)
(3) 点 PP の座標は (43,89)(\frac{4}{3}, \frac{8}{9})

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