2重積分 $\iint_D x \, dx \, dy$ の値を、領域 $D = \{(x, y) \mid 0 \le x^2 + y^2 \le 2y \}$ に対して求めよ。

解析学重積分極座標変換積分計算
2025/6/23

1. 問題の内容

2重積分 Dxdxdy\iint_D x \, dx \, dy の値を、領域 D={(x,y)0x2+y22y}D = \{(x, y) \mid 0 \le x^2 + y^2 \le 2y \} に対して求めよ。

2. 解き方の手順

まず、領域 DD を理解するために x2+y22yx^2 + y^2 \le 2y を変形します。
x2+y22y0x^2 + y^2 - 2y \le 0
x2+(y1)21x^2 + (y-1)^2 \le 1
これは、中心 (0,1)(0, 1), 半径 1 の円の内部(および円周上)を表します。また、x2+y20x^2 + y^2 \ge 0 は常に満たされるので、結局 DDx2+(y1)21x^2 + (y-1)^2 \le 1 で表される領域です。
極座標変換を行います。
x=rcosθx = r\cos\theta
y=rsinθy = r\sin\theta
dxdy=rdrdθdx \, dy = r \, dr \, d\theta
x2+y22yx^2 + y^2 \le 2y を極座標で表すと、
r22rsinθr^2 \le 2r\sin\theta
r2sinθr \le 2\sin\theta
また、x2+(y1)21x^2 + (y-1)^2 \le 1 を満たすためには、0θπ0 \le \theta \le \pi である必要があります。r0r\ge0であるから、sinθ0\sin\theta \ge 0である必要があり、θ\thetaの範囲は0θπ0\le \theta\le\piとなります。
したがって、0r2sinθ0 \le r \le 2\sin\theta0θπ0 \le \theta \le \pi となります。
積分を計算します。
Dxdxdy=0π02sinθrcosθrdrdθ\iint_D x \, dx \, dy = \int_0^\pi \int_0^{2\sin\theta} r\cos\theta \cdot r \, dr \, d\theta
=0πcosθ[13r3]02sinθdθ= \int_0^\pi \cos\theta \left[ \frac{1}{3} r^3 \right]_0^{2\sin\theta} d\theta
=0πcosθ83sin3θdθ= \int_0^\pi \cos\theta \cdot \frac{8}{3} \sin^3\theta \, d\theta
=830πsin3θcosθdθ= \frac{8}{3} \int_0^\pi \sin^3\theta \cos\theta \, d\theta
ここで、u=sinθu = \sin\theta と置くと、du=cosθdθdu = \cos\theta \, d\theta
θ:0π\theta: 0 \to \pi のとき、u:00u: 0 \to 0 となるので、
8300u3du=0\frac{8}{3} \int_0^0 u^3 \, du = 0

3. 最終的な答え

0

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