素数 $p, q$ を用いて $p^q + q^p$ と表される素数をすべて求める。

数論素数合同式整数の性質代数的整数論
2025/6/24

1. 問題の内容

素数 p,qp, q を用いて pq+qpp^q + q^p と表される素数をすべて求める。

2. 解き方の手順

まず、ppqqがともに奇数の場合を考える。
ppqqがともに奇数であれば、pqp^qqpq^pも奇数になる。したがって、pq+qpp^q + q^pは偶数となる。
pq+qpp^q + q^pが素数であるためには、pq+qp=2p^q + q^p = 2でなければならないが、ppqqがともに奇数なので、pq+qp>2p^q + q^p > 2となる。
したがって、ppqqがともに奇数であることはない。
次に、p=2p=2の場合を考える。このとき、2q+q22^q + q^2が素数となるような素数qqを求める。
* q=3q=3のとき、23+32=8+9=172^3 + 3^2 = 8 + 9 = 17となり、17は素数である。
* q=5q=5のとき、25+52=32+25=57=3×192^5 + 5^2 = 32 + 25 = 57 = 3 \times 19となり、57は素数ではない。
* q=7q=7のとき、27+72=128+49=177=3×592^7 + 7^2 = 128 + 49 = 177 = 3 \times 59となり、177は素数ではない。
q3q \neq 3の場合、qq3k+13k+1または3k+23k+2の形で表される。
qqが3で割り切れない素数であることから、q1(mod3)q \equiv 1 \pmod{3} または q2(mod3)q \equiv 2 \pmod{3}である。
q1(mod3)q \equiv 1 \pmod{3} の場合、 2q=23k+1=28k2(1)k(mod3)2^q = 2^{3k+1} = 2 \cdot 8^k \equiv 2 \cdot (-1)^k \pmod{3}
q2121(mod3)q^2 \equiv 1^2 \equiv 1 \pmod{3}.
2q+q22(1)k+1(mod3)2^q + q^2 \equiv 2 \cdot (-1)^k + 1 \pmod{3}.
q2(mod3)q \equiv 2 \pmod{3} の場合、2q=23k+2=48k4(1)k(1)k+1(mod3)2^q = 2^{3k+2} = 4 \cdot 8^k \equiv 4 \cdot (-1)^k \equiv (-1)^k+1 \pmod{3}.
q2221(mod3)q^2 \equiv 2^2 \equiv 1 \pmod{3}.
2q+q2(1)k+1+1(1)k(mod3)2^q + q^2 \equiv (-1)^k + 1 + 1 \equiv (-1)^k \pmod{3}.
q1(mod3)q \equiv 1 \pmod{3}で、kkが奇数のとき、2q+q22(1)+112(mod3)2^q + q^2 \equiv 2(-1)+1 \equiv -1 \equiv 2 \pmod{3}.
q1(mod3)q \equiv 1 \pmod{3}で、kkが偶数のとき、2q+q22(1)+130(mod3)2^q + q^2 \equiv 2(1)+1 \equiv 3 \equiv 0 \pmod{3}.
q2(mod3)q \equiv 2 \pmod{3}で、kkが奇数のとき、2q+q212(mod3)2^q + q^2 \equiv -1 \equiv 2 \pmod{3}.
q2(mod3)q \equiv 2 \pmod{3}で、kkが偶数のとき、2q+q21(mod3)2^q + q^2 \equiv 1 \pmod{3}.
q=3q=3以外のqqに対して、2q+q22^q+q^2は3の倍数となる可能性がある。実際にq=5,7q=5, 7で確認したように、2q+q22^q+q^2は3の倍数になることがある。
2q+q22^q + q^2が3より大きい3の倍数になる場合、2q+q22^q + q^2は素数ではない。
q=2q=2の場合も考える。このとき、p2+2pp^2 + 2^pが素数となるような素数ppを求める。
* p=3p=3のとき、32+23=9+8=173^2 + 2^3 = 9 + 8 = 17となり、17は素数である。
* p=5p=5のとき、52+25=25+32=57=3×195^2 + 2^5 = 25 + 32 = 57 = 3 \times 19となり、57は素数ではない。
p3p \neq 3の場合、pp3k+13k+1または3k+23k+2の形で表される。
p21(mod3)p^2 \equiv 1 \pmod{3}である。
2p(1)p(mod3)2^p \equiv (-1)^p \pmod{3}.
p2+2p1+(1)p(mod3)p^2 + 2^p \equiv 1 + (-1)^p \pmod{3}
p2,p3p \neq 2, p \neq 3より、ppは奇数なので、p2+2p110(mod3)p^2 + 2^p \equiv 1 - 1 \equiv 0 \pmod{3}.
したがって、p=3p=3以外の奇素数ppに対して、p2+2pp^2+2^pは3の倍数になるので素数ではない。
以上より、pq+qpp^q + q^pが素数となるのは(p,q)=(2,3)(p,q) = (2,3)または(3,2)(3,2)の場合のみである。
このとき、pq+qp=23+32=8+9=17p^q + q^p = 2^3 + 3^2 = 8 + 9 = 17となる。

3. 最終的な答え

17

「数論」の関連問題

整数 $n$ について、$n^2 + n$ が2の倍数であることを示す問題です。

整数の性質倍数因数分解数学的証明
2025/6/25

整数 $n$ が与えられたとき、式 $2n$ がどんな数を表すかを答える問題です。

整数偶数数の性質
2025/6/25

数列$\{a_n\}$が、$a_1=2$, $a_2=3$, $a_{n+2}=a_{n+1}+a_n$($n=1, 2, 3, \dots$)と定義されているとき、以下の問いに答える問題です。 (1...

数列漸化式数学的帰納法素因数分解整数の性質フィボナッチ数列
2025/6/24

$p$, $q$, $r$ は互いに異なる素数であり、$l$, $m$, $n$ は自然数である。このとき、整数 $p^l q^m r^n$ のすべての約数の和が $\frac{p^{l+1}-1}{...

約数素数等比数列
2025/6/24

$\sqrt{2}$ が無理数であることを用いて、以下の数が無理数であることを証明します。 (1) $2-\sqrt{2}$ (2) $\sqrt{8}$

無理数背理法平方根証明
2025/6/24

実数 $x$ が正の無理数であるとき、$\sqrt{x}$ が無理数であることを証明する問題です。

無理数有理数背理法平方根証明
2025/6/24

すべての自然数 $n$ について、次の不等式が成り立つことを示せ。 $1 + \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \cdots + \frac{1}{n} \geq \frac{2...

不等式数学的帰納法調和級数
2025/6/24

すべての自然数 $n$ について、以下の不等式が成り立つことを示せ。 $$1 + \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \dots + \frac{1}{n} \ge \frac{2...

不等式数学的帰納法調和数列
2025/6/24

(1) 2つの奇数の積が偶数になるか奇数になるか、2つの偶数の積、偶数と奇数の積について考える問題。 (2) 大小2つのサイコロを投げ、大きいサイコロの出目を $a$ 、小さいサイコロの出目を $b$...

整数の性質確率サイコロ積の性質
2025/6/24

数列 $\frac{1}{2}, \frac{1}{3}, \frac{2}{3}, \frac{1}{4}, \frac{2}{4}, \frac{3}{4}, \frac{1}{5}, \frac...

数列分数一般項
2025/6/24