長さ1m、一辺が $a$ の正方形断面を持つ角材を水に浮かべた時、安定であるための $a$ の値を求めます。ただし、木材の密度は $620 kg/m^3$ とします。

応用数学浮力安定性メタセンター慣性モーメント物理学力学
2025/6/25

1. 問題の内容

長さ1m、一辺が aa の正方形断面を持つ角材を水に浮かべた時、安定であるための aa の値を求めます。ただし、木材の密度は 620kg/m3620 kg/m^3 とします。

2. 解き方の手順

まず、角材の質量 mm を計算します。角材の体積 VVa2×1=a2m3a^2 \times 1 = a^2 m^3 です。密度 ρ=620kg/m3\rho = 620 kg/m^3 なので、質量は m=ρV=620a2m = \rho V = 620a^2 kgです。
次に、角材が浮く条件を考えます。角材が浮くためには、重力と浮力が釣り合う必要があります。浮力は、アルキメデスの原理より、角材が水中に沈んでいる部分の体積に相当する水の重さです。
水の密度を ρw=1000kg/m3\rho_w = 1000 kg/m^3 とします。角材の長さが1mなので、水中に沈んでいる部分の長さを dd とすると、水中に沈んでいる部分の体積は a2da^2 d m3^3となります。したがって、浮力は ρwa2dg=1000a2dg\rho_w a^2 d g = 1000 a^2 d g N(gg は重力加速度)となります。
重力は mg=620a2gmg = 620 a^2 g Nです。
釣り合いの条件より、 620a2g=1000a2dg620 a^2 g = 1000 a^2 d g、つまり d=0.62d = 0.62 m となります。
安定条件を考えます。安定であるためには、メタセンター高さ GMGM が正である必要があります。GM=BMBGGM = BM - BGで与えられます。ここで、BGBG は重心位置、BMBM はメタセンター半径です。
重心 GG は角材の中央にあるので、水面からの距離は 1/2=0.51/2 = 0.5 m です。
浮心の位置は、水面から d/2=0.62/2=0.31d/2 = 0.62/2 = 0.31 m の位置です。
したがって、BG=0.50.31=0.19BG = 0.5 - 0.31 = 0.19 mです。
メタセンター半径 BM=I/VsBM = I/V_sで与えられます。ここで、II は水線断面の慣性モーメント、VsV_s は水中に沈んでいる体積です。
水線断面は一辺 aa の正方形なので、I=a412I = \frac{a^4}{12}となります。
水中に沈んでいる体積 Vs=a2d=0.62a2V_s = a^2 d = 0.62 a^2です。
したがって、BM=a4/120.62a2=a212×0.62=a27.44BM = \frac{a^4/12}{0.62 a^2} = \frac{a^2}{12 \times 0.62} = \frac{a^2}{7.44}です。
GM=BMBG=a27.440.19>0GM = BM - BG = \frac{a^2}{7.44} - 0.19 > 0
a2>0.19×7.44=1.4136a^2 > 0.19 \times 7.44 = 1.4136
a>1.41361.189a > \sqrt{1.4136} \approx 1.189 m

3. 最終的な答え

a>1.189a > 1.189 m

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