質量 $m$ の小物体が質量 $M$ の板の上に乗っている。小物体と板の間の動摩擦係数は $\mu$ で、板と床の間の摩擦は無視できる。時刻 $t=0$ で小物体に右向きの初速度 $v_0$ を与えると、板も同時に動き始める。右向きを正として、重力加速度の大きさを $g$ とする。 (1) 小物体が板に対して静止したときの板の速さ $V$ を求めよ。 (2) 小物体に初速度を与えてから、小物体が板に対して静止するまでの時間 $t$ を求めよ。
2025/6/25
1. 問題の内容
質量 の小物体が質量 の板の上に乗っている。小物体と板の間の動摩擦係数は で、板と床の間の摩擦は無視できる。時刻 で小物体に右向きの初速度 を与えると、板も同時に動き始める。右向きを正として、重力加速度の大きさを とする。
(1) 小物体が板に対して静止したときの板の速さ を求めよ。
(2) 小物体に初速度を与えてから、小物体が板に対して静止するまでの時間 を求めよ。
2. 解き方の手順
(1)
運動量保存則を用いる。初めは小物体のみが速度 を持っているので、全運動量は である。小物体が板に対して静止したとき、小物体と板は同じ速度 で運動しているので、全運動量は となる。よって、
これを について解くと、
(2)
小物体の加速度 と板の加速度 を求める。
小物体が板から受ける動摩擦力は であり、この力は左向きに働く。よって、小物体の運動方程式は
したがって、
板が小物体から受ける動摩擦力は であり、この力は右向きに働く。よって、板の運動方程式は
したがって、
小物体が板に対して静止するとき、小物体の速度と板の速度が等しくなる。時刻 における小物体の速度 は
時刻 における板の速度 は
となる時刻 を求める。
3. 最終的な答え
(1) 板の速さ
(2) 時間