$p > 0, q > 0$ のとき、ベータ関数 $B(p, q) = \int_0^1 x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx$ が存在することを示します。積分範囲を $0$ から $1/2$ と $1/2$ から $1$ に分割し、$ \int_0^1 x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx = \int_0^{1/2} x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx + \int_{1/2}^1 x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx$ であるから、右辺の2つの積分の存在を示せばよいです。

1. 問題の内容

$p > 0, q > 0$ のとき、ベータ関数 $B(p, q) = \int_0^1 x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx$ が存在することを示します。積分範囲を $0$ から $1/2$ と $1/2$ から $1$ に分割し、$\int_0^1 x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx = \int_0^{1/2} x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx + \int_{1/2}^1 x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx$ であるから、右辺の2つの積分の存在を示せばよいです。

2. 解き方の手順

まず、$\int_0^{1/2} x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx$ の積分が存在することを示します。

$x$ が $0$ に近いとき、$x^{p-1}$ が問題となる可能性があります。

$0 \le x \le 1/2$ において、$1/2 \le 1-x \le 1$ であるから、$(1-x)^{q-1}$ は有界です。

したがって、$x^{p-1}(1-x)^{q-1} \le M x^{p-1}$ となるような定数 $M$ が存在します。

$\int_0^{1/2} x^{p-1} dx$ は $p > 0$ なら収束するので、比較定理より $\int_0^{1/2} x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx$ も収束します。

次に、$\int_{1/2}^1 x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx$ の積分が存在することを示します。

$x$ が $1$ に近いとき、$(1-x)^{q-1}$ が問題となる可能性があります。

$1/2 \le x \le 1$ において、$x^{p-1}$ は有界です。

そこで、$t = 1 - x$ とおくと、$x = 1 - t$ であり、$dx = -dt$ となります。

$x = 1/2$ のとき $t = 1/2$、$x = 1$ のとき $t = 0$ ですから、$\int_{1/2}^1 x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx = \int_{0}^{1/2} (1-t)^{p-1} t^{q-1} dt$ となります。

$0 \le t \le 1/2$ において、$(1-t)^{p-1}$ は有界です。

したがって、$(1-t)^{p-1} t^{q-1} \le N t^{q-1}$ となるような定数 $N$ が存在します。

$\int_0^{1/2} t^{q-1} dt$ は $q > 0$ なら収束するので、比較定理より $\int_0^{1/2} (1-t)^{p-1} t^{q-1} dt$ も収束します。

すなわち、$\int_{1/2}^1 x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx$ も収束します。

以上の議論より、$p > 0$ かつ $q > 0$ のとき、$\int_0^{1/2} x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx$ と $\int_{1/2}^1 x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx$ はともに存在するので、$B(p, q) = \int_0^1 x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx$ も存在します。

3. 最終的な答え

$p > 0$ かつ $q > 0$ のとき、$B(p, q) = \int_0^1 x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx$ は存在する。