整数係数の3次方程式 $x^3 + ax^2 + bx + c = 0$ が有理数の解を持つならば、その解は整数であることを示す。ここで、$a$, $b$, $c$ は整数である。

代数学代数方程式整数の性質有理数解3次方程式
2025/3/30

1. 問題の内容

整数係数の3次方程式 x3+ax2+bx+c=0x^3 + ax^2 + bx + c = 0 が有理数の解を持つならば、その解は整数であることを示す。ここで、aa, bb, cc は整数である。

2. 解き方の手順

有理数の解を x=pqx = \frac{p}{q} とおく。ここで、ppqq は互いに素な整数で、q0q \neq 0 である。この解を3次方程式に代入すると、
(pq)3+a(pq)2+b(pq)+c=0(\frac{p}{q})^3 + a(\frac{p}{q})^2 + b(\frac{p}{q}) + c = 0
両辺に q3q^3 を掛けると、
p3+ap2q+bpq2+cq3=0p^3 + ap^2q + bpq^2 + cq^3 = 0
この式を変形して、p3p^3 について解くと、
p3=ap2qbpq2cq3=q(ap2bpqcq2)p^3 = -ap^2q - bpq^2 - cq^3 = q(-ap^2 - bpq - cq^2)
この式から、p3p^3qq で割り切れることがわかる。
もし q=1q=1 ならば、解 x=pq=p1=px = \frac{p}{q} = \frac{p}{1} = p は整数である。
次に、q1q \neq 1 の場合を考える。ppqq は互いに素であるから、p3p^3qq も互いに素である。
なぜなら、もし p3p^3qq が共通の素因数を持つならば、ppqq もその素因数を共有することになり、ppqq が互いに素であるという仮定に矛盾するからである。
しかし、p3=q(ap2bpqcq2)p^3 = q(-ap^2 - bpq - cq^2) であり、qqap2bpqcq2-ap^2 - bpq - cq^2 を掛けることで p3p^3 となるため、p3p^3qq で割り切れる。
これは、p3p^3qq が互いに素であることと矛盾する。
したがって、q=1q=1 でなければならない。

3. 最終的な答え

整数係数の3次方程式 x3+ax2+bx+c=0x^3 + ax^2 + bx + c = 0 が有理数の解を持つならば、その解は整数である。

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