1. 問題の内容
4次方程式 が異なる2つの実数解を持つような、 の値の範囲を求めよ。
2. 解き方の手順
まず、 とおくと、 である。すると与えられた方程式は
となる。この2次方程式が以下のいずれかの条件を満たせば良い。
(1) 正の解と負の解を持つ。
(2) 正の重解を持つ。
(3) 正の解と の解を持つ (このとき は重解となり、異なる実数解は2つとなる)。
(1) が正の解と負の解を持つとき、解と係数の関係より、解の積が負になればよい。解の積は なので、 つまり となる。
(2) が正の重解を持つとき、判別式を とすると、
より となる。このとき、 より、 なので となり、 を満たさないので不適である。
(3) が正の解と の解を持つとき、 を代入すると より、 となる。
このとき、 となるので、 と となり、を満たすのはだけである。したがって より (重解) なので、異なる実数解の個数が2つにならない。これは不適である。
しかし、 がを解にもち、かつ正の解を持つ場合を考える。のとき、より、となるので、となり、を満たすのはのみである。より、となり、実数解は1つだけなので不適。
が異なる2つの正の実数解を持つ場合を考える。このとき、なので、となり、異なる実数解の個数は4つとなるので不適。
判別式 かつ 解の和 かつ 解の積 のとき2つの正の実数解を持つ。
解の和は (これは矛盾)
解の積は
したがって、 となる。
このとき、 が解になるのは のときなので、 である必要がある。
の場合、正の解と負の解を持つので、 より、 なので、異なる実数解の個数は4つとなる。