$X$が連続確率変数であるとき、チェビシェフの不等式を証明する。

1. 問題の内容

$X$が連続確率変数であるとき、チェビシェフの不等式を証明する。

2. 解き方の手順

チェビシェフの不等式は、任意の確率変数$X$とその平均$\mu$、標準偏差$\sigma$、および任意の正の数$k$に対して、次の不等式が成り立つというものです。

$P(|X-\mu| \geq k) \leq \frac{\sigma^2}{k^2}$

ここで、$X$が連続確率変数の場合を考えます。$X$の確率密度関数を$f(x)$とします。

まず、分散の定義から始めます。分散は、平均からの二乗偏差の期待値として定義されます。

$\sigma^2 = E[(X - \mu)^2] = \int_{-\infty}^{\infty} (x - \mu)^2 f(x) dx$

次に、$|X - \mu| \geq k$となる領域を積分範囲とします。この領域では、$(x - \mu)^2 \geq k^2$が成り立ちます。したがって、

$\sigma^2 = \int_{-\infty}^{\infty} (x - \mu)^2 f(x) dx \geq \int_{|x - \mu| \geq k} (x - \mu)^2 f(x) dx$

さらに、$(x - \mu)^2 \geq k^2$なので、

$\int_{|x - \mu| \geq k} (x - \mu)^2 f(x) dx \geq \int_{|x - \mu| \geq k} k^2 f(x) dx = k^2 \int_{|x - \mu| \geq k} f(x) dx$

ここで、$\int_{|x - \mu| \geq k} f(x) dx$は、$|X - \mu| \geq k$となる確率$P(|X - \mu| \geq k)$を表します。したがって、

$\sigma^2 \geq k^2 P(|X - \mu| \geq k)$

両辺を$k^2$で割ると、

$P(|X-\mu| \geq k) \leq \frac{\sigma^2}{k^2}$

が得られます。これがチェビシェフの不等式です。

3. 最終的な答え

$P(|X-\mu| \geq k) \leq \frac{\sigma^2}{k^2}$