V=R[x]2 は2次以下の多項式全体からなるベクトル空間であり、その次元は3である。 f1(x), f2(x), f3(x) が V の基であるためには、これらが線形独立である必要がある。 線形独立性を示すために、次の式を考える。
c1f1(x)+c2f2(x)+c3f3(x)=0 ここで、c1, c2, c3 は実数である。この式が c1=c2=c3=0 の場合にのみ成り立つことを示せば、線形独立であることが証明される。 c1(1−x+x2)+c2(−1+2x+2x2)+c3(1−2x−x2)=0 (c1−c2+c3)+(−c1+2c2−2c3)x+(c1+2c2−c3)x2=0 この式が恒等的に0になるためには、各次数の係数が0である必要がある。したがって、次の連立一次方程式を得る。
c1−c2+c3=0 −c1+2c2−2c3=0 c1+2c2−c3=0 この連立一次方程式を行列で表現する。
1−11−1221−2−1c1c2c3=000 この行列の行列式を計算する。
1−11−1221−2−1=1(2⋅(−1)−(−2)⋅2)−(−1)((−1)⋅(−1)−(−2)⋅1)+1((−1)⋅2−2⋅1)=1(−2+4)+1(1+2)+1(−2−2)=2+3−4=1 行列式が0でないため、この連立一次方程式の解は c1=c2=c3=0 のみである。 したがって、f1(x), f2(x), f3(x) は線形独立である。 V の次元は3であり、f1(x), f2(x), f3(x) は線形独立な3つのベクトルであるため、f1(x), f2(x), f3(x) は V の基である。