複素数平面上の点 $z$ が原点を中心とする半径 $\sqrt{2}$ の円周上を動くとき、以下の問いに答える。 (1) 複素数 $w = \frac{z-1}{z-i}$ で表される点 $w$ の描く図形を複素数平面上に図示せよ。 (2) (1)の図形を、原点を中心に $\frac{\pi}{6}$ だけ回転して得られる図形を求めよ。

幾何学複素数平面回転複素数
2025/6/27

1. 問題の内容

複素数平面上の点 zz が原点を中心とする半径 2\sqrt{2} の円周上を動くとき、以下の問いに答える。
(1) 複素数 w=z1ziw = \frac{z-1}{z-i} で表される点 ww の描く図形を複素数平面上に図示せよ。
(2) (1)の図形を、原点を中心に π6\frac{\pi}{6} だけ回転して得られる図形を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
zz は原点を中心とする半径 2\sqrt{2} の円周上を動くので、z=2|z| = \sqrt{2} である。
したがって、z=2eiθz = \sqrt{2} e^{i\theta}θ\theta は実数)と表せる。
w=z1ziw = \frac{z-1}{z-i} より、w(zi)=z1w(z-i) = z-1 であるから、wzwi=z1wz - wi = z - 1 となる。
よって、wzz=wi1wz - z = wi - 1 であるから、z(w1)=wi1z(w-1) = wi - 1 となる。
z=wi1w1z = \frac{wi - 1}{w-1} となる。
z=2|z| = \sqrt{2} より、wi1w1=2|\frac{wi - 1}{w-1}| = \sqrt{2} である。
wi1=2w1|wi - 1| = \sqrt{2}|w-1| である。
w=x+yiw = x+yix,yx, y は実数)とおくと、
i(x+yi)1=2(x+yi)1|i(x+yi) - 1| = \sqrt{2}|(x+yi) - 1| となる。
xiy1=2x1+yi|xi - y - 1| = \sqrt{2}|x-1 + yi| である。
y1+xi=2x1+yi|-y-1 + xi| = \sqrt{2}|x-1 + yi| である。
(y1)2+x2=2(x1)2+y2\sqrt{(-y-1)^2 + x^2} = \sqrt{2} \sqrt{(x-1)^2 + y^2}
両辺を2乗して、
(y+1)2+x2=2((x1)2+y2)(y+1)^2 + x^2 = 2((x-1)^2 + y^2)
y2+2y+1+x2=2(x22x+1+y2)y^2 + 2y + 1 + x^2 = 2(x^2 - 2x + 1 + y^2)
y2+2y+1+x2=2x24x+2+2y2y^2 + 2y + 1 + x^2 = 2x^2 - 4x + 2 + 2y^2
0=x24x+y22y+10 = x^2 - 4x + y^2 - 2y + 1
x24x+4+y22y+1=4x^2 - 4x + 4 + y^2 - 2y + 1 = 4
(x2)2+(y1)2=4(x-2)^2 + (y-1)^2 = 4
これは、中心 (2,1)(2, 1)、半径 22 の円である。
(2)
(1)で求めた図形を、原点を中心に π6\frac{\pi}{6} だけ回転した図形を求める。
wwπ6\frac{\pi}{6} だけ回転した点を ww' とすると、w=weiπ6=w(cosπ6+isinπ6)=w(32+12i)w' = w e^{i\frac{\pi}{6}} = w (\cos\frac{\pi}{6} + i \sin\frac{\pi}{6}) = w (\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i) である。
w=x+yiw' = x'+y'i とおくと、x+yi=(x+yi)(32+12i)=32x12y+(12x+32y)ix'+y'i = (x+yi)(\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i) = \frac{\sqrt{3}}{2}x - \frac{1}{2}y + (\frac{1}{2}x + \frac{\sqrt{3}}{2}y)i である。
したがって、x=32x12yx' = \frac{\sqrt{3}}{2}x - \frac{1}{2}y, y=12x+32yy' = \frac{1}{2}x + \frac{\sqrt{3}}{2}y である。
(x2)2+(y1)2=4(x-2)^2 + (y-1)^2 = 4 より、
x=32w+12vx = \frac{\sqrt{3}}{2}w' + \frac{1}{2}v' and y=12w+32vy = -\frac{1}{2}w' + \frac{\sqrt{3}}{2}v'と変換する。
(32x+12y2)2+(12x+32y1)2=4(\frac{\sqrt{3}}{2}x' + \frac{1}{2}y' - 2)^2 + (-\frac{1}{2}x' + \frac{\sqrt{3}}{2}y' - 1)^2 = 4
34x2+32xy+14y223x2y+4+14x232xy+34y2+x3y+1=4\frac{3}{4}x'^2 + \frac{\sqrt{3}}{2}x'y' + \frac{1}{4}y'^2 - 2\sqrt{3}x' - 2y' + 4 + \frac{1}{4}x'^2 - \frac{\sqrt{3}}{2}x'y' + \frac{3}{4}y'^2 + x' - \sqrt{3}y' + 1 = 4
x2+y2(231)x(2+3)y+5=4x'^2 + y'^2 - (2\sqrt{3} - 1)x' - (2 + \sqrt{3})y' + 5 = 4
x2(231)x+(2312)2+y2(2+3)y+(2+32)2=4+(2312)2+(2+32)25x'^2 - (2\sqrt{3} - 1)x' + (\frac{2\sqrt{3}-1}{2})^2 + y'^2 - (2+\sqrt{3})y' + (\frac{2+\sqrt{3}}{2})^2 = 4 + (\frac{2\sqrt{3}-1}{2})^2 + (\frac{2+\sqrt{3}}{2})^2 - 5
(x2312)2+(y2+32)2=4+1243+14+4+43+345=4+1343+7+4345=4+2045=4+55=4(x' - \frac{2\sqrt{3}-1}{2})^2 + (y' - \frac{2+\sqrt{3}}{2})^2 = 4 + \frac{12 - 4\sqrt{3} + 1}{4} + \frac{4+4\sqrt{3}+3}{4} - 5 = 4 + \frac{13 - 4\sqrt{3} + 7 + 4\sqrt{3}}{4} - 5 = 4 + \frac{20}{4} - 5 = 4 + 5 - 5 = 4
したがって、中心 (2312,2+32)(\frac{2\sqrt{3}-1}{2}, \frac{2+\sqrt{3}}{2})、半径 22 の円である。

3. 最終的な答え

(1) 中心 (2,1)(2, 1)、半径 22 の円
(2) 中心 (2312,2+32)(\frac{2\sqrt{3}-1}{2}, \frac{2+\sqrt{3}}{2})、半径 22 の円

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