方程式 $\frac{e^x}{x} = a$ が実数解をもたないような定数 $a$ の値の範囲を求める問題です。

解析学関数のグラフ微分増減方程式実数解
2025/3/30

1. 問題の内容

方程式 exx=a\frac{e^x}{x} = a が実数解をもたないような定数 aa の値の範囲を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、関数 f(x)=exxf(x) = \frac{e^x}{x} のグラフを考えます。このグラフと直線 y=ay = a が交点を持たないような aa の範囲を求めればよいことになります。
f(x)f(x) の増減を調べるために、微分を計算します。
f(x)=xexexx2=(x1)exx2f'(x) = \frac{xe^x - e^x}{x^2} = \frac{(x-1)e^x}{x^2}
f(x)=0f'(x) = 0 となるのは x=1x = 1 のときです。また、分母は常に正であるため、x<1x < 1 のとき f(x)<0f'(x) < 0x>1x > 1 のとき f(x)>0f'(x) > 0 となります。
次に、定義域を確認します。x=0x = 0 では定義されていません。
x+0x \to +0 のとき、f(x)+f(x) \to +\infty であり、x0x \to -0 のとき、f(x)f(x) \to -\infty です。
また、xx \to -\infty のとき、f(x)0f(x) \to 0 であり、x+x \to +\infty のとき、f(x)+f(x) \to +\infty です。
x=1x=1 のとき、f(1)=ef(1) = e であり、これは極小値となります。
以上の情報から、y=f(x)y=f(x) のグラフは、x=0x=0 を境に分かれており、
x<0x < 0 の範囲では f(x)f(x)-\infty から 00 に向かって増加し、x>0x > 0 の範囲では、x=1x=1 で極小値 ee をとり、00 から ++\infty で減少した後、ee から ++\infty へと増加します。
f(x)=af(x) = a が実数解を持たないのは、a0a \le 0 または a<ea < e のときですが、a0a \leq 0のとき、x<0x < 0 で必ず解を持つので、a0a \leq 0は間違いです。
グラフと直線 y=ay = a が交点を持たないのは、0a<e0 \le a < e となります。

3. 最終的な答え

0a<e0 \le a < e

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