与えられた選択肢の中から、正しいものを全て選ぶ問題です。ただし、関数は全て連続であるとします。

解析学積分連続関数リーマン和
2025/7/3

1. 問題の内容

与えられた選択肢の中から、正しいものを全て選ぶ問題です。ただし、関数は全て連続であるとします。

2. 解き方の手順

各選択肢について真偽を判断します。
(1)「f(x)f(x)は閉区間[a,b][a, b]において常に積分可能である。」
f(x)f(x)は連続関数なので、閉区間[a,b][a, b]において常に積分可能です。したがって、この記述は正しいです。
(2)「acf(x)dx=abf(x)dxcbf(x)dx\int_{a}^{c} f(x)dx = \int_{a}^{b} f(x)dx - \int_{c}^{b} f(x)dxが成り立つ。」
積分区間の性質より、abf(x)dx=acf(x)dx+cbf(x)dx\int_{a}^{b} f(x)dx = \int_{a}^{c} f(x)dx + \int_{c}^{b} f(x)dxが成り立ちます。したがって、acf(x)dx=abf(x)dxcbf(x)dx\int_{a}^{c} f(x)dx = \int_{a}^{b} f(x)dx - \int_{c}^{b} f(x)dxも成り立ちます。この記述は正しいです。
(3)「閉区間[a,b][a, b]上で、f(x)g(x)f(x) \le g(x)ならば、abf(x)dxabg(x)dx\int_{a}^{b} |f(x)|dx \le \int_{a}^{b} |g(x)|dxが成り立つ。」
これは一般には成り立ちません。例えば、f(x)=2f(x) = -2g(x)=1g(x) = -1とすると、f(x)g(x)f(x) \le g(x)ですが、ab2dx=2(ba)\int_{a}^{b} |-2|dx = 2(b-a)ab1dx=ba\int_{a}^{b} |-1|dx = b-aとなり、abf(x)dx>abg(x)dx\int_{a}^{b} |f(x)|dx > \int_{a}^{b} |g(x)|dxとなります。この記述は誤りです。
f(x)g(x)f(x) \le g(x)ならば、abf(x)dxabg(x)dx\int_{a}^{b} f(x)dx \le \int_{a}^{b} g(x)dxが成り立ちます。
(4)「閉区間[a,b][a, b]上で、abf(x)dx=0\int_{a}^{b} f(x)dx = 0ならば、[a,b][a, b]上でf(x)=0f(x) = 0である。」
これは一般には成り立ちません。例えば、f(x)=xf(x) = xa=1a=-1b=1b=1とすると、11xdx=[12x2]11=1212=0\int_{-1}^{1} x dx = [\frac{1}{2}x^{2}]_{-1}^{1} = \frac{1}{2} - \frac{1}{2} = 0ですが、[1,1][-1, 1]上でf(x)=0f(x) = 0ではありません。この記述は誤りです。
(5)「閉区間[a,b][a, b]上で、ab{f(x)}2dx=0\int_{a}^{b} \{f(x)\}^{2}dx = 0ならば、[a,b][a, b]上でf(x)=0f(x) = 0である。」
f(x)f(x)は連続なので、f(x)20f(x)^{2} \ge 0です。abf(x)2dx=0\int_{a}^{b} f(x)^{2}dx = 0ということは、f(x)2=0f(x)^{2} = 0となるしかありません。したがって、f(x)=0f(x) = 0となります。この記述は正しいです。
(6)「limn1nk=1n(kn)3=01x3dx\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=1}^{n} (\frac{k}{n})^{3} = \int_{0}^{1} x^{3}dxが成り立つ。」
limn1nk=1n(kn)3=01x3dx\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=1}^{n} (\frac{k}{n})^{3} = \int_{0}^{1} x^{3}dxは、リーマン和の定義そのものです。この記述は正しいです。

3. 最終的な答え

正しい選択肢は、(1), (2), (5), (6) です。

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