xyz空間に4点A, B, C, Dと原点Oがある。OA, OB, OCが生成する平行六面体をKとする。ただし、(1),(2),(3)においては、A(-1, 2, -3), B(1, -2, -3), C(-1, -2, 3)とする。 (1) 平行六面体Kの体積Vを求める。 (2) OAとOBが生成する平行四辺形の面積Sを求める。 (3) 3点O, A, Bを通る平面をHとする。点Cから平面Hに下ろした垂線の長さhを求める。 (4) OA, OB, ODが生成する平行六面体をLとする。OD = sOA + tOB + uOCとおいたとき、|u|を平行六面体Kの体積Vと平行六面体Lの体積Wで表し、また、uを求める。ただし、V ≠ 0とする。

幾何学ベクトル空間図形平行六面体体積面積平面垂線の長さ行列式
2025/6/29

1. 問題の内容

xyz空間に4点A, B, C, Dと原点Oがある。OA, OB, OCが生成する平行六面体をKとする。ただし、(1),(2),(3)においては、A(-1, 2, -3), B(1, -2, -3), C(-1, -2, 3)とする。
(1) 平行六面体Kの体積Vを求める。
(2) OAとOBが生成する平行四辺形の面積Sを求める。
(3) 3点O, A, Bを通る平面をHとする。点Cから平面Hに下ろした垂線の長さhを求める。
(4) OA, OB, ODが生成する平行六面体をLとする。OD = sOA + tOB + uOCとおいたとき、|u|を平行六面体Kの体積Vと平行六面体Lの体積Wで表し、また、uを求める。ただし、V ≠ 0とする。

2. 解き方の手順

(1) 平行六面体の体積Vは、ベクトルOA, OB, OCで構成される行列式の絶対値で求められる。
V=det(OA,OB,OC) V = |det(OA, OB, OC)|
OA=(123),OB=(123),OC=(123)OA = \begin{pmatrix} -1 \\ 2 \\ -3 \end{pmatrix}, OB = \begin{pmatrix} 1 \\ -2 \\ -3 \end{pmatrix}, OC = \begin{pmatrix} -1 \\ -2 \\ 3 \end{pmatrix}
V=(1)((2)(3)(3)(2))2((1)(3)(3)(1))+(3)((1)(2)(2)(1))V = |(-1)((-2)(3) - (-3)(-2)) - 2((1)(3) - (-3)(-1)) + (-3)((1)(-2) - (-2)(-1))|
V=(1)(66)2(33)+(3)(22)V = |(-1)(-6 - 6) - 2(3 - 3) + (-3)(-2 - 2)|
V=120+12=24V = |12 - 0 + 12| = 24
(2) 平行四辺形の面積Sは、ベクトルOAとOBの外積の大きさで求められる。
S=OA×OBS = |OA \times OB|
OA×OB=((2)(3)(3)(2)(3)(1)(1)(3)(1)(2)(2)(1))=(663322)=(1260)OA \times OB = \begin{pmatrix} (2)(-3) - (-3)(-2) \\ (-3)(1) - (-1)(-3) \\ (-1)(-2) - (2)(1) \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -6 - 6 \\ -3 - 3 \\ 2 - 2 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -12 \\ -6 \\ 0 \end{pmatrix}
S=(12)2+(6)2+02=144+36=180=65S = \sqrt{(-12)^2 + (-6)^2 + 0^2} = \sqrt{144 + 36} = \sqrt{180} = 6\sqrt{5}
(3) 平面Hの方程式は、OAとOBに垂直なベクトルを法線ベクトルnとして、n(x,y,z)=0n \cdot (x, y, z) = 0と表せる。
法線ベクトルはOA×OB=(1260)OA \times OB = \begin{pmatrix} -12 \\ -6 \\ 0 \end{pmatrix}であるから、平面Hの方程式は12x6y=0-12x - 6y = 0、つまり2x+y=02x + y = 0となる。
点C(-1, -2, 3)から平面Hへの距離hは、公式h=ax0+by0+cz0+da2+b2+c2h = \frac{|ax_0 + by_0 + cz_0 + d|}{\sqrt{a^2 + b^2 + c^2}}を用いて計算する。
平面Hの方程式は2x+y+0z=02x + y + 0z = 0なので、a=2,b=1,c=0,d=0a = 2, b = 1, c = 0, d = 0である。
h=2(1)+1(2)+0(3)22+12+02=224+1=45=455h = \frac{|2(-1) + 1(-2) + 0(3)|}{\sqrt{2^2 + 1^2 + 0^2}} = \frac{|-2 - 2|}{\sqrt{4 + 1}} = \frac{4}{\sqrt{5}} = \frac{4\sqrt{5}}{5}
(4) OD = sOA + tOB + uOCであるとき、OA, OB, ODが生成する平行六面体の体積Wは、OA, OB, sOA + tOB + uOCで構成される行列式の絶対値で求められる。
W=det(OA,OB,OD)=det(OA,OB,sOA+tOB+uOC)W = |det(OA, OB, OD)| = |det(OA, OB, sOA + tOB + uOC)|
行列式の性質より、det(OA,OB,sOA+tOB+uOC)=det(OA,OB,sOA)+det(OA,OB,tOB)+det(OA,OB,uOC)det(OA, OB, sOA + tOB + uOC) = det(OA, OB, sOA) + det(OA, OB, tOB) + det(OA, OB, uOC)
det(OA,OB,sOA)=sdet(OA,OB,OA)=0det(OA, OB, sOA) = s \cdot det(OA, OB, OA) = 0
det(OA,OB,tOB)=tdet(OA,OB,OB)=0det(OA, OB, tOB) = t \cdot det(OA, OB, OB) = 0
したがって、W=det(OA,OB,uOC)=udet(OA,OB,OC)=udet(OA,OB,OC)=uVW = |det(OA, OB, uOC)| = |u \cdot det(OA, OB, OC)| = |u| \cdot |det(OA, OB, OC)| = |u| \cdot V
よって、u=WV|u| = \frac{W}{V}
ここで、OD=sOA+tOB+uOCOD = sOA + tOB + uOCであることから、OD=(d1d2d3)=s(123)+t(123)+u(123)=(s+tu2s2t2u3s3t+3u)\vec{OD} = \begin{pmatrix} d_1 \\ d_2 \\ d_3 \end{pmatrix} = s \begin{pmatrix} -1 \\ 2 \\ -3 \end{pmatrix} + t \begin{pmatrix} 1 \\ -2 \\ -3 \end{pmatrix} + u \begin{pmatrix} -1 \\ -2 \\ 3 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -s + t - u \\ 2s - 2t - 2u \\ -3s - 3t + 3u \end{pmatrix}
(111222333)(stu)=(d1d2d3)\begin{pmatrix} -1 & 1 & -1 \\ 2 & -2 & -2 \\ -3 & -3 & 3 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} s \\ t \\ u \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} d_1 \\ d_2 \\ d_3 \end{pmatrix}
逆行列を求めるのが難しいので、連立方程式を解く。
s+tu=d1-s + t - u = d_1
2s2t2u=d22s - 2t - 2u = d_2
3s3t+3u=d3-3s - 3t + 3u = d_3
2番目の式を2で割ると、stu=d22s - t - u = \frac{d_2}{2}
3番目の式を3で割ると、st+u=d33-s - t + u = \frac{d_3}{3}
1番目の式と2番目の式を足すと、2u=d1+d22-2u = d_1 + \frac{d_2}{2}
u=12d114d2u = -\frac{1}{2} d_1 - \frac{1}{4} d_2
1番目の式と3番目の式を足すと、2s2t=d1+d33-2s - 2t = d_1 + \frac{d_3}{3}
st=d12+d36-s - t = \frac{d_1}{2} + \frac{d_3}{6}

3. 最終的な答え

(1) V = 24
(2) S = 656\sqrt{5}
(3) h = 455\frac{4\sqrt{5}}{5}
(4) u=WV|u| = \frac{W}{V}, u=12d114d2u = -\frac{1}{2} d_1 - \frac{1}{4} d_2

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