不定積分 $\int \frac{1}{(x+1)^2(x+2)} dx$ を求めます。

解析学積分不定積分部分分数分解積分計算
2025/6/29
問題 4 を解きます。

1. 問題の内容

不定積分 1(x+1)2(x+2)dx\int \frac{1}{(x+1)^2(x+2)} dx を求めます。

2. 解き方の手順

部分分数分解を用いて積分を計算します。被積分関数を次のように分解します。
1(x+1)2(x+2)=Ax+1+B(x+1)2+Cx+2\frac{1}{(x+1)^2(x+2)} = \frac{A}{x+1} + \frac{B}{(x+1)^2} + \frac{C}{x+2}
両辺に (x+1)2(x+2)(x+1)^2(x+2) を掛けると、
1=A(x+1)(x+2)+B(x+2)+C(x+1)21 = A(x+1)(x+2) + B(x+2) + C(x+1)^2
1=A(x2+3x+2)+B(x+2)+C(x2+2x+1)1 = A(x^2 + 3x + 2) + B(x+2) + C(x^2 + 2x + 1)
1=(A+C)x2+(3A+B+2C)x+(2A+2B+C)1 = (A+C)x^2 + (3A+B+2C)x + (2A+2B+C)
係数を比較して、次の連立方程式を得ます。
A+C=0A+C = 0
3A+B+2C=03A+B+2C = 0
2A+2B+C=12A+2B+C = 1
最初の式から、C=AC=-A です。
2番目の式に代入すると、3A+B2A=03A+B-2A=0 より、A+B=0A+B=0なので、B=AB=-A です。
3番目の式に代入すると、2A2AA=12A-2A-A=1 より、A=1A=-1 です。
したがって、A=1A = -1, B=1B = 1, C=1C = 1 です。
よって、
1(x+1)2(x+2)=1x+1+1(x+1)2+1x+2\frac{1}{(x+1)^2(x+2)} = -\frac{1}{x+1} + \frac{1}{(x+1)^2} + \frac{1}{x+2}
積分は、
1(x+1)2(x+2)dx=(1x+1+1(x+1)2+1x+2)dx\int \frac{1}{(x+1)^2(x+2)} dx = \int \left(-\frac{1}{x+1} + \frac{1}{(x+1)^2} + \frac{1}{x+2}\right) dx
=1x+1dx+1(x+1)2dx+1x+2dx= -\int \frac{1}{x+1} dx + \int \frac{1}{(x+1)^2} dx + \int \frac{1}{x+2} dx
=lnx+11x+1+lnx+2+C= -\ln|x+1| - \frac{1}{x+1} + \ln|x+2| + C
=lnx+2x+11x+1+C= \ln\left|\frac{x+2}{x+1}\right| - \frac{1}{x+1} + C

3. 最終的な答え

lnx+2x+11x+1+C\ln\left|\frac{x+2}{x+1}\right| - \frac{1}{x+1} + C

「解析学」の関連問題

$\sin\theta\cos\theta = -\frac{1}{4}$ のとき、$\theta$ の動径は第4象限にあるとして、次の値を求めよ。 (1) $\sin\theta - \cos\th...

三角関数三角関数の合成象限恒等式
2025/6/29

$S = \frac{1}{1+\sqrt{5}} + \frac{1}{\sqrt{5}+\sqrt{9}} + \frac{1}{\sqrt{9}+\sqrt{13}} + \cdots + \f...

数列有理化telescoping sum
2025/6/29

定積分 $\int_{-1}^{3} |x^2 - 4| dx$ を計算してください。

定積分絶対値積分計算
2025/6/29

$\cos \frac{5}{4}\pi$ の値を求めよ。

三角関数cos角度
2025/6/29

与えられた恒等式 $\frac{1}{(2k-1)(2k+1)} = \frac{1}{2} \left( \frac{1}{2k-1} - \frac{1}{2k+1} \right)$ を利用して...

級数部分分数分解望遠鏡和
2025/6/29

与えられた数列の和 $S$ を求めます。数列は以下の通りです。 $S = \frac{1}{1 \cdot 2} + \frac{1}{2 \cdot 3} + \frac{1}{3 \cdot 4}...

数列級数部分分数分解telescoping sum望遠鏡和
2025/6/29

関数 $y = 2(\sin\theta + \cos\theta) + 2\sin\theta\cos\theta - 3$ ($0 \le \theta \le \pi$)について、次の問いに答え...

三角関数最大値最小値関数の合成三角関数の合成
2025/6/29

与えられた三角関数の式 $\sin(\theta + \frac{\pi}{3}) + \sin(\theta - \frac{\pi}{3}) - \sin(\theta)$ を簡単にせよ。

三角関数加法定理三角関数の簡約
2025/6/29

与えられた無限級数が収束することを示し、その和を求めます。問題は2つあります。 (1) $\frac{1}{2\cdot5} + \frac{1}{5\cdot8} + \frac{1}{8\cdot...

無限級数収束部分分数分解極限
2025/6/29

$0 \le x < 2\pi$ の範囲で、関数 $y = \cos 2x + \sin x$ の最大値、最小値とそのときの $x$ の値を求めよ。

三角関数最大値最小値二次関数微分
2025/6/29