$m, n$ は自然数とする。以下の2つの命題とその対偶の真偽を調べ、それらが一致することを確認する。 (1) $m$ は4の倍数 $\Rightarrow$ $m$ は偶数 (2) $m+n$ は偶数 $\Rightarrow$ $m$ は偶数または $n$ は偶数

数論命題対偶偶数奇数倍数真偽
2025/6/29

1. 問題の内容

m,nm, n は自然数とする。以下の2つの命題とその対偶の真偽を調べ、それらが一致することを確認する。
(1) mm は4の倍数 \Rightarrow mm は偶数
(2) m+nm+n は偶数 \Rightarrow mm は偶数または nn は偶数

2. 解き方の手順

(1)
* 命題: mm は4の倍数 \Rightarrow mm は偶数
mm が4の倍数であるとき、m=4km = 4kkk は自然数)と表せる。
m=4k=2(2k)m = 4k = 2(2k) であるから、mm は偶数である。
したがって、命題は真である。
* 対偶: mm は奇数 \Rightarrow mm は4の倍数ではない
mm が奇数であるとき、m=2k1m = 2k-1kk は自然数)と表せる。
m=2k1m = 2k-1 は4で割り切れないため、mm は4の倍数ではない。
したがって、対偶は真である。
* 結論:命題と対偶はともに真なので、一致する。
(2)
* 命題: m+nm+n は偶数 \Rightarrow mm は偶数または nn は偶数
m+nm+n が偶数であるとき、m+n=2km+n = 2kkk は自然数)と表せる。
このとき、m,nm, n がともに偶数であるか、または m,nm, n がともに奇数であるかのいずれかである。
m,nm, n がともに偶数ならば、mm は偶数または nn は偶数は真である。
m,nm, n がともに奇数ならば、mm は奇数かつ nn は奇数なので、mm は偶数または nn は偶数は真である。
したがって、命題は真である。
* 対偶: mm は奇数かつ nn は奇数 \Rightarrow m+nm+n は奇数
mm が奇数かつ nn が奇数であるとき、m=2k1,n=2l1m = 2k-1, n = 2l-1k,lk, l は自然数)と表せる。
このとき、m+n=(2k1)+(2l1)=2k+2l2=2(k+l1)m+n = (2k-1) + (2l-1) = 2k+2l-2 = 2(k+l-1) となり、m+nm+n は偶数である。
したがって、m+nm+n は奇数ではないので、対偶は偽である。
ここで命題の反例を示す。m=1,n=1m = 1, n = 1 のとき、m+n=2m+n = 2 は偶数だが、m,nm, n はともに奇数である。
したがって、mm は偶数または nn は偶数は偽である。
* 結論:命題は真であり、対偶は偽なので、一致しない。

3. 最終的な答え

(1) 命題は真、対偶は真。したがって、一致する。
(2) 命題は真、対偶は偽。したがって、一致しない。

「数論」の関連問題

正の整数 $x$ を素因数分解したときに現れるすべての素数を一度ずつ掛け合わせて得られる積を $\text{rad}(x)$ で表す。例えば、$\text{rad}(12) = 6$, $\text{...

素因数分解剰余数列周期性
2025/7/17

## 問題 1(1) の内容

数学的帰納法等式不等式階乗
2025/7/17

奇数の数列 ${a_n}$ があり、それを第 $n$ 群に $n$ 個の項を含むように分割する。 (1) 第10群の3番目の数を求める。 (2) 第 $n$ 群の最後の数を求める。 (3) 第 $n$...

数列群分け奇数等差数列総和
2025/7/16

整数の中で、2でも3でも5でも割り切れないものだけを小さい順に並べた数列がある。この数列の150番目の数を、選択肢の中から選ぶ問題。選択肢は以下の通り。 1: 541 2: 547 3: 557 4:...

整数の性質包除原理数列
2025/7/16

(1) $10^{10}$ を $2020$ で割った余りを求める。 (2) $100$桁の正の整数で、各位の数の和が $2$ となるもののうち、$2020$ で割り切れるものの個数を求める。

剰余合同式整数の性質桁数約数
2025/7/16

整数 $a$ を $n$ 回かけることを $a \times \langle n \rangle$ で表し、整数 $b$ の一の位の数を $||b||$ で表す。$a$ が整数のとき、$|| a \t...

整数の性質べき乗一の位
2025/7/16

(1) $10^{10}$ を $2020$ で割った余りを求める。 (2) $100$ 桁の正の整数で、各位の数の和が $2$ となるもののうち、$2020$ で割り切れるものの個数を求める。

剰余整数の性質合同式
2025/7/16

すべての自然数 $n$ に対して、$2^{2n+1} + 3(-1)^n$ が5の倍数であることを数学的帰納法を用いて証明する。

数学的帰納法整数の性質倍数
2025/7/16

(1) $10^{10}$ を $2020$ で割った余りを求めよ。 (2) 100桁の正の整数で各位の数の和が $2$ となるもののうち、$2020$ で割り切れるものの個数を求めよ。

合同算術剰余整数の性質
2025/7/16

この問題は、2つの命題を証明する問題です。 (1) 整数 $n$ が3の倍数でないとき、$n^2$ を3で割った余りが1であることを証明します。 (2) 3つの整数 $x, y, z$ が等式 $x^...

整数の性質合同式背理法剰余
2025/7/16