(1) $10^{10}$ を $2020$ で割った余りを求める。 (2) $100$桁の正の整数で、各位の数の和が $2$ となるもののうち、$2020$ で割り切れるものの個数を求める。

数論剰余合同式整数の性質桁数約数
2025/7/16

1. 問題の内容

(1) 101010^{10}20202020 で割った余りを求める。
(2) 100100桁の正の整数で、各位の数の和が 22 となるもののうち、20202020 で割り切れるものの個数を求める。

2. 解き方の手順

(1)
まず、2020=20×1012020 = 20 \times 101 であることに注意する。
1010=102×108=100×10810^{10} = 10^2 \times 10^8 = 100 \times 10^8 である。
1010=100×108100×0(mod20)10^{10} = 100 \times 10^8 \equiv 100 \times 0 \pmod{20}
10100(mod20)10^{10} \equiv 0 \pmod{20}
よって、101010^{10}2020 で割り切れる。
次に、101010^{10}101101 で割った余りを考える。
102=1001(mod101)10^2 = 100 \equiv -1 \pmod{101}
1010=(102)5(1)5(mod101)10^{10} = (10^2)^5 \equiv (-1)^5 \pmod{101}
10101(mod101)10^{10} \equiv -1 \pmod{101}
1010100(mod101)10^{10} \equiv 100 \pmod{101}
1010=2020k+r10^{10} = 2020k + r とおく。
1010r(mod20)10^{10} \equiv r \pmod{20}
r0(mod20)r \equiv 0 \pmod{20}
1010r(mod101)10^{10} \equiv r \pmod{101}
r100(mod101)r \equiv 100 \pmod{101}
r=20nr = 20n とおくと、20n100(mod101)20n \equiv 100 \pmod{101}
n5(mod101)n \equiv 5 \pmod{101}
n=101m+5n = 101m + 5
r=20(101m+5)=2020m+100r = 20(101m + 5) = 2020m + 100
よって、1010=2020m+10010^{10} = 2020m + 100
したがって、101010^{10}20202020 で割った余りは 100100 である。
(2)
100100桁の正の整数で各位の和が2となるものは、以下のいずれかである。
(i) 2×10992 \times 10^{99}
(ii) 10k+10l10^k + 10^l (ただし、0l<k990 \le l < k \le 99, klk \ne l
これらのうち、20202020 で割り切れるものを探す。
2020=20×101=4×5×1012020 = 20 \times 101 = 4 \times 5 \times 101 であるから、44の倍数、55の倍数、101101の倍数であることが必要である。
(i) 2×10992 \times 10^{99}
2×1099=2×102×1097=200×10972 \times 10^{99} = 2 \times 10^2 \times 10^{97} = 200 \times 10^{97}
2×10990(mod4)2 \times 10^{99} \equiv 0 \pmod{4}
2×10990(mod5)2 \times 10^{99} \equiv 0 \pmod{5}
2×1099=2×(102)49×102×(1)49×10(mod101)2 \times 10^{99} = 2 \times (10^2)^{49} \times 10 \equiv 2 \times (-1)^{49} \times 10 \pmod{101}
2×109920(mod101)2 \times 10^{99} \equiv -20 \pmod{101}
2×109981(mod101)2 \times 10^{99} \equiv 81 \pmod{101}
したがって、2×10992 \times 10^{99}20202020 で割り切れない。
(ii) 10k+10l10^k + 10^l
10k+10l=10l(10kl+1)10^k + 10^l = 10^l (10^{k-l} + 1)
20202020で割り切れるためには、10k+10l10^k + 10^l は、44の倍数、55の倍数、101101の倍数である必要がある。
10k+10l0(mod4)10^k + 10^l \equiv 0 \pmod{4}より、l2l \ge 2が必要である。
10k+10l0(mod5)10^k + 10^l \equiv 0 \pmod{5}より、l1l \ge 1が必要である。
10k+10l0(mod2020)10^k + 10^l \equiv 0 \pmod{2020}
10k+10l0(mod101)10^k + 10^l \equiv 0 \pmod{101}より、10kl1(mod101)10^{k-l} \equiv -1 \pmod{101}
10kl100(mod101)10^{k-l} \equiv 100 \pmod{101}
kl=50+100nk-l = 50 + 100nとなることが必要。
kl=50k-l = 50
10k+10l10^k + 10^l20202020で割り切れるとき、
k2,l2k \ge 2, l \ge 2なので、l2l \ge 2
k=l+50k = l + 50
l+5099l + 50 \le 99なので、l49l \le 49
よって、2l492 \le l \le 49
下2桁が2020の倍数である必要があるので、l=2nl = 2nとおくと、10l+50+10l=100(10l+48+10l2)10^{l+50} + 10^{l} = 100(10^{l+48} + 10^{l-2})20202020で割り切れるためには、101101の倍数である必要十分である。
10501(mod101)10^{50} \equiv -1 \pmod {101}を利用して、
2l492 \le l \le 49より、492+1=4849 - 2 + 1 = 48

3. 最終的な答え

(1) 100100
(2) 4848

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