$0 \le x \le 1$, $0 \le y \le 1$, $0 \le z \le 1$ で定まる立方体 $V$ を考える。実数 $t$ が $1 < t < 2$ を動くとき、平面 $H_t : x + y + z = t$ による $V$ の切り口の面積を $S(t)$ とする。 (1) $S(t)$ を $t$ で表せ。 (2) $S(t)$ の最大値を求めよ。

幾何学立体図形面積立方体平面
2025/6/30

1. 問題の内容

0x10 \le x \le 1, 0y10 \le y \le 1, 0z10 \le z \le 1 で定まる立方体 VV を考える。実数 tt1<t<21 < t < 2 を動くとき、平面 Ht:x+y+z=tH_t : x + y + z = t による VV の切り口の面積を S(t)S(t) とする。
(1) S(t)S(t)tt で表せ。
(2) S(t)S(t) の最大値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
1<t<21 < t < 2 のとき、HtH_t は立方体 VV のいくつかの頂点を通る。
VV の頂点は (0,0,0)(0,0,0), (1,0,0)(1,0,0), (0,1,0)(0,1,0), (0,0,1)(0,0,1), (1,1,0)(1,1,0), (1,0,1)(1,0,1), (0,1,1)(0,1,1), (1,1,1)(1,1,1) である。
x+y+z=tx+y+z=t にこれらの頂点の座標を代入すると、
(0,0,0)0=t(0,0,0) \Rightarrow 0 = t
(1,0,0)1=t(1,0,0) \Rightarrow 1 = t
(0,1,0)1=t(0,1,0) \Rightarrow 1 = t
(0,0,1)1=t(0,0,1) \Rightarrow 1 = t
(1,1,0)2=t(1,1,0) \Rightarrow 2 = t
(1,0,1)2=t(1,0,1) \Rightarrow 2 = t
(0,1,1)2=t(0,1,1) \Rightarrow 2 = t
(1,1,1)3=t(1,1,1) \Rightarrow 3 = t
となる。
1<t<21 < t < 2 のとき、平面 HtH_t は頂点 (1,0,0)(1,0,0), (0,1,0)(0,1,0), (0,0,1)(0,0,1) の近くを通る。
HtH_t と立方体 VV の交わりは三角形になる。
HtH_t と立方体 VV の交わりは、x=0,y=0,z=0,x=1,y=1,z=1x=0, y=0, z=0, x=1, y=1, z=1 で囲まれた領域となる。
x=0x=0 のとき、 y+z=ty+z=t
y=0y=0 のとき、 x+z=tx+z=t
z=0z=0 のとき、 x+y=tx+y=t
x=1x=1 のとき、 y+z=t1y+z=t-1
y=1y=1 のとき、 x+z=t1x+z=t-1
z=1z=1 のとき、 x+y=t1x+y=t-1
1<t<21 < t < 2 のとき、t1>0t-1 > 0 である。
HtH_t(1,0,0),(0,1,0),(0,0,1)(1,0,0), (0,1,0), (0,0,1) に近い点を切り落とす。
この三角形の面積を計算する。
x+y+z=tx+y+z=t は、x=1,y=1,z=1x=1, y=1, z=1 で囲まれた領域を切り落とす。
HtH_t と立方体 VV の交わりは正六角形になる。
正六角形の面積は正三角形の面積から3つの正三角形を引いたものである。
1<t321 < t \le \frac{3}{2} のとき、S(t)=32(t1)2S(t) = \frac{\sqrt{3}}{2}(t-1)^2
32<t<2\frac{3}{2} < t < 2 のとき、S(t)=3232(2t)2S(t) = \frac{\sqrt{3}}{2}- \frac{\sqrt{3}}{2}(2-t)^2
S(t)=32((t2)2+1)S(t) = \frac{\sqrt{3}}{2} (-(t-2)^2 + 1)
S(t)=32(1(2t)2)=32(1(t24t+4))=32(t2+4t3)S(t) = \frac{\sqrt{3}}{2}(1 - (2-t)^2) = \frac{\sqrt{3}}{2}(1 - (t^2-4t+4)) = \frac{\sqrt{3}}{2}(-t^2+4t-3)
32<t<2\frac{3}{2} < t < 2 のとき、S(t)=32(t2+4t3)S(t) = \frac{\sqrt{3}}{2}(-t^2+4t-3)
1<t<21 < t < 2 では平面と立方体の交わりは正三角形であるから、
S(t)=32(t1)2S(t) = \frac{\sqrt{3}}{2} (t-1)^2
S(t)=3(t1)>0S'(t) = \sqrt{3}(t-1) > 0
よって、S(t)S(t) は増加関数である。
S(t)S(t) が最大となるのは t=2t=2 のときである。
S(2)=32(21)2=32S(2) = \frac{\sqrt{3}}{2} (2-1)^2 = \frac{\sqrt{3}}{2}
(2)
S(t)=32(t1)2S(t) = \frac{\sqrt{3}}{2}(t-1)^2 のとき、1<t321 < t \le \frac{3}{2}
S(t)=32(t2+4t3)S(t) = \frac{\sqrt{3}}{2}(-t^2+4t-3) のとき、32<t<2\frac{3}{2} < t < 2
S(t)=32(2t+4)S'(t) = \frac{\sqrt{3}}{2}(-2t+4)
S(t)=0S'(t) = 0 となるのは t=2t=2 のときである。
t=2t=2 は範囲外なので、t=32t=\frac{3}{2} のときを調べる。
S(3/2)=32(3/21)2=32(1/2)2=38S(3/2) = \frac{\sqrt{3}}{2} (3/2-1)^2 = \frac{\sqrt{3}}{2} (1/2)^2 = \frac{\sqrt{3}}{8}
S(3/2)=32(9/4+63)=32(3/4)=338S(3/2) = \frac{\sqrt{3}}{2} (-9/4+6-3) = \frac{\sqrt{3}}{2} (3/4) = \frac{3\sqrt{3}}{8}
S(t)=3(t1)S'(t) = \sqrt{3}(t-1)
S(3/2)=338S(3/2) = \frac{3\sqrt{3}}{8}
x+y+z=tx+y+z=t
t=1t=1 のとき面積は

0. $t=2$ のとき正六角形.

t=32t=\frac{3}{2} のとき x+y+z=32x+y+z=\frac{3}{2}
334\frac{3\sqrt{3}}{4}

3. 最終的な答え

(1) 1<t3/21 < t \le 3/2 のとき、S(t)=32(t1)2S(t) = \frac{\sqrt{3}}{2} (t-1)^2
3/2<t<23/2 < t < 2 のとき、S(t)=32(t2+4t3)S(t) = \frac{\sqrt{3}}{2}(-t^2+4t-3)
(2) S(t)S(t) の最大値は 338\frac{3\sqrt{3}}{8} ( t=32t=\frac{3}{2} のとき )

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