$0 < x < \frac{\pi}{2}$ のとき、$\frac{2}{\pi} < \frac{\sin x}{x} < 1$ であることを示す。

解析学三角関数微分単調減少極限
2025/6/30

1. 問題の内容

0<x<π20 < x < \frac{\pi}{2} のとき、2π<sinxx<1\frac{2}{\pi} < \frac{\sin x}{x} < 1 であることを示す。

2. 解き方の手順

(1) f(x)=sinxxf(x) = \frac{\sin x}{x} を微分する。
商の微分公式より、
f(x)=xcosxsinxx2f'(x) = \frac{x\cos x - \sin x}{x^2}
(2) g(x)=xcosxsinxg(x) = x\cos x - \sin x とおく。0<x<π20 < x < \frac{\pi}{2} における g(x)g(x) の符号を調べる。
g(x)=cosxxsinxcosx=xsinxg'(x) = \cos x - x\sin x - \cos x = -x\sin x
0<x<π20 < x < \frac{\pi}{2} において、sinx>0\sin x > 0 なので、g(x)<0g'(x) < 0 である。
よって、g(x)g(x)0<x<π20 < x < \frac{\pi}{2} において単調減少である。
limx0g(x)=0cos0sin0=0\lim_{x \to 0} g(x) = 0 \cdot \cos 0 - \sin 0 = 0
したがって、0<x<π20 < x < \frac{\pi}{2} において、g(x)<0g(x) < 0 である。
(3) f(x)=g(x)x2f'(x) = \frac{g(x)}{x^2} であり、0<x<π20 < x < \frac{\pi}{2} において、g(x)<0g(x) < 0 かつ x2>0x^2 > 0 であるから、f(x)<0f'(x) < 0 となる。
よって、f(x)f(x)0<x<π20 < x < \frac{\pi}{2} において単調減少である。
limx0f(x)=limx0sinxx=1\lim_{x \to 0} f(x) = \lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x} = 1
f(π2)=sinπ2π2=1π2=2πf(\frac{\pi}{2}) = \frac{\sin \frac{\pi}{2}}{\frac{\pi}{2}} = \frac{1}{\frac{\pi}{2}} = \frac{2}{\pi}
(4) 0<x<π20 < x < \frac{\pi}{2} において、f(x)f(x) は単調減少であり、limx0f(x)=1\lim_{x \to 0} f(x) = 1 かつ f(π2)=2πf(\frac{\pi}{2}) = \frac{2}{\pi} であるから、
2π<f(x)<1\frac{2}{\pi} < f(x) < 1
したがって、2π<sinxx<1\frac{2}{\pi} < \frac{\sin x}{x} < 1

3. 最終的な答え

2π<sinxx<1\frac{2}{\pi} < \frac{\sin x}{x} < 1

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