ある学校の1組と2組の国語のテストの結果について、1組(26人、平均点60点、不偏分散25)と2組(31人、平均点65点、不偏分散15)の点数の分散が等しいかどうかを有意水準5%で等分散検定する。

確率論・統計学統計的仮説検定F検定等分散性検定分散
2025/7/1
## 問1

1. 問題の内容

ある学校の1組と2組の国語のテストの結果について、1組(26人、平均点60点、不偏分散25)と2組(31人、平均点65点、不偏分散15)の点数の分散が等しいかどうかを有意水準5%で等分散検定する。

2. 解き方の手順

(1) 仮説の設定:
* 帰無仮説 H0H_0:1組と2組の分散は等しい。σ12=σ22\sigma_1^2 = \sigma_2^2
* 対立仮説 H1H_1:1組と2組の分散は等しくない。σ12σ22\sigma_1^2 \neq \sigma_2^2
* 検定の種類:両側検定
(2) 検定統計量の計算:
* F検定を用いる。検定統計量Fは、2つの不偏分散の比で計算される。
F=V1V2F = \frac{V_1}{V_2}
ここで、V1V_1V2V_2はそれぞれ1組と2組の不偏分散を表す。
問題文より、V1=25V_1 = 25V2=15V_2 = 15なので、
F=2515=531.67F = \frac{25}{15} = \frac{5}{3} \approx 1.67
(3) 棄却域の決定:
* 自由度:n11=261=25n_1 - 1 = 26 - 1 = 25n21=311=30n_2 - 1 = 31 - 1 = 30
* 有意水準:α=0.05\alpha = 0.05
* F分布表から、自由度(25, 30)における上側2.5%点と下側2.5%点を求める。表がない場合は、近似的な値を用いるか、統計ソフト等を使用する。
* F分布は非対称なので、下側2.52.5%点は上側2.52.5%点の逆数で近似する。F0.025(25,30)F_{0.025}(25, 30)の値を表から求め、1/F0.975(30,25)1/F_{0.975}(30, 25)とする。(表の都合で自由度の順番を入れ替える必要があるかもしれません)
* F分布表から、F0.025(25,30)2.25F_{0.025}(25, 30) \approx 2.25 (これは概算であり、正確な表で確認してください。)
* 下側2.52.5%点 1/F0.025(30,25)1/2.280.44\approx 1/F_{0.025}(30, 25) \approx 1/2.28 \approx 0.44 (これも概算です。)
* 棄却域:F<0.44F < 0.44 または F>2.25F > 2.25
(4) 仮説の判定:
* 計算した検定統計量Fの値(1.67)と棄却域を比較する。
* 1.67は棄却域に含まれないため、帰無仮説H0H_0は棄却されない。

3. 最終的な答え

(i) H0:σ12=σ22H_0: \sigma_1^2 = \sigma_2^2 , H1:σ12σ22H_1: \sigma_1^2 \neq \sigma_2^2 [両側]
(ii) 検定統計量:F = 1.67、分布:F分布(25, 30)、上側2.5%点: 2.25 (近似値)
(iii) H0H_0は棄却されない。
## 問2

1. 問題の内容

理系と文系の学部志望の高校生を対象とした数学の試験の結果について、理系(12人、平均点75.4、不偏分散36.2)と文系(10人、平均点65.3、不偏分散91.6)の点数の分散が等しいかどうかを有意水準5%で等分散検定する。ただし、理系、文系の試験の点数はそれぞれ正規分布N(μ1,σ12)N(\mu_1, \sigma_1^2), N(μ2,σ22)N(\mu_2, \sigma_2^2)に従うと仮定する。

2. 解き方の手順

(1) 仮説の設定:
* 帰無仮説 H0H_0:理系と文系の分散は等しい。σ12=σ22\sigma_1^2 = \sigma_2^2
* 対立仮説 H1H_1:理系と文系の分散は等しくない。σ12σ22\sigma_1^2 \neq \sigma_2^2
* 検定の種類:両側検定
(2) 検定統計量の計算:
* F検定を用いる。検定統計量Fは、2つの不偏分散の比で計算される。
F=V1V2F = \frac{V_1}{V_2}
ここで、V1V_1V2V_2はそれぞれ理系と文系の不偏分散を表す。
問題文より、V1=36.2V_1 = 36.2V2=91.6V_2 = 91.6なので、
F=36.291.60.395F = \frac{36.2}{91.6} \approx 0.395
(3) 棄却域の決定:
* 自由度:n11=121=11n_1 - 1 = 12 - 1 = 11n21=101=9n_2 - 1 = 10 - 1 = 9
* 有意水準:α=0.05\alpha = 0.05
* F分布表から、自由度(11, 9)における上側2.5%点と下側2.5%点を求める。表がない場合は、近似的な値を用いるか、統計ソフト等を使用する。
* F分布は非対称なので、下側2.52.5%点は上側2.52.5%点の逆数で近似する。F0.025(11,9)F_{0.025}(11, 9)の値を表から求め、1/F0.975(9,11)1/F_{0.975}(9, 11)とする。(表の都合で自由度の順番を入れ替える必要があるかもしれません)
* F分布表から、F0.025(11,9)3.10F_{0.025}(11, 9) \approx 3.10 (これは概算であり、正確な表で確認してください。)
* 下側2.52.5%点 1/F0.025(9,11)1/3.590.279\approx 1/F_{0.025}(9, 11) \approx 1/3.59 \approx 0.279 (これも概算です。)
* 棄却域:F<0.279F < 0.279 または F>3.10F > 3.10
(4) 仮説の判定:
* 計算した検定統計量Fの値(0.395)と棄却域を比較する。
* 0.395は棄却域に含まれないため、帰無仮説H0H_0は棄却されない。

3. 最終的な答え

(i) H0:σ12=σ22H_0: \sigma_1^2 = \sigma_2^2 , H1:σ12σ22H_1: \sigma_1^2 \neq \sigma_2^2 [両側]
(ii) 検定統計量:F = 0.395、分布:F分布(11, 9)、上側2.5%点: 3.10 (近似値)
(iii) H0H_0は棄却されない。

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