関数 $f(x) = \frac{1}{1+x}$ の $n$ 次導関数 (ただし $n \geq 1$) を求める。

解析学導関数微分数学的帰納法関数の微分
2025/7/1

1. 問題の内容

関数 f(x)=11+xf(x) = \frac{1}{1+x}nn 次導関数 (ただし n1n \geq 1) を求める。

2. 解き方の手順

まず、関数の1次導関数、2次導関数、3次導関数を計算し、規則性を見つける。
f(x)=(1+x)1f(x) = (1+x)^{-1}
1次導関数:
f(x)=1(1+x)2=1(1+x)2f'(x) = -1(1+x)^{-2} = \frac{-1}{(1+x)^2}
2次導関数:
f(x)=1(2)(1+x)3=2(1+x)3=2(1+x)3f''(x) = -1(-2)(1+x)^{-3} = 2(1+x)^{-3} = \frac{2}{(1+x)^3}
3次導関数:
f(x)=2(3)(1+x)4=6(1+x)4=6(1+x)4f'''(x) = 2(-3)(1+x)^{-4} = -6(1+x)^{-4} = \frac{-6}{(1+x)^4}
一般に、n次導関数は次の形で表されると予想される。
f(n)(x)=(1)nn!(1+x)(n+1)=(1)nn!(1+x)n+1f^{(n)}(x) = (-1)^n n! (1+x)^{-(n+1)} = \frac{(-1)^n n!}{(1+x)^{n+1}}
数学的帰納法で証明する。
(1) n=1n=1 のとき、f(x)=1(1+x)2=(1)11!(1+x)1+1f'(x) = \frac{-1}{(1+x)^2} = \frac{(-1)^1 1!}{(1+x)^{1+1}} なので、成り立つ。
(2) n=kn=k のとき、f(k)(x)=(1)kk!(1+x)k+1f^{(k)}(x) = \frac{(-1)^k k!}{(1+x)^{k+1}} が成り立つと仮定する。
(3) n=k+1n=k+1 のとき、
f(k+1)(x)=ddxf(k)(x)=ddx((1)kk!(1+x)k+1)=(1)kk!ddx(1+x)(k+1)f^{(k+1)}(x) = \frac{d}{dx} f^{(k)}(x) = \frac{d}{dx} \left( \frac{(-1)^k k!}{(1+x)^{k+1}} \right) = (-1)^k k! \frac{d}{dx} (1+x)^{-(k+1)}
=(1)kk![(k+1)(1+x)(k+2)]=(1)k+1(k+1)!(1+x)(k+2)=(1)k+1(k+1)!(1+x)(k+1)+1= (-1)^k k! [-(k+1)(1+x)^{-(k+2)}] = (-1)^{k+1} (k+1)! (1+x)^{-(k+2)} = \frac{(-1)^{k+1} (k+1)!}{(1+x)^{(k+1)+1}}
したがって、n=k+1n=k+1 のときも成り立つ。
よって、n1n \geq 1 において、f(n)(x)=(1)nn!(1+x)n+1f^{(n)}(x) = \frac{(-1)^n n!}{(1+x)^{n+1}}

3. 最終的な答え

f(n)(x)=(1)nn!(1+x)n+1f^{(n)}(x) = \frac{(-1)^n n!}{(1+x)^{n+1}}

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