鋭角三角形ABCの外心Oから直線BC, CA, ABに下ろした垂線の足をそれぞれP, Q, Rとする。$\vec{OP} + 2\vec{OQ} + 3\vec{OR} = \vec{0}$が成立しているとき、以下の問いに答えよ。 (1) $5\vec{OA} + 4\vec{OB} + 3\vec{OC} = \vec{0}$ が成り立つことを示せ。 (2) 内積 $\vec{OB} \cdot \vec{OC}$ を求めよ。 (3) $\angle A$ の大きさを求めよ。
2025/7/2
1. 問題の内容
鋭角三角形ABCの外心Oから直線BC, CA, ABに下ろした垂線の足をそれぞれP, Q, Rとする。が成立しているとき、以下の問いに答えよ。
(1) が成り立つことを示せ。
(2) 内積 を求めよ。
(3) の大きさを求めよ。
2. 解き方の手順
(1) をそれぞれ, , を用いて表し、に代入することで、 を導く。
(2) (1)で求めた式を変形してについて解き、両辺の絶対値の二乗を取る。外心の性質よりであることと、 の値を計算することで、を求める。
(3) (1)で求めた式を変形してについて解き、両辺の絶対値の二乗を取る。外心の性質よりであることと、 の値を計算することで、からの値を求める。円周角の定理よりなので、を求める。
(1)
PはBC上の点なので、実数sを用いてと表せる。また、より、である。よって、
外心の性質よりなので、
同様に、QはCA上の点なので、実数tを用いてと表せる。また、より、である。よって、
同様に、RはAB上の点なので、実数uを用いてと表せる。また、より、である。よって、
に代入して、整理すると、
ここで、が一次独立であるとは限らないので、この式からを直接示すことは難しい。
より、
となる。
これより、を計算し、に代入すれば良い。
を変形すると、
Pは直線BC上にあるので、 (sは実数) と表せる。
同様に、Qは直線CA上にあるので、 (tは実数) と表せる。
同様に、Rは直線AB上にあるので、 (uは実数) と表せる。
に代入すると、
より、を代入すると、
とは一次独立であるから、係数は0でなければならない。
(2) より、である。
両辺の絶対値の2乗をとると、
なので、
同様に、
(3) より、
3. 最終的な答え
(1)
(2)
(3)