次の3つの極限を求める問題です。 (1) $\lim_{x \to 0} \frac{x-2}{x^2-x}$ (2) $\lim_{x \to 0} (\frac{1}{2})^{\frac{1}{x}}$ (3) $\lim_{x \to 0} \frac{1}{1+2^{\frac{1}{x}}}$

解析学極限関数の極限片側極限分数関数
2025/7/2

1. 問題の内容

次の3つの極限を求める問題です。
(1) limx0x2x2x\lim_{x \to 0} \frac{x-2}{x^2-x}
(2) limx0(12)1x\lim_{x \to 0} (\frac{1}{2})^{\frac{1}{x}}
(3) limx011+21x\lim_{x \to 0} \frac{1}{1+2^{\frac{1}{x}}}

2. 解き方の手順

(1) limx0x2x2x\lim_{x \to 0} \frac{x-2}{x^2-x}
まず、分母を因数分解します。
limx0x2x(x1)\lim_{x \to 0} \frac{x-2}{x(x-1)}
x0x \to 0 のとき、分子は x22x-2 \to -2 となり、分母は x(x1)0x(x-1) \to 0 となります。
xx が0に近づくとき、 x(x1)x(x-1) は0に近づきます。
xx が正の方向から0に近づくとき、x>0x>0 かつ (x1)<0(x-1) < 0 であるため、x(x1)x(x-1) は負の方向から0に近づきます。
したがって、limx+0x2x(x1)=\lim_{x \to +0} \frac{x-2}{x(x-1)} = \infty となります。
xx が負の方向から0に近づくとき、x<0x<0 かつ (x1)<0(x-1) < 0 であるため、x(x1)x(x-1) は正の方向から0に近づきます。
したがって、limx0x2x(x1)=\lim_{x \to -0} \frac{x-2}{x(x-1)} = -\infty となります。
左右の極限が異なるので、極限は存在しません。
(2) limx0(12)1x\lim_{x \to 0} (\frac{1}{2})^{\frac{1}{x}}
t=1xt = \frac{1}{x} と置くと、x+0x \to +0 のとき tt \to \inftyx0x \to -0 のとき tt \to -\infty となります。
limx+0(12)1x=limt(12)t=0\lim_{x \to +0} (\frac{1}{2})^{\frac{1}{x}} = \lim_{t \to \infty} (\frac{1}{2})^t = 0
limx0(12)1x=limt(12)t=\lim_{x \to -0} (\frac{1}{2})^{\frac{1}{x}} = \lim_{t \to -\infty} (\frac{1}{2})^t = \infty
左右の極限が異なるので、極限は存在しません。
(3) limx011+21x\lim_{x \to 0} \frac{1}{1+2^{\frac{1}{x}}}
t=1xt = \frac{1}{x} と置くと、x+0x \to +0 のとき tt \to \inftyx0x \to -0 のとき tt \to -\infty となります。
limx+011+21x=limt11+2t=11+=0\lim_{x \to +0} \frac{1}{1+2^{\frac{1}{x}}} = \lim_{t \to \infty} \frac{1}{1+2^t} = \frac{1}{1+\infty} = 0
limx011+21x=limt11+2t=11+0=1\lim_{x \to -0} \frac{1}{1+2^{\frac{1}{x}}} = \lim_{t \to -\infty} \frac{1}{1+2^t} = \frac{1}{1+0} = 1
左右の極限が異なるので、極限は存在しません。

3. 最終的な答え

(1) 極限は存在しない
(2) 極限は存在しない
(3) 極限は存在しない

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