$f(x)$ はすべての実数上で連続な関数であり、次の2つの条件を満たす。 (a) すべての $x, y \in \mathbb{R}$ について $f(x+y) = f(x) + f(y)$ (b) $f(1) = 1$ このとき、$f(x) = x$ であることを証明する。

解析学関数連続性関数の性質数学的帰納法実数有理数極限
2025/7/2

1. 問題の内容

f(x)f(x) はすべての実数上で連続な関数であり、次の2つの条件を満たす。
(a) すべての x,yRx, y \in \mathbb{R} について f(x+y)=f(x)+f(y)f(x+y) = f(x) + f(y)
(b) f(1)=1f(1) = 1
このとき、f(x)=xf(x) = x であることを証明する。

2. 解き方の手順

(i) まず、整数 nn に対して f(n)=nf(n) = n であることを示す。
条件(a)において x=1,y=1x=1, y=1 とすると f(2)=f(1+1)=f(1)+f(1)=1+1=2f(2) = f(1+1) = f(1) + f(1) = 1+1 = 2 となる。
同様に、f(3)=f(2+1)=f(2)+f(1)=2+1=3f(3) = f(2+1) = f(2) + f(1) = 2 + 1 = 3 となる。
数学的帰納法により、任意の自然数 nn に対して f(n)=nf(n) = n であることが示せる。
次に、f(0)=f(0+0)=f(0)+f(0)f(0) = f(0+0) = f(0) + f(0) より f(0)=0f(0) = 0 となる。
また、0=f(0)=f(n+(n))=f(n)+f(n)0 = f(0) = f(n + (-n)) = f(n) + f(-n) より、f(n)=f(n)=nf(-n) = -f(n) = -n となる。
したがって、任意の整数 nn に対して f(n)=nf(n) = n が成り立つ。
(ii) 次に、有理数 qq に対して f(q)=qf(q) = q であることを示す。
任意の整数 nn に対して f(n)=nf(n) = n が成り立つことを用いる。
任意の整数 m0m \neq 0 について、
f(1)=f(1m+1m+...+1m)=f(1m)+f(1m)+...+f(1m)=mf(1m)f(1) = f(\frac{1}{m} + \frac{1}{m} + ... + \frac{1}{m}) = f(\frac{1}{m}) + f(\frac{1}{m}) + ... + f(\frac{1}{m}) = m f(\frac{1}{m})
したがって、f(1m)=1mf(1)=1mf(\frac{1}{m}) = \frac{1}{m} f(1) = \frac{1}{m} となる。
任意の有理数 q=nmq = \frac{n}{m}n,mn, m は整数、m0m \neq 0)に対して、
f(nm)=f(n1m)=nf(1m)=n1m=nmf(\frac{n}{m}) = f(n \cdot \frac{1}{m}) = n f(\frac{1}{m}) = n \cdot \frac{1}{m} = \frac{n}{m} となる。
したがって、任意の有理数 qq に対して f(q)=qf(q) = q が成り立つ。
(iii) 最後に、f(x)f(x) が連続であることから、任意の実数 xx に対して f(x)=xf(x) = x であることを示す。
f(x)f(x) が連続であるから、任意の実数 xx に対して、有理数列 {qn}\{q_n\}xx に収束するとき、
f(x)=f(limnqn)=limnf(qn)=limnqn=xf(x) = f(\lim_{n \to \infty} q_n) = \lim_{n \to \infty} f(q_n) = \lim_{n \to \infty} q_n = x となる。
したがって、任意の実数 xx に対して f(x)=xf(x) = x が成り立つ。

3. 最終的な答え

f(x)=xf(x) = x

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