与えられた2次方程式 $x^2 - 4x - 2 = 0$ の2つの解を $a, b$ ($a < b$) とする。 (1) $a, b$ の値をそれぞれ求めよ。 (2) $a^2 + b^2$, $\frac{a}{b} + \frac{b}{a}$ の値をそれぞれ求めよ。 (3) 不等式 $|x - \frac{a}{b}| \le |\frac{b}{a}|$ を解け。また、不等式(1)と $k \le x \le k + 3$ をともに満たす整数 $x$ がちょうど2個存在するような定数 $k$ の値の範囲を求めよ。

はい、承知いたしました。問題文を読み解き、丁寧に解答を作成します。

1. 問題の内容

与えられた2次方程式 $x^2 - 4x - 2 = 0$ の2つの解を $a, b$ ($a < b$) とする。

(1) $a, b$ の値をそれぞれ求めよ。

(2) $a^2 + b^2$, $\frac{a}{b} + \frac{b}{a}$ の値をそれぞれ求めよ。

(3) 不等式 $|x - \frac{a}{b}| \le |\frac{b}{a}|$ を解け。また、不等式(1)と $k \le x \le k + 3$ をともに満たす整数 $x$ がちょうど2個存在するような定数 $k$ の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 2次方程式 $x^2 - 4x - 2 = 0$ の解を求める。解の公式を用いる。

$x = \frac{-(-4) \pm \sqrt{(-4)^2 - 4(1)(-2)}}{2(1)} = \frac{4 \pm \sqrt{16 + 8}}{2} = \frac{4 \pm \sqrt{24}}{2} = \frac{4 \pm 2\sqrt{6}}{2} = 2 \pm \sqrt{6}$

$a < b$ より、$a = 2 - \sqrt{6}, b = 2 + \sqrt{6}$

(2) $a^2 + b^2$ を計算する。

$a^2 + b^2 = (2 - \sqrt{6})^2 + (2 + \sqrt{6})^2 = (4 - 4\sqrt{6} + 6) + (4 + 4\sqrt{6} + 6) = 10 - 4\sqrt{6} + 10 + 4\sqrt{6} = 20$

$\frac{a}{b} + \frac{b}{a}$ を計算する。

$\frac{a}{b} + \frac{b}{a} = \frac{a^2 + b^2}{ab} = \frac{20}{(2 - \sqrt{6})(2 + \sqrt{6})} = \frac{20}{4 - 6} = \frac{20}{-2} = -10$

(3) 不等式 $|x - \frac{a}{b}| \le |\frac{b}{a}|$ を解く。

$|\frac{b}{a}| = | \frac{1}{\frac{a}{b}} |$. ここで、 $\frac{a}{b} = \frac{2-\sqrt{6}}{2+\sqrt{6}} = \frac{(2-\sqrt{6})^2}{(2+\sqrt{6})(2-\sqrt{6})} = \frac{4-4\sqrt{6}+6}{4-6} = \frac{10-4\sqrt{6}}{-2} = -5+2\sqrt{6}$.

したがって、 $|\frac{b}{a}| = |- \frac{1}{5-2\sqrt{6}}| = |\frac{1}{5-2\sqrt{6}}|=|\frac{5+2\sqrt{6}}{25-24}|=5+2\sqrt{6}$.

不等式は $|x - ( -5+2\sqrt{6}) | \le 5+2\sqrt{6}$, つまり $|x+5-2\sqrt{6}|\le 5+2\sqrt{6}$.

$-5-2\sqrt{6} \le x+5-2\sqrt{6} \le 5+2\sqrt{6}$

$-5-2\sqrt{6} -5+2\sqrt{6} \le x \le 5+2\sqrt{6}-5+2\sqrt{6}$

$-10 \le x \le 4\sqrt{6}$.

$4\sqrt{6} = \sqrt{16\times 6}=\sqrt{96} \approx 9.8$

$k \le x \le k+3$ を満たす整数$x$がちょうど2個存在する場合を考える。$-10 \le x \le 4\sqrt{6}$より、

$x$ は整数なので $-10, -9, \dots, 9$ のいずれかである。

$k \le x \le k+3$ は幅3の区間である。この区間に整数が2個だけ含まれるように $k$ を調整する。

整数が2個だけ存在するということは、$k \le x \le k+3$が$-10 \le x \le 9$に含まれる2個の整数を含むことになる。

$k \le x \le k+3$ の範囲の幅が3なので、この範囲に3個の整数が含まれる場合もある。例えば、 $k=0$ の場合、$0 \le x \le 3$ より整数 $0, 1, 2, 3$ が含まれるため4個になってしまう。

$k$ が整数でない場合も考慮すると、$k \le n, n+1 < k+3$ (n, n+1は整数)を満たす必要がある。

$k \le -10$ なら $k \le x \le k+3$ には$-10$未満の整数しか含まれないので、条件を満たさない。$k+3 < -10$のとき、つまり$k<-13$のとき、条件を満たさない。

$k>6$のとき、$x=7,8$のみがこの区間に含まれるような $k$ の範囲を求める。

$k \le 7$ かつ $k+3>8$ より、 $5 < k \le 7$.

$k \le 8$ かつ $k+3>9$ より、$6 < k \le 8$

$k \le 9$ かつ $k+3>10$より、$7<k \le 9$.

$k>6, k \le 9, k+3 > 9$ より、$6 < k \le 9$。この区間には整数$7, 8, 9$が入るので、整数が3個となってしまう。

区間幅が3なので、端の整数が片方だけ含まれる場合を考える。

$k \le x < k+1, x+1 \le k+3$

$k \le x < k+1$, 整数が2個の場合には $k+1 <= x+2 < k+3$, かつ $x+2 <= 4\sqrt{6}$を満たす必要がある。

$k+3 \le -9$ つまり $k \le -12$. $x$は存在しない。

$-10 < k \le -9$のとき、$k \le -9$ならば、$k \le x \le k+3$には$-9$と$-10$が含まれる。

$k+3 < -8$ であれば、$k < -11$となり、$-9$は含まれない。したがって、$k$ は $-12 \le k < -11$ の範囲に含まれる必要がある。

$6 < 4\sqrt{6}< 10$ なので、 $4\sqrt{6}$ の整数部分と小数部分を用いて場合分けする必要がある。

3. 最終的な答え

(1) $a = 2 - \sqrt{6}, b = 2 + \sqrt{6}$

(2) $a^2 + b^2 = 20$, $\frac{a}{b} + \frac{b}{a} = -10$

(3) $-12 \le k < -11$