あるメーカーの工場で直径5cmの製品を製造しており、標準偏差は0.5cmである。25個の標本を抽出したところ、平均が4.8cmであった。直径が5cmを明らかに下回っていると判断できるかを有意水準5%と1%で検定する。

確率論・統計学統計的検定仮説検定母平均z検定片側検定有意水準標準偏差
2025/7/3

1. 問題の内容

あるメーカーの工場で直径5cmの製品を製造しており、標準偏差は0.5cmである。25個の標本を抽出したところ、平均が4.8cmであった。直径が5cmを明らかに下回っていると判断できるかを有意水準5%と1%で検定する。

2. 解き方の手順

(1) 帰無仮説と対立仮説を設定する。
帰無仮説 H0H_0 は、母平均 μ\mu が 5cm であるという仮説です。
H0:μ=5H_0: \mu = 5
対立仮説 H1H_1 は、母平均 μ\mu が 5cm より小さいという仮説です。(片側検定)
H1:μ<5H_1: \mu < 5
(2) 検定統計量を計算する。
検定統計量 ZZ は以下の式で計算される。
Z=xˉμ0σ/nZ = \frac{\bar{x} - \mu_0}{\sigma / \sqrt{n}}
ここで、
xˉ\bar{x}: 標本平均 = 4.8cm
μ0\mu_0: 帰無仮説における母平均 = 5cm
σ\sigma: 母標準偏差 = 0.5cm
nn: 標本サイズ = 25
したがって、
Z=4.850.5/25=0.20.5/5=0.20.1=2Z = \frac{4.8 - 5}{0.5 / \sqrt{25}} = \frac{-0.2}{0.5 / 5} = \frac{-0.2}{0.1} = -2
(3) 棄却域の境界値を求める。
有意水準5%の場合、zα=z0.05=1.645z_{\alpha} = z_{0.05} = -1.645
有意水準1%の場合、zα=z0.01=2.33z_{\alpha} = z_{0.01} = -2.33
(4) 検定統計量と棄却域の境界値を比較して、帰無仮説を棄却するかどうかを判断する。
* 有意水準5%の場合:
Z=2<1.645Z = -2 < -1.645 であるため、帰無仮説を棄却する。
* 有意水準1%の場合:
Z=2>2.33Z = -2 > -2.33 であるため、帰無仮説を棄却しない。

3. 最終的な答え

帰無仮説H0:μ = 5
対立仮説H1:μ < 5
検定統計量: Z = -2
棄却域の境界値
(1) z = -1.645 (有意水準5%の場合)
(2) z = -2.33 (有意水準1%の場合)
判定
(1) 有意水準5%の場合:帰無仮説を棄却する。したがって、直径は5cmを下回っていると判断できる。
(2) 有意水準1%の場合:帰無仮説を棄却しない。したがって、直径は5cmを下回っているとは判断できない。

「確率論・統計学」の関連問題

10本のくじの中に当たりくじが2本ある。A, B, Cの3人がこの順番に1本ずつくじを引く。引いたくじは元に戻さないとき、当たりくじを引く確率が最も高いのは誰かを求める。

確率条件付き確率くじ引き
2025/7/3

1つのサイコロを3回続けて投げるとき、以下の確率を求めます。 (1) 1回目に素数の目、2回目に6の約数の目、3回目に2以下の目が出る確率 (2) 3回目に初めて2以下の目が出る確率 (3) 2以下の...

確率サイコロ独立試行組み合わせ
2025/7/3

Aさんが試験に合格する確率が $\frac{2}{3}$、Bさんが試験に合格する確率が $\frac{3}{4}$ であるとき、Aさんが合格し、Bさんが不合格となる確率を求める問題です。

確率事象独立事象確率の乗法定理
2025/7/3

1個のサイコロを投げたとき、5以下の目が出る確率を求めよ。

確率サイコロ事象
2025/7/3

製品の質 $x$ (0から100の段階評価) とマーケットシェア $y$ (パーセント表示) のデータが与えられています。 1. 回帰分析を行い、製品の質とマーケットシェアの関係を表す回帰式を求めます...

回帰分析決定係数統計
2025/7/3

4人でじゃんけんをしたときの確率に関する問題です。 (1) 4人の手の出し方の総数を求めます。 (2) あいこになるパターン数を求めます。 (3) あいこになる確率を求めます。

確率じゃんけん組み合わせ場合の数
2025/7/3

赤球2個、白球3個、青球4個が入った袋から、球を3個同時に取り出すとき、球の色が少なくとも2種類である確率を求める。

確率組み合わせ事象
2025/7/3

3個のサイコロを同時に投げるとき、少なくとも2個の目が同じである確率を求める問題です。

確率サイコロ余事象組み合わせ
2025/7/3

大小2つのサイコロを同時に投げるとき、少なくとも一方の目が4以下となる確率を求める問題です。

確率サイコロ余事象
2025/7/3

男子6名、女子8名が所属するクラブから、委員を3名選ぶとき、少なくとも1名の女子を選ぶ確率を求めます。

確率組み合わせ事象
2025/7/3