関数 $f(x) = e^{-x}\sin{x}$ (ただし、$x>0$) について、以下の問いに答える問題です。 (1) $f(x)$ の最大値と最小値、およびそのときの $x$ の値を求める。 (2) 方程式 $f(x) = a$ が異なる正の実数解を2個持つとき、$a$ の値の範囲を求める。ただし、$a > 0$ とする。

解析学関数の最大最小微分三角関数指数関数方程式の解
2025/7/3

1. 問題の内容

関数 f(x)=exsinxf(x) = e^{-x}\sin{x} (ただし、x>0x>0) について、以下の問いに答える問題です。
(1) f(x)f(x) の最大値と最小値、およびそのときの xx の値を求める。
(2) 方程式 f(x)=af(x) = a が異なる正の実数解を2個持つとき、aa の値の範囲を求める。ただし、a>0a > 0 とする。

2. 解き方の手順

(1) f(x)f(x) の最大値と最小値を求めるために、f(x)f'(x) を計算します。
f(x)=exsinx+excosx=ex(cosxsinx)f'(x) = -e^{-x}\sin{x} + e^{-x}\cos{x} = e^{-x}(\cos{x} - \sin{x})
f(x)=0f'(x) = 0 となる xx を求めます。
cosxsinx=0\cos{x} - \sin{x} = 0
cosx=sinx\cos{x} = \sin{x}
tanx=1\tan{x} = 1
x=π4+nπx = \frac{\pi}{4} + n\pi (n は整数)
x>0x>0 より、x=π4,5π4,9π4,x = \frac{\pi}{4}, \frac{5\pi}{4}, \frac{9\pi}{4}, \dots
次に、f(x)f''(x) を計算して、極大値、極小値を判定します。
f(x)=ex(cosxsinx)+ex(sinxcosx)=ex(cosx+sinxsinxcosx)=2excosxf''(x) = -e^{-x}(\cos{x}-\sin{x}) + e^{-x}(-\sin{x}-\cos{x}) = e^{-x}(-\cos{x}+\sin{x}-\sin{x}-\cos{x}) = -2e^{-x}\cos{x}
x=π4+2nπx = \frac{\pi}{4} + 2n\pi (n は整数)のとき、f(π4+2nπ)=2e(π4+2nπ)cos(π4+2nπ)=2e(π4+2nπ)22=2e(π4+2nπ)<0f''(\frac{\pi}{4} + 2n\pi) = -2e^{-(\frac{\pi}{4} + 2n\pi)}\cos{(\frac{\pi}{4} + 2n\pi)} = -2e^{-(\frac{\pi}{4} + 2n\pi)}\frac{\sqrt{2}}{2} = -\sqrt{2}e^{-(\frac{\pi}{4} + 2n\pi)} < 0
よって、x=π4+2nπx = \frac{\pi}{4} + 2n\pi で極大値をとります。
x=5π4+2nπx = \frac{5\pi}{4} + 2n\pi (n は整数)のとき、f(5π4+2nπ)=2e(5π4+2nπ)cos(5π4+2nπ)=2e(5π4+2nπ)(22)=2e(5π4+2nπ)>0f''(\frac{5\pi}{4} + 2n\pi) = -2e^{-(\frac{5\pi}{4} + 2n\pi)}\cos{(\frac{5\pi}{4} + 2n\pi)} = -2e^{-(\frac{5\pi}{4} + 2n\pi)}(-\frac{\sqrt{2}}{2}) = \sqrt{2}e^{-(\frac{5\pi}{4} + 2n\pi)} > 0
よって、x=5π4+2nπx = \frac{5\pi}{4} + 2n\pi で極小値をとります。
極大値は f(π4+2nπ)=e(π4+2nπ)sin(π4+2nπ)=e(π4+2nπ)22f(\frac{\pi}{4} + 2n\pi) = e^{-(\frac{\pi}{4} + 2n\pi)}\sin{(\frac{\pi}{4} + 2n\pi)} = e^{-(\frac{\pi}{4} + 2n\pi)}\frac{\sqrt{2}}{2}
極小値は f(5π4+2nπ)=e(5π4+2nπ)sin(5π4+2nπ)=e(5π4+2nπ)(22)=e(5π4+2nπ)22f(\frac{5\pi}{4} + 2n\pi) = e^{-(\frac{5\pi}{4} + 2n\pi)}\sin{(\frac{5\pi}{4} + 2n\pi)} = e^{-(\frac{5\pi}{4} + 2n\pi)}(-\frac{\sqrt{2}}{2}) = -e^{-(\frac{5\pi}{4} + 2n\pi)}\frac{\sqrt{2}}{2}
x>0x>0 において、xx が大きくなるにつれて exe^{-x} は小さくなるので、
最大値は n=0n=0 のときの 22eπ4\frac{\sqrt{2}}{2}e^{-\frac{\pi}{4}}
最小値は存在しません(0に近づきます)。
(2) f(x)=af(x) = a が異なる正の実数解を2個持つ条件を考える。
x>0x>0 であり、f(x)f(x) は減衰振動をする関数である。
f(x)=exsinxf(x) = e^{-x}\sin{x}
f(x)f(x) の最大値は f(π4)=22eπ4f(\frac{\pi}{4}) = \frac{\sqrt{2}}{2}e^{-\frac{\pi}{4}}
x=πx=\pi のとき、f(π)=eπsinπ=0f(\pi) = e^{-\pi}\sin{\pi} = 0
x=2πx=2\pi のとき、f(2π)=e2πsin2π=0f(2\pi) = e^{-2\pi}\sin{2\pi} = 0
最大値 f(π4)=22eπ4f(\frac{\pi}{4}) = \frac{\sqrt{2}}{2}e^{-\frac{\pi}{4}} より 0<a<22eπ40 < a < \frac{\sqrt{2}}{2}e^{-\frac{\pi}{4}}
x=54πx = \frac{5}{4}\pi は極小値であり、f(54π)=22e54πf(\frac{5}{4}\pi) = -\frac{\sqrt{2}}{2}e^{-\frac{5}{4}\pi} であるが、a>0a>0 であるため、極小値以下は考慮しない。
f(x)f(x)は、x>0x>0 で連続な関数であり、xx \rightarrow \inftyf(x)0f(x) \rightarrow 0 である。
したがって、0<a<22eπ40 < a < \frac{\sqrt{2}}{2}e^{-\frac{\pi}{4}} であることが必要十分条件である。

3. 最終的な答え

(1) 最大値: 22eπ4\frac{\sqrt{2}}{2}e^{-\frac{\pi}{4}}, x=π4x = \frac{\pi}{4}
最小値: なし
(2) 0<a<22eπ40 < a < \frac{\sqrt{2}}{2}e^{-\frac{\pi}{4}}

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