半径1の円柱を、底面の直径を含み底面と角度$\alpha$ $(0 < \alpha < \frac{\pi}{2})$ をなす平面で切断したときにできる小さい方の立体を考える。ただし、円柱の高さは $\tan \alpha$ 以上であるとする。このとき、 (1) この立体の体積 $V$ を求めよ。 (2) 切り口の面積 $A$ を求めよ。

解析学積分体積面積円柱三角関数
2025/7/3

1. 問題の内容

半径1の円柱を、底面の直径を含み底面と角度α\alpha (0<α<π2)(0 < \alpha < \frac{\pi}{2}) をなす平面で切断したときにできる小さい方の立体を考える。ただし、円柱の高さは tanα\tan \alpha 以上であるとする。このとき、
(1) この立体の体積 VV を求めよ。
(2) 切り口の面積 AA を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 体積 VV を求める。
立体を底面に垂直な平面で分割することを考える。底面上の座標 (x,y)(x, y) における高さ zz は、切断面の傾きが α\alpha であることから、z=(1x)tanαz = (1-x) \tan \alpha となる。立体を xx 軸に垂直な平面でスライスすると、各スライスの面積は、底辺が 21x22\sqrt{1-x^2} で高さが (1x)tanα(1-x) \tan \alpha の長方形の面積に等しい。したがって、各スライスの面積は 21x2(1x)tanα2\sqrt{1-x^2}(1-x)\tan \alpha である。
体積 VV は、この面積を xx について 1-1 から 11 まで積分することで得られる。
V=1121x2(1x)tanαdx=2tanα111x2dx2tanα11x1x2dxV = \int_{-1}^{1} 2 \sqrt{1-x^2} (1-x) \tan \alpha \, dx = 2 \tan \alpha \int_{-1}^{1} \sqrt{1-x^2} dx - 2 \tan \alpha \int_{-1}^{1} x \sqrt{1-x^2} dx
ここで、111x2dx\int_{-1}^{1} \sqrt{1-x^2} dx は半径1の半円の面積なので、π2\frac{\pi}{2} である。また、11x1x2dx\int_{-1}^{1} x \sqrt{1-x^2} dx は奇関数の積分なので、0 である。
したがって、V=2tanαπ22tanα0=πtanαV = 2 \tan \alpha \cdot \frac{\pi}{2} - 2 \tan \alpha \cdot 0 = \pi \tan \alpha
(2) 切り口の面積 AA を求める。
切り口は楕円の一部である。円柱の半径が1なので、楕円の半短軸の長さは1である。また、底面と切り口のなす角が α\alpha であることから、楕円の半長軸の長さは 1cosα\frac{1}{\cos \alpha} となる。
楕円の面積は πab\pi a b で与えられる。ここで、aa は半長軸の長さ、bb は半短軸の長さである。したがって、
A=π11cosα=πcosαA = \pi \cdot 1 \cdot \frac{1}{\cos \alpha} = \frac{\pi}{\cos \alpha}

3. 最終的な答え

(1) 体積 V=πtanαV = \pi \tan \alpha
(2) 切り口の面積 A=πcosαA = \frac{\pi}{\cos \alpha}

「解析学」の関連問題

$z = f(x, y)$ を全微分可能な関数とし、$x = u \cos\alpha + v \sin\alpha$, $y = -u \sin\alpha + v \cos\alpha$ ($\a...

偏微分合成関数の微分全微分変数変換
2025/7/3

$0 \le x < 2\pi$ のとき、次の方程式と不等式を解く。 (1) $2\cos{2x} + 4\cos{x} - 1 = 0$ (2) $\cos{x} < \sqrt{3}\sin{x}...

三角関数方程式不等式三角関数の合成解の範囲
2025/7/3

与えられた二つの関数をフーリエ級数展開する問題です。それぞれの関数は周期関数とします。 (1) $f(x) = 2x - 1 \quad (-\pi \le x < \pi)$ (2) $f(x) =...

フーリエ級数周期関数積分
2025/7/3

0 <= θ < 2πの範囲で、以下の三角関数に関する方程式または不等式を解く問題です。 (2) $2\cos\theta + \sqrt{2} > 0$ (5) $\cos(2\theta - \f...

三角関数三角不等式三角方程式cos
2025/7/3

問題1: 放物線 $y = -2x^2 + 4x$ 上の $x=2$ の点における接線の傾きを求めよ。 問題2: 放物線 $y = x^2 - 5x$ 上の点 $(1, -4)$ における接線の方程式...

微分接線導関数放物線
2025/7/3

放物線 $y = x^2 - 5x$ 上の点 $(1, -4)$ における接線の方程式を求める問題です。

接線微分放物線導関数
2025/7/3

放物線 $y = -2x^2 + 4x$ 上の、指定された $x$ 座標を持つ点における接線の傾きを求める問題です。 (1) $x = 2$ の点 (2) $x = -2$ の点

微分接線導関数放物線
2025/7/3

放物線 $y = -2x^2 + 4x$ 上の、指定された $x$ 座標における接線の傾きを求める問題です。 (1) $x=2$ の点における接線の傾き (2) $x=-2$ の点における接線の傾き

微分導関数接線放物線
2025/7/3

関数 $f(x) = \int_1^x (t^2 - 3t + 2) dt$ が与えられている。$f(x)$ が極大値をとる $x$ の値と、その極大値を求めよ。

積分微分極値関数の増減
2025/7/3

与えられた関数を微分する問題です。

微分導関数多項式関数
2025/7/3