平均値の定理を満たす $c$ の値を、与えられた関数と区間に対して求める。平均値の定理は、関数 $f(x)$ が閉区間 $[a, b]$ で連続で、開区間 $(a, b)$ で微分可能ならば、 $\frac{f(b) - f(a)}{b - a} = f'(c), \quad a < c < b$ を満たす実数 $c$ が存在するという定理である。問題では、以下の2つの関数と区間に対して、$c$ の値を求める。 (1) $f(x) = x^3 - 3x^2$, 区間 $[-2, 1]$ (2) $f(x) = e^x$, 区間 $[0, 1]$

1. 問題の内容

平均値の定理を満たす $c$ の値を、与えられた関数と区間に対して求める。平均値の定理は、関数 $f(x)$ が閉区間 $[a, b]$ で連続で、開区間 $(a, b)$ で微分可能ならば、

$\frac{f(b) - f(a)}{b - a} = f'(c), \quad a < c < b$

を満たす実数 $c$ が存在するという定理である。問題では、以下の2つの関数と区間に対して、$c$ の値を求める。

(1) $f(x) = x^3 - 3x^2$, 区間 $[-2, 1]$

(2) $f(x) = e^x$, 区間 $[0, 1]$

2. 解き方の手順

(1) $f(x) = x^3 - 3x^2$, 区間 $[-2, 1]$ の場合

- $a = -2, b = 1$ である。

- $f(1) = 1^3 - 3(1^2) = 1 - 3 = -2$

- $f(-2) = (-2)^3 - 3(-2)^2 = -8 - 12 = -20$

- $\frac{f(1) - f(-2)}{1 - (-2)} = \frac{-2 - (-20)}{1 + 2} = \frac{18}{3} = 6$

- $f'(x) = 3x^2 - 6x$

- $f'(c) = 3c^2 - 6c$

- $f'(c) = \frac{f(b) - f(a)}{b - a}$ より、$3c^2 - 6c = 6$

- $3c^2 - 6c - 6 = 0$

- $c^2 - 2c - 2 = 0$

- $c = \frac{-(-2) \pm \sqrt{(-2)^2 - 4(1)(-2)}}{2(1)} = \frac{2 \pm \sqrt{4 + 8}}{2} = \frac{2 \pm \sqrt{12}}{2} = \frac{2 \pm 2\sqrt{3}}{2} = 1 \pm \sqrt{3}$

- $a < c < b$ より、$-2 < c < 1$ なので、$c = 1 - \sqrt{3}$ ($\sqrt{3} \approx 1.732$ なので、$c \approx -0.732$)

(2) $f(x) = e^x$, 区間 $[0, 1]$ の場合

- $a = 0, b = 1$ である。

- $f(1) = e^1 = e$

- $f(0) = e^0 = 1$

- $\frac{f(1) - f(0)}{1 - 0} = \frac{e - 1}{1} = e - 1$

- $f'(x) = e^x$

- $f'(c) = e^c$

- $f'(c) = \frac{f(b) - f(a)}{b - a}$ より、$e^c = e - 1$

- $c = \ln(e - 1)$

- $a < c < b$ より、$0 < c < 1$ なので、確認する。$e \approx 2.718$ なので、$e - 1 \approx 1.718$。$e^0 = 1$ で $e^1 = e \approx 2.718$ なので、$0 < \ln(e-1) < 1$。

3. 最終的な答え

(1) $c = 1 - \sqrt{3}$

(2) $c = \ln(e - 1)$