高さ $h$ における断面積が $h^2/2$ の三角形になっている三角錐型の容器に、一定の割合 $a$ で注水する。高さ $h=3$ のときの液面の上昇速度は、高さ $h=1$ のときの液面の上昇速度の何倍か求める問題。

解析学積分微分連鎖律体積液面の上昇速度
2025/7/3

1. 問題の内容

高さ hh における断面積が h2/2h^2/2 の三角形になっている三角錐型の容器に、一定の割合 aa で注水する。高さ h=3h=3 のときの液面の上昇速度は、高さ h=1h=1 のときの液面の上昇速度の何倍か求める問題。

2. 解き方の手順

まず、液体の体積 VV を高さ hh の関数として表します。断面積が h2/2h^2/2 なので、高さ hh までの体積は積分で求めることができます。
V=0hx22dx=h36V = \int_0^h \frac{x^2}{2} dx = \frac{h^3}{6}
次に、体積の増加速度 dVdt\frac{dV}{dt} が一定の値 aa であることを利用します。
dVdt=a\frac{dV}{dt} = a
ここで、VVhh の関数で表しているので、連鎖律(チェインルール)を使って dVdt\frac{dV}{dt}dhdt\frac{dh}{dt} で表します。
dVdt=dVdhdhdt\frac{dV}{dt} = \frac{dV}{dh} \cdot \frac{dh}{dt}
dVdh=ddh(h36)=h22\frac{dV}{dh} = \frac{d}{dh} (\frac{h^3}{6}) = \frac{h^2}{2}
したがって、
dVdt=h22dhdt=a\frac{dV}{dt} = \frac{h^2}{2} \cdot \frac{dh}{dt} = a
これより、dhdt\frac{dh}{dt} (液面の上昇速度)は、
dhdt=2ah2\frac{dh}{dt} = \frac{2a}{h^2}
高さ h=3h=3 のときの液面の上昇速度を (dhdt)h=3(\frac{dh}{dt})_{h=3}、高さ h=1h=1 のときの液面の上昇速度を (dhdt)h=1(\frac{dh}{dt})_{h=1} とすると、
(dhdt)h=3=2a32=2a9(\frac{dh}{dt})_{h=3} = \frac{2a}{3^2} = \frac{2a}{9}
(dhdt)h=1=2a12=2a(\frac{dh}{dt})_{h=1} = \frac{2a}{1^2} = 2a
求める倍率は、(dhdt)h=3(dhdt)h=1\frac{(\frac{dh}{dt})_{h=3}}{(\frac{dh}{dt})_{h=1}} なので、
(dhdt)h=3(dhdt)h=1=2a92a=19\frac{(\frac{dh}{dt})_{h=3}}{(\frac{dh}{dt})_{h=1}} = \frac{\frac{2a}{9}}{2a} = \frac{1}{9}

3. 最終的な答え

1/9

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