袋Aには赤球2個と白球1個が入っており、袋Bには赤球1個と白球3個が入っている。袋Aから1個の球を取り出して袋Bに入れ、よく混ぜた後、袋Bから1個の球を取り出して袋Aに入れる。このとき、以下の確率を求めよ。 (1) 袋Aの赤球の数が変わる確率 (2) 袋Aの赤球が袋Bの赤球より多くなる確率

確率論・統計学確率条件付き確率事象期待値
2025/7/3

1. 問題の内容

袋Aには赤球2個と白球1個が入っており、袋Bには赤球1個と白球3個が入っている。袋Aから1個の球を取り出して袋Bに入れ、よく混ぜた後、袋Bから1個の球を取り出して袋Aに入れる。このとき、以下の確率を求めよ。
(1) 袋Aの赤球の数が変わる確率
(2) 袋Aの赤球が袋Bの赤球より多くなる確率

2. 解き方の手順

(1) 袋Aの赤球の数が変わる確率
袋Aの赤球の数が変わるのは、
(i) 袋Aから赤球を取り出し、袋Bから白球を取り出す場合
(ii) 袋Aから白球を取り出し、袋Bから赤球を取り出す場合
のいずれかである。
(i) 袋Aから赤球を取り出し、袋Bから白球を取り出す場合
袋Aから赤球を取り出す確率は 23\frac{2}{3}
袋Aから赤球を取り出した後の袋Bには、赤球1個、白球4個が入っている。
このとき、袋Bから白球を取り出す確率は 45\frac{4}{5}
よって、この場合の確率は
23×45=815\frac{2}{3} \times \frac{4}{5} = \frac{8}{15}
(ii) 袋Aから白球を取り出し、袋Bから赤球を取り出す場合
袋Aから白球を取り出す確率は 13\frac{1}{3}
袋Aから白球を取り出した後の袋Bには、赤球2個、白球3個が入っている。
このとき、袋Bから赤球を取り出す確率は 25\frac{2}{5}
よって、この場合の確率は
13×25=215\frac{1}{3} \times \frac{2}{5} = \frac{2}{15}
したがって、袋Aの赤球の数が変わる確率は、
815+215=1015=23\frac{8}{15} + \frac{2}{15} = \frac{10}{15} = \frac{2}{3}
(2) 袋Aの赤球が袋Bの赤球より多くなる確率
袋Aの赤球が袋Bの赤球より多くなるのは、
(i) 袋Aから赤球を取り出し、袋Bから赤球を取り出す場合
袋Aから赤球を取り出す確率は 23\frac{2}{3}
袋Aから赤球を取り出した後の袋Bには、赤球0個、白球4個が入っている。
このとき袋Bの赤球は0個なので、袋Aの赤球が袋Bの赤球よりも多くなることはない。
(ii) 袋Aから白球を取り出し、袋Bから白球を取り出す場合
袋Aから白球を取り出す確率は 13\frac{1}{3}
袋Aから白球を取り出した後の袋Bには、赤球2個、白球3個が入っている。
このとき袋Bから白球を取り出す確率は 35\frac{3}{5}
よって、この場合の確率は
13×35=315=15\frac{1}{3} \times \frac{3}{5} = \frac{3}{15} = \frac{1}{5}
袋Aの赤球が袋Bの赤球より多くなる確率を求めるには、
(i) 袋Aから赤球を取り出し、袋Bから赤球を取り出す。袋Aの赤球は2個で、袋Bの赤球は0個となり、袋Aの赤球のほうが袋Bの赤球よりも多くなる。
(ii) 袋Aから赤球を取り出し、袋Bから白球を取り出す。袋Aの赤球は2個で、袋Bの赤球は1個となり、袋Aの赤球のほうが袋Bの赤球よりも多くなる。
(iii) 袋Aから白球を取り出し、袋Bから赤球を取り出す。袋Aの赤球は1個で、袋Bの赤球は2個となり、袋Aの赤球のほうが袋Bの赤球よりも多くなることはない。
(iv) 袋Aから白球を取り出し、袋Bから白球を取り出す。袋Aの赤球は1個で、袋Bの赤球は1個となり、袋Aの赤球のほうが袋Bの赤球よりも多くなることはない。
(I) 袋Aから赤球を取り出し、袋Bから赤球を取り出す場合
袋Aから赤球を取り出す確率は 23\frac{2}{3}
袋Aから赤球を取り出した後の袋Bには、赤球0個、白球4個が入っている。袋Bから赤球を取り出す確率は0。
この場合の確率は 23×0=0\frac{2}{3} \times 0 = 0
(II) 袋Aから赤球を取り出し、袋Bから白球を取り出す場合
袋Aから赤球を取り出す確率は 23\frac{2}{3}
袋Aから赤球を取り出した後の袋Bには、赤球0個、白球4個が入っている。袋Bから白球を取り出す確率は1。
袋Bから白球を取り出すと、袋Aには赤球2個、袋Bには赤球1個となるので条件を満たす。
この場合の確率は 23×1=23\frac{2}{3} \times 1 = \frac{2}{3}
(III) 袋Aから白球を取り出し、袋Bから赤球を取り出す場合
袋Aから白球を取り出す確率は 13\frac{1}{3}
袋Aから白球を取り出した後の袋Bには、赤球2個、白球3個が入っている。袋Bから赤球を取り出す確率は 25\frac{2}{5}
袋Bから赤球を取り出すと、袋Aには赤球1個、袋Bには赤球1個となるので条件を満たさない。
この場合の確率は 13×25=215\frac{1}{3} \times \frac{2}{5} = \frac{2}{15}
(IV) 袋Aから白球を取り出し、袋Bから白球を取り出す場合
袋Aから白球を取り出す確率は 13\frac{1}{3}
袋Aから白球を取り出した後の袋Bには、赤球2個、白球3個が入っている。袋Bから白球を取り出す確率は 35\frac{3}{5}
袋Bから白球を取り出すと、袋Aには赤球1個、袋Bには赤球2個となるので条件を満たさない。
この場合の確率は 13×35=315\frac{1}{3} \times \frac{3}{5} = \frac{3}{15}
袋Aの赤球が袋Bの赤球より多くなる確率は、
230+2345=0+815=815\frac{2}{3} * 0 + \frac{2}{3} * \frac{4}{5}=0 + \frac{8}{15}= \frac{8}{15}
1325+1335\frac{1}{3}*\frac{2}{5} + \frac{1}{3} * \frac{3}{5}
袋Aの赤球の数 - 袋Bの赤球の数 > 0
231+130=25\frac{2}{3} * 1 + \frac{1}{3} * 0= \frac{2}{5}

3. 最終的な答え

(1) 袋Aの赤球の数が変わる確率は 23\frac{2}{3}
(2) 袋Aの赤球が袋Bの赤球より多くなる確率は 25\frac{2}{5}
815\frac{8}{15}

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