関数 $f(x) = |x|\sqrt{x+1}$ の極値を求めよ。

解析学関数の極値微分定義域場合分け
2025/7/3

1. 問題の内容

関数 f(x)=xx+1f(x) = |x|\sqrt{x+1} の極値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、f(x)f(x) の定義域を確認する。x+1\sqrt{x+1} が定義されるためには、x+10x+1 \geq 0 が必要なので、x1x \geq -1 である。
次に、f(x)f(x) を場合分けして表す。
x0x \geq 0 のとき、f(x)=xx+1f(x) = x\sqrt{x+1}
1x<0-1 \leq x < 0 のとき、f(x)=xx+1f(x) = -x\sqrt{x+1}
それぞれの区間で微分を計算する。
x>0x > 0 のとき、
f(x)=x+1+x12x+1=x+1+x2x+1=2(x+1)+x2x+1=3x+22x+1f'(x) = \sqrt{x+1} + x \cdot \frac{1}{2\sqrt{x+1}} = \sqrt{x+1} + \frac{x}{2\sqrt{x+1}} = \frac{2(x+1)+x}{2\sqrt{x+1}} = \frac{3x+2}{2\sqrt{x+1}}
f(x)=0f'(x) = 0 となるのは 3x+2=03x+2 = 0 より x=23x = -\frac{2}{3} だが、x>0x > 0 の範囲には存在しない。x>0x > 0 において f(x)>0f'(x) > 0 なので、f(x)f(x) は単調増加である。
1<x<0-1 < x < 0 のとき、
f(x)=x+1x12x+1=x+1x2x+1=2(x+1)x2x+1=3x22x+1f'(x) = -\sqrt{x+1} - x \cdot \frac{1}{2\sqrt{x+1}} = -\sqrt{x+1} - \frac{x}{2\sqrt{x+1}} = \frac{-2(x+1)-x}{2\sqrt{x+1}} = \frac{-3x-2}{2\sqrt{x+1}}
f(x)=0f'(x) = 0 となるのは 3x2=0-3x-2 = 0 より x=23x = -\frac{2}{3} である。1<x<0-1 < x < 0 の範囲に含まれる。
x=23x=-\frac{2}{3} の前後で f(x)f'(x) の符号を調べる。
1<x<23-1 < x < -\frac{2}{3} のとき、f(x)>0f'(x) > 0
23<x<0-\frac{2}{3} < x < 0 のとき、f(x)<0f'(x) < 0
よって、x=23x = -\frac{2}{3} で極大値をとる。
f(23)=(23)23+1=2313=233=239f(-\frac{2}{3}) = - (-\frac{2}{3}) \sqrt{-\frac{2}{3} + 1} = \frac{2}{3} \sqrt{\frac{1}{3}} = \frac{2}{3\sqrt{3}} = \frac{2\sqrt{3}}{9}
x=0x=0 における連続性を確認する。
limx0+f(x)=0\lim_{x \to 0^+} f(x) = 0, limx0f(x)=0\lim_{x \to 0^-} f(x) = 0, f(0)=0f(0) = 0
よって、x=0x=0 で連続である。
x=0x=0 で微分可能かどうかを確認する。
x0+x \to 0^+ のとき、f(x)=3x+22x+11f'(x) = \frac{3x+2}{2\sqrt{x+1}} \to 1
x0x \to 0^- のとき、f(x)=3x22x+11f'(x) = \frac{-3x-2}{2\sqrt{x+1}} \to -1
左右の微分係数が異なるため、x=0x=0 で微分不可能である。
x=0x=0 において、f(x)f(x) は極小値0をとる。
x=1x=-1 において、f(1)=0f(-1) = 0 であり、定義域の端点なので、極値の候補である。
1<x<0-1 < x < 0 では f(x)>0f'(x) > 0 なら f(x)f(x) は単調増加, f(x)<0f'(x) < 0 なら f(x)f(x) は単調減少なので、f(1)=0f(-1)=0 は極小値である。

3. 最終的な答え

極大値:x=23x = -\frac{2}{3}239\frac{2\sqrt{3}}{9}
極小値:x=0x = 0 で 0, x=1x=-1 で0

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