関数 $f(x)$ が $x=a$ で微分可能であるとき、次の極限値を $f'(a)$ を用いて表します。 (1) $\lim_{h\to 0} \frac{f(a+2h)-f(a)}{h}$ (2) $\lim_{h\to 0} \frac{f(a+h)-f(a-h)}{h}$

1. 問題の内容

関数 $f(x)$ が $x=a$ で微分可能であるとき、次の極限値を $f'(a)$ を用いて表します。

(1) $\lim_{h\to 0} \frac{f(a+2h)-f(a)}{h}$

(2) $\lim_{h\to 0} \frac{f(a+h)-f(a-h)}{h}$

2. 解き方の手順

(1)

$f'(a) = \lim_{h\to 0} \frac{f(a+h)-f(a)}{h}$ を利用します。

与えられた極限の式を変形して、$f'(a)$の形を作ります。

$\lim_{h\to 0} \frac{f(a+2h)-f(a)}{h} = \lim_{h\to 0} \frac{f(a+2h)-f(a)}{(2h)/2} = \lim_{h\to 0} 2 \frac{f(a+2h)-f(a)}{2h}$

ここで、$k=2h$ とおくと、$h\to 0$ のとき $k\to 0$ であるから、

$\lim_{h\to 0} 2 \frac{f(a+2h)-f(a)}{2h} = 2\lim_{k\to 0} \frac{f(a+k)-f(a)}{k} = 2f'(a)$

(2)

$f'(a) = \lim_{h\to 0} \frac{f(a+h)-f(a)}{h}$ を利用します。

与えられた極限の式を変形して、$f'(a)$の形を作ります。

$\lim_{h\to 0} \frac{f(a+h)-f(a-h)}{h} = \lim_{h\to 0} \frac{f(a+h)-f(a) + f(a) - f(a-h)}{h}$

$= \lim_{h\to 0} \frac{f(a+h)-f(a)}{h} + \lim_{h\to 0} \frac{f(a) - f(a-h)}{h}$

$= \lim_{h\to 0} \frac{f(a+h)-f(a)}{h} + \lim_{h\to 0} \frac{f(a-h) - f(a)}{-h}$

ここで、$k = -h$ とおくと、$h\to 0$ のとき $k\to 0$ であるから、

$\lim_{h\to 0} \frac{f(a-h) - f(a)}{-h} = \lim_{k\to 0} \frac{f(a+k)-f(a)}{k} = f'(a)$

したがって、

$\lim_{h\to 0} \frac{f(a+h)-f(a-h)}{h} = f'(a) + f'(a) = 2f'(a)$

3. 最終的な答え

(1) $2f'(a)$

(2) $2f'(a)$