各選択肢を順番に検討します。
(1) 「f(x)は閉区間[a,b]において常に積分可能である。」 連続関数は積分可能であるという定理より、これは正しいです。
(2) 「閉区間[a,b]上で、f(x)≤g(x)ならば、∫ab∣f(x)∣dx≤∫ab∣g(x)∣dxが成り立つ。」 これは一般には成り立ちません。例えば、f(x)=−2、g(x)=−1のとき、f(x)≤g(x)ですが、∫ab∣−2∣dx=2(b−a)、∫ab∣−1∣dx=(b−a)となり、2(b−a)≤(b−a)とは限りません。 (3) 「limn→∞n1∑k=1n(nk)3=∫01x3dxが成り立つ。」 これは定積分の定義より正しいです。リーマン和の極限として定積分が定義できます。
(4) 「閉区間[a,b]上で、∫abf(x)dx=0ならば、[a,b]上でf(x)=0である。」 これは誤りです。例えば、f(x)=x、[a,b]=[−1,1]の場合、∫−11xdx=0ですが、f(x)は[a,b]上で恒等的に0ではありません。 (5) 「閉区間[a,b]上で、∫ab{f(x)}2dx=0ならば、[a,b]上でf(x)=0である。」 f(x)は連続なので、f(x)2も連続です。連続な非負関数f(x)2の定積分が0になるための必要十分条件は、f(x)2=0、つまりf(x)=0となることです。したがってこれは正しいです。 (6) 「∫acf(x)dx=∫abf(x)dx−∫cbf(x)dxが成り立つ。」 これは積分の性質より正しいです。∫abf(x)dx=∫acf(x)dx+∫cbf(x)dxなので、移項すれば与えられた式になります。