与えられた極限 $\lim_{x \to 0} \frac{e^x - 1}{x}$ を計算します。

解析学極限ロピタルの定理指数関数マクローリン展開
2025/7/4

1. 問題の内容

与えられた極限
limx0ex1x\lim_{x \to 0} \frac{e^x - 1}{x}
を計算します。

2. 解き方の手順

この極限は、0/0の不定形であるため、ロピタルの定理を適用できます。ロピタルの定理とは、limxaf(x)g(x)\lim_{x \to a} \frac{f(x)}{g(x)}00\frac{0}{0}または\frac{\infty}{\infty}の不定形であるとき、もしlimxaf(x)g(x)\lim_{x \to a} \frac{f'(x)}{g'(x)}が存在すれば、
limxaf(x)g(x)=limxaf(x)g(x)\lim_{x \to a} \frac{f(x)}{g(x)} = \lim_{x \to a} \frac{f'(x)}{g'(x)}
が成り立つという定理です。
この問題では、f(x)=ex1f(x) = e^x - 1g(x)=xg(x) = x とおきます。
f(x)=exf'(x) = e^x
g(x)=1g'(x) = 1
したがって、
limx0ex1x=limx0ex1\lim_{x \to 0} \frac{e^x - 1}{x} = \lim_{x \to 0} \frac{e^x}{1}
x0x \to 0のとき、exe0=1e^x \to e^0 = 1なので、
limx0ex1=11=1\lim_{x \to 0} \frac{e^x}{1} = \frac{1}{1} = 1
別解として、exe^x のマクローリン展開を利用する方法もあります。
ex=1+x+x22!+x33!+e^x = 1 + x + \frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!} + \dots
なので、
ex1=x+x22!+x33!+e^x - 1 = x + \frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!} + \dots
したがって、
ex1x=1+x2!+x23!+\frac{e^x - 1}{x} = 1 + \frac{x}{2!} + \frac{x^2}{3!} + \dots
よって、
limx0ex1x=limx0(1+x2!+x23!+)=1\lim_{x \to 0} \frac{e^x - 1}{x} = \lim_{x \to 0} (1 + \frac{x}{2!} + \frac{x^2}{3!} + \dots) = 1

3. 最終的な答え

1

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