実数 $a$ に対して関数 $f(x) = x^2 - 2ax + (2a+1)(a-1)$ が与えられています。この関数の最小値を $m$ とします。方程式 $f(x)=0$ が異なる2つの実数解 $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$) を持つとき、以下の問いに答えます。 (1) $m$ を $a$ で表しなさい。 (2) $\alpha < 1 < \beta$ を満たすとき、$a$ のとりうる値の範囲を求めなさい。 (3) (2) で求めた範囲で $a$ が動くとき、$m$ のとりうる値の範囲を求めなさい。

1. 問題の内容

実数 $a$ に対して関数 $f(x) = x^2 - 2ax + (2a+1)(a-1)$ が与えられています。この関数の最小値を $m$ とします。方程式 $f(x)=0$ が異なる2つの実数解 $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$) を持つとき、以下の問いに答えます。

(1) $m$ を $a$ で表しなさい。

(2) $\alpha < 1 < \beta$ を満たすとき、$a$ のとりうる値の範囲を求めなさい。

(3) (2) で求めた範囲で $a$ が動くとき、$m$ のとりうる値の範囲を求めなさい。

2. 解き方の手順

(1) $f(x)$ を平方完成します。

$f(x) = x^2 - 2ax + (2a+1)(a-1) = (x-a)^2 - a^2 + (2a+1)(a-1) = (x-a)^2 - a^2 + 2a^2 - 2a + a - 1 = (x-a)^2 + a^2 - a - 1$

最小値 $m$ は $m = a^2 - a - 1$ となります。

また、$f(x)=0$が異なる2つの実数解を持つ条件は、$f(x) = 0$の判別式$D$が$D>0$を満たすことです。

$f(x)=x^2 - 2ax + (2a+1)(a-1)$ に対して判別式 $D$ を計算すると、

$D/4 = a^2 - (2a+1)(a-1) = a^2 - (2a^2 - 2a + a - 1) = a^2 - 2a^2 + a + 1 = -a^2 + a + 1$

$D/4 > 0$ より、$-a^2 + a + 1 > 0$

$a^2 - a - 1 < 0$

$a = \frac{1 \pm \sqrt{1+4}}{2} = \frac{1 \pm \sqrt{5}}{2}$

よって$\frac{1-\sqrt{5}}{2} < a < \frac{1+\sqrt{5}}{2}$

(2) $\alpha < 1 < \beta$ となる条件は、$f(1) < 0$ となることです。

$f(1) = 1 - 2a + (2a+1)(a-1) = 1 - 2a + 2a^2 - 2a + a - 1 = 2a^2 - 3a$

$f(1) < 0$ より $2a^2 - 3a < 0$

$a(2a-3) < 0$

$0 < a < \frac{3}{2}$

(3) (2)で求めた $0 < a < \frac{3}{2}$ の範囲で $m = a^2 - a - 1$ のとりうる値の範囲を求めます。

$m = a^2 - a - 1 = (a - \frac{1}{2})^2 - \frac{1}{4} - 1 = (a - \frac{1}{2})^2 - \frac{5}{4}$

$a = \frac{1}{2}$ のとき、$m = -\frac{5}{4}$ で最小値をとります。

$a = 0$ のとき、$m = -1$

$a = \frac{3}{2}$ のとき、$m = (\frac{3}{2})^2 - \frac{3}{2} - 1 = \frac{9}{4} - \frac{6}{4} - \frac{4}{4} = -\frac{1}{4}$

よって、$-\frac{5}{4} \leq m < -\frac{1}{4}$

3. 最終的な答え

(1) $m = a^2 - a - 1$

(2) $0 < a < \frac{3}{2}$

(3) $-\frac{5}{4} \leq m < -\frac{1}{4}$