多項式 $P(x)$ について、以下の条件が与えられています。 - $P(x)$ は $x-1$ で割り切れる。 - $P(x)$ を $x+2$ で割った余りは $9$ である。 - $P(x)$ のすべての項の係数は実数である。 このとき、以下の問いに答えます。 (1) $P(1)$ と $P(-2)$ の値をそれぞれ求めよ。 (2) $P(x)$ を $x^2 + x - 2$ で割った余りを求めよ。 (3) $P(x)$ は3次の項の係数が1である3次式であり、方程式 $P(x) = 0$ が異なる実数解をちょうど2個もつ。$P(x)$ を求めよ。
2025/7/5
1. 問題の内容
多項式 について、以下の条件が与えられています。
- は で割り切れる。
- を で割った余りは である。
- のすべての項の係数は実数である。
このとき、以下の問いに答えます。
(1) と の値をそれぞれ求めよ。
(2) を で割った余りを求めよ。
(3) は3次の項の係数が1である3次式であり、方程式 が異なる実数解をちょうど2個もつ。 を求めよ。
2. 解き方の手順
(1) は で割り切れるので、剰余の定理より です。
を で割った余りが であるので、剰余の定理より です。
(2) を で割った余りを とおくと、
より、 と表せます。
(1)より、 なので、。
なので、。
よって、 かつ 。
この連立方程式を解くと、
より 。
したがって 。
より 。
よって、余りは です。
(3) は3次の項の係数が1である3次式なので、 と表せます。
が異なる実数解をちょうど2個もつので、 が重解になっているか、または が重解になっているかのどちらかです。
は3次式なので、解は3つあり、が重解であれば、 () となり、が重解であれば、 ( ) となります。
にを代入すると
にを代入すると
が を因数に持つとき、
の形になります。
(2)より と表せますが、の形になることはありません。
の形をしていることを考えます。このとき、重解を持つのはの因数である必要があります。 が異なる実数解を2つ持つことから、解は1と別の解か-2と別の解になります。が解であることはわかっているので、 (a ≠ 1) の形をしていると考えられます。
なので,
係数から3次の項の係数が1より、の係数は1なので正しい。
より
より つまり
これは実数解ではないため不適。
もしの解がであり、 ならば、 となり、 より、。
つまりとすれば、 とおくことができる。
2-2a = 1-c より
より
これは実数解ではないため不適。
とはならない
のとき, 他に重解を持つのはありえない
3. 最終的な答え
(1) ,
(2)
(3) 該当する は存在しない