多項式 $P(x)$ について、以下の条件が与えられています。 - $P(x)$ は $x-1$ で割り切れる。 - $P(x)$ を $x+2$ で割った余りは $9$ である。 - $P(x)$ のすべての項の係数は実数である。 このとき、以下の問いに答えます。 (1) $P(1)$ と $P(-2)$ の値をそれぞれ求めよ。 (2) $P(x)$ を $x^2 + x - 2$ で割った余りを求めよ。 (3) $P(x)$ は3次の項の係数が1である3次式であり、方程式 $P(x) = 0$ が異なる実数解をちょうど2個もつ。$P(x)$ を求めよ。

代数学多項式剰余の定理因数定理3次方程式
2025/7/5

1. 問題の内容

多項式 P(x)P(x) について、以下の条件が与えられています。
- P(x)P(x)x1x-1 で割り切れる。
- P(x)P(x)x+2x+2 で割った余りは 99 である。
- P(x)P(x) のすべての項の係数は実数である。
このとき、以下の問いに答えます。
(1) P(1)P(1)P(2)P(-2) の値をそれぞれ求めよ。
(2) P(x)P(x)x2+x2x^2 + x - 2 で割った余りを求めよ。
(3) P(x)P(x) は3次の項の係数が1である3次式であり、方程式 P(x)=0P(x) = 0 が異なる実数解をちょうど2個もつ。P(x)P(x) を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) P(x)P(x)x1x-1 で割り切れるので、剰余の定理より P(1)=0P(1) = 0 です。
P(x)P(x)x+2x+2 で割った余りが 99 であるので、剰余の定理より P(2)=9P(-2) = 9 です。
(2) P(x)P(x)x2+x2x^2+x-2 で割った余りを ax+bax+b とおくと、
x2+x2=(x1)(x+2)x^2+x-2 = (x-1)(x+2) より、P(x)=(x1)(x+2)Q(x)+ax+bP(x) = (x-1)(x+2)Q(x) + ax+b と表せます。
(1)より、P(1)=0P(1) = 0 なので、a(1)+b=0a(1)+b = 0
P(2)=9P(-2) = 9 なので、a(2)+b=9a(-2)+b = 9
よって、a+b=0a+b=0 かつ 2a+b=9-2a+b=9
この連立方程式を解くと、
2a+b(a+b)=90-2a+b - (a+b) = 9-0 より 3a=9-3a = 9
したがって a=3a = -3
a+b=0a+b=0 より b=a=3b = -a = 3
よって、余りは 3x+3-3x+3 です。
(3) P(x)P(x) は3次の項の係数が1である3次式なので、P(x)=(x1)(x+2)(xc)+(3x+3)P(x) = (x-1)(x+2) (x-c) + (-3x+3) と表せます。
P(x)=(x2+x2)(xc)3x+3=x3+(1c)x2+(2c)x+2c3x+3=x3+(1c)x2(c+5)x+2c+3P(x)=(x^2+x-2)(x-c) -3x+3=x^3+(1-c)x^2+(-2-c)x+2c-3x+3=x^3+(1-c)x^2-(c+5)x+2c+3
P(x)=0P(x) = 0 が異なる実数解をちょうど2個もつので、x=1x=1 が重解になっているか、または x=2x=-2が重解になっているかのどちらかです。
P(x)P(x)は3次式なので、解は3つあり、x=1x=1が重解であれば、x=1,1,αx=1,1,\alpha (α1 \alpha \neq 1) となり、x=2x=-2が重解であれば、x=2,2,βx=-2,-2,\beta ( β2\beta \neq -2) となります。
P(x)=(x1)(x+2)(xc)3x+3P(x)=(x-1)(x+2) (x-c) -3x+3x=1x=1を代入するとP(1)=3(1)+3=0P(1)= -3(1)+3 =0
P(x)=(x1)(x+2)(xc)3x+3P(x)=(x-1)(x+2) (x-c) -3x+3x=2x=-2を代入するとP(2)=3(2)+3=9P(-2)=-3(-2)+3=9
P(x)P(x)(x1)2(x-1)^2 を因数に持つとき、
P(x)=(x1)2(xc)P(x) = (x-1)^2(x-c)の形になります。
(2)よりP(x)=(x1)(x+2)Q(x)3x+3P(x)=(x-1)(x+2)Q(x) -3x+3 と表せますが、P(x)=(x1)2(xc)P(x)=(x-1)^2(x-c)の形になることはありません。
P(x)=(xα)(xβ)2P(x) = (x-\alpha)(x-\beta)^2 の形をしていることを考えます。このとき、重解を持つのはx2+x2=(x1)(x+2)x^2+x-2=(x-1)(x+2)の因数である必要があります。P(x)=0P(x) = 0 が異なる実数解を2つ持つことから、解は1と別の解か-2と別の解になります。x=1x=1が解であることはわかっているので、P(x)=(x1)(xa)2P(x) = (x-1)(x-a)^2 (a ≠ 1) の形をしていると考えられます。
P(x)=(x1)g(x)P(x)= (x-1) g(x) なのでg(x)=(xa)2g(x) = (x-a)^2, P(x)=(x1)(xa)2=x3+(2a1)x2+(a2+2a)xa2P(x) =(x-1)(x-a)^2=x^3 + (-2a-1)x^2 + (a^2 +2a)x -a^2
係数から3次の項の係数が1より、x3x^3の係数は1なので正しい。
x3+(2a1)x2+(a2+2a)xa2=(x2+x2)(xc)3x+3=x3+(1c)x2+(c5)x+(2c+3)x^3 + (-2a-1)x^2 + (a^2 +2a)x -a^2 =(x^2+x-2)(x-c) -3x+3 = x^3 + (1-c)x^2 + (-c-5)x +(2c+3)
2a1=1c-2a-1 = 1-c より c=2a+2c=2a+2
a2+2a=c5a^2+2a=-c-5 より a2+2a=2a25a^2+2a = -2a-2-5 つまり a2+4a+7=0a^2+4a+7=0
a=4±16472=2±47=2±i3a = \frac{-4 \pm \sqrt{16-4*7}}{2} = -2 \pm \sqrt{4-7}=-2 \pm i\sqrt{3} これは実数解ではないため不適。
もしP(x)=0P(x)=0の解がx=α,β,βx= \alpha , \beta , \betaであり、 P(x)=(x+2)h(x)+9 P(x)= (x+2)h(x) + 9ならば、P(2)=9 P(-2) =9 となり、 P(x)=(x+2)h(x)+9 P(x) = (x+2)h(x)+9 より、h(x)=0 h(x) =0
つまりh(x)=a(xa)2h(x) = a(x-a)^2とすれば、P(x)=(x+2)(xa)2+9P(x)= (x+2)(x-a)^2 + 9 とおくことができる。
P(x)=x32ax2+a2x+2x24ax+2a2+9=x3+(22a)x2+(a24a)x+2a2+9P(x)=x^3-2ax^2+a^2x+2x^2-4ax+2a^2+9 = x^3+ (2-2a)x^2 + (a^2-4a)x + 2a^2+9
P(x)=(x1)(x+2)(xc)3x+3=x3+(1c)x2+(5c)x+2c+3P(x) = (x-1)(x+2)(x-c) -3x+3 = x^3 + (1-c)x^2 + (-5-c)x + 2c+3
2-2a = 1-c より c=2a1c = 2a-1
a24a=5c=52a+1=42aa^2-4a = -5-c = -5 -2a +1= -4-2a より a22a+4=0a^2-2a+4 = 0
a=2±4162=1±i3a= \frac{2\pm \sqrt{4-16}}{2} = 1 \pm i\sqrt{3} これは実数解ではないため不適。
P(x)=(x1)(xa)2P(x) = (x-1) (x-a)^2とはならない
P(x)=(x1)(xα)2=(x1)(x22αx+α2)=x3+(2α1)x2+(α2+2α)xα2P(x)=(x-1)(x-\alpha)^2 = (x-1)(x^2-2\alpha x + \alpha^2) = x^3 + (-2\alpha - 1)x^2 + (\alpha^2+2\alpha) x - \alpha^2
x=1x=1のときP(x)=0P(x)=0, 他に重解を持つのはありえない

3. 最終的な答え

(1) P(1)=0P(1) = 0, P(2)=9P(-2) = 9
(2) 3x+3-3x+3
(3) 該当する P(x)P(x) は存在しない

「代数学」の関連問題

数列 $2, 5, 14, 41, 122, 365, \dots$ の一般項 $a_n$ を求める問題です。ただし、数列の階差数列が初項1、公比3の等比数列であることがわかっています。与えられた式を...

数列一般項等比数列シグマ漸化式
2025/7/5

与えられた数列 $\{a_n\}$: 2, 5, 14, 41, 122, 365, ... の一般項を求める。ただし、階差数列が初項1、公比3の等比数列であることがわかっている。

数列一般項等比数列階差数列数学的帰納法
2025/7/5

数列 $\{a_n\}$ が与えられており、その一般項を求める問題です。数列は $2, 5, 14, 41, 122, 365, \dots$ です。

数列一般項等比数列階差数列和の公式
2025/7/5

数列 $2, 5, 14, 41, 122, 365, ...$ の一般項 $a_n$ を求めます。ただし、この数列の階差数列が、初項が1、公比が2の等比数列であるという条件が与えられています。そして...

数列等比数列階差数列一般項
2025/7/5

次の2つの2次式を、複素数の範囲で因数分解する。 (1) $x^2 - 4x - 3$ (2) $3x^2 - 2x + 3$

二次方程式因数分解複素数
2025/7/5

2次方程式 $x^2 + 3x + 4 = 0$ の2つの解を $\alpha$ と $\beta$ とするとき、$\alpha^2$ と $\beta^2$ を解とする2次方程式を1つ作成する。

二次方程式解と係数の関係解の変換
2025/7/5

2次方程式 $x^2 - 3x + 4 = 0$ の2つの解を $\alpha, \beta$ とするとき、以下の式の値を求めます。 (1) $(\alpha+1)(\beta+1)$ (2) $\a...

二次方程式解と係数の関係式の計算
2025/7/5

家から2km離れた駅まで、はじめは分速80mで歩き、途中から分速240mで走ったところ、駅に着くまでに17分かかりました。歩いた道のりと走った道のりをそれぞれ求める問題です。与えられた連立方程式を使っ...

連立方程式文章問題距離速度計算
2025/7/5

与えられた2次方程式 $x^2 - 8x + 3 = 0$ を解く問題です。

二次方程式解の公式平方根
2025/7/5

与えられた数式 $(x^2y + xy^2 - x) \div x$ を簡略化します。

式の簡略化多項式
2025/7/5